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閣法第193回国会 第33号成立修正あり

絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案

平成29年法律第51号 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律
提出平成29年2月28日 内閣
付託衆議院 環境委員会
参議院 環境委員会
成立
平成29年法律第51号
審議会議 9回・発言 706(政府答弁等 227)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院環境委員会

  1. H29.4.11趣旨説明・質疑本会議 1834
  2. H29.4.18趣旨説明環境委員会 12175
  3. H29.4.21視察委員報告・質疑環境委員会 13156
  4. H29.4.25参考人招致・参考人質疑・質疑・修正案趣旨説明・採決・附帯決議・修正案環境委員会 14248
  5. H29.4.28委員長報告・採決本会議 2219

参議院環境委員会

  1. H29.5.16趣旨説明環境委員会 138
  2. H29.5.18参考人招致・参考人質疑環境委員会 1466
  3. H29.5.25質疑・採決・附帯決議環境委員会 15186
  4. H29.5.26委員長報告・採決本会議 2654

提案理由

山本公一 環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災) 平成29年4月11日

ただいま議題となりました絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律では、国内希少野生動植物種を指定して捕獲等及び譲り渡し等を規制し、保全を図っているところですが、特に里地里山などに生息、生育する絶滅危惧種については、これらの厳しい規制が環境教育や調査研究等に支障を及ぼし、かえって保全につながらないことが懸念されるため、こうした種の効果的な保存を進めるための新たな制度が求められています。

 また、野生動植物種の生息、生育状況の悪化に伴い、生息域外での保護増殖が必要な種が増大しており、こうした取り組みを政府の力だけで実施していくのではなく、動物園、水族館、植物園等と緊密に連携していくことが必要不可欠です。

 加えて、ワシントン条約に基づいて国際取引が規制されている希少な野生動植物種についても、国内における違法流通等が報告されており、国際的に協力して種を保存していく観点から、違法行為を食いとめるための対策が急務となっています。

 本法律案は、こうした状況を踏まえ、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存のための施策を一層強化するための措置を講じようとするものであります。

 次に、本法律案の内容の概要を御説明申し上げます。

 第一に、里地里山などに分布する種についても積極的に本法律に基づく保全対象とするため、販売または頒布を目的とする捕獲等及び譲り渡し等のみを禁止する特定第二種国内希少野生動植物種制度を創設します。

 第二に、希少種保全の観点から一定の基準を満たす動植物園等を認定する制度を導入し、認定を受けた動植物園等については希少野生動植物種の譲り渡し等の禁止の規定を適用しないこととします。

 第三に、国際希少野生動植物種の個体等の登録に関して、個体識別措置の義務づけ、有効期間の導入等を行います。

 第四に、象牙を取り扱う事業者について現行の届け出制を登録制とし、登録時の審査、登録の更新、登録の取り消し等の手続を新設するとともに、罰則を強化することにより、事業者管理の強化を図ります。

 第五に、国内希少野生動植物種等の指定等に当たっては、専門の学識経験を有する者の意見を聞かなければならないこととするとともに、希少野生動植物種保存基本方針に、国内希少野生動植物種に係る提案の募集に関する基本的な事項を追加し、国民の提案も踏まえた国内希少野生動植物種の指定等を推進します。

 以上が、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ――――◇―――――

 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

第193回国会衆議院会議録第18号5頁(平成29年4月11日)〔山本公一環境大臣発言・発言番号28〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 環境委員会平成29年4月25日

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

一常設の「野生動植物の種に関し専門の学識経験を有する者」からなる科学委員会の委員については、野生動植物種の保全に関し専門の学識経験を有する科学者等国民の理解を得られる人選を行い、自由闊達な議論を保障するとともに、明確な理由の存在しない限り、国民に対する情報の公開を徹底すること。また、科学委員会は、環境大臣の諮問を待たず、種の保存に関連して、種の保存法の見直しやその他関係法令の見直しを含め、積極的に意見具申を行うこと。

二生息地等保護区の指定や保護増殖事業計画の策定についても、現場で実際に保全に取り組む団体等からの提案を受け入れる制度の法定化を検討するとともに、これら国民からの提案を踏まえ、科学委員会は、種指定の優先度と個体数回復などの目標、必要な保護増殖事業計画、生息地等保護区などを適切に具申すること。

三二次的自然に分布する絶滅危惧種については、自然への働きかけの縮小による生息・生育状況の悪化が主な減少要因とされていることから、特定第二種国内希少野生動植物種の指定と同時に、生息環境の改善に取り組むこと。また、二次的自然については、厳格な行為規制よりも人の管理を継続することが重要となることから、農林水産業や市民活動を奨励するような生息地等保護区の指定の在り方について検討すること。

四国内希少野生動植物種の指定は、科学的知見を最大限に尊重して実施することとし、当面、二〇三〇年度までに七百種を指定することを目指し、候補種の選定について検討すること。

五「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」を法定の「基本方針」に確実に反映させ、閣議決定すること。

六海洋生態系の要となる海棲哺乳類を含めた海洋生物については、科学的見地に立ってその希少性評価の透明性を高め、その評価を環境省と水産庁で連携して同法の趣旨に沿って適切に行うこと。また、国内希少野生動植物種の指定に当たっては、現在は種指定の実績がない海洋生物についても、積極的に対象とすること。

七生物多様性基本法第二十四条、種の保存法第五十三条第二項に則り、種の保存に関し、最新の科学的知見を踏まえた学校教育・社会教育・広報活動、専門的な知識・経験を有する人材の育成、種の保存に関して理解を深める場及び機会の提供等により、種の保存に関する国民の理解を深めること。

八生物多様性基本法第八条を踏まえ、希少野生動植物種の保存のため、地方自治体への支援を含め、財政上、税制上その他の措置を講ずること。

九改正法附則第十条に基づき、改正法施行五年後に本改正内容の評価を行うとともに、以下の措置を講ずること。 1 ワシントン条約附属書に掲載されている種は、保全に国際的協力が不可欠であり、地球の自然体系のかけがえのない一部であるという観点から、国際情勢を踏まえて、抜本的な見直しを検討すること。 2 違法取引が原産国での過度な捕獲や採取を助長するとの認識に立ち、国内取引の規制強化や交雑個体の取扱について検討すること。

十今回創設される特定第二種国内希少野生動植物種については、販売・頒布目的以外の捕獲等及び譲渡し等が認められることから、種の分布や生息状況を定期的に把握すること。

十一アフリカゾウの密猟を防ぐため、象牙の国内市場の閉鎖が世界的な潮流となる中、国内市場を存続させている我が国においては、違法取引が疑われることのないよう、象牙の管理の更なる強化に積極的に取り組むこと。

十二輸入が差し止められた希少な野生動植物については、本来の生息地での保全が最も望ましいことから、原産国等へ返すための方策について検討すること。

参議院 環境委員会平成29年5月25日

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

一常設の「野生動植物の種に関し専門の学識経験を有する者」からなる科学委員会の委員については、野生動植物種の保全に関し専門の学識経験を有する科学者等国民の理解を得られる幅広い人選を行い、自由闊達な議論を保障するとともに、明確な理由の存在しない限り、国民に対する情報の公開を徹底すること。また、科学委員会は、環境大臣の諮問を待たず、種の保存に関連して、種の保存法の見直しやその他関係法令の見直しを含め、積極的に意見具申を行うこと。

二生息地等保護区の指定や保護増殖事業計画の策定についても、現場で実際に保全に取り組む団体等からの提案を受け入れる制度の法定化を検討するとともに、これら国民からの提案を踏まえ、科学委員会は、種指定の優先度と個体数回復などの目標、必要な保護増殖事業計画、生息地等保護区などを適切に具申すること。

三二次的自然に分布する絶滅危惧種については、自然への働きかけの縮小による生息・生育状況の悪化が主な減少要因とされていることから、特定第二種国内希少野生動植物種の指定と同時に、保護増殖事業や生息地等保護区の指定を推進し、生息環境の改善に取り組むこと。また、二次的自然については、厳格な行為規制よりも人の管理を継続することが重要となることから、農林水産業や市民活動を奨励するような生息地等保護区の指定の在り方について検討すること。

四特定第二種国内希少野生動植物種については、販売・頒布目的以外の捕獲等及び譲渡し等が認められることから、種の分布や生息状況を定期的に把握すること。

五国内希少野生動植物種の指定は、科学的知見を最大限に尊重して実施することとし、当面、二〇三〇年度までに七百種を指定することを目指し、候補種の選定について検討すること。

六「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」を種の保存法第六条の「希少野生動植物種保存基本方針」や生物多様性基本法第十一条の「生物多様性国家戦略」に確実に反映させ、閣議決定すること。

七海洋生態系の要となる海棲哺乳類を含めた海洋生物については、科学的見地に立ってその希少性評価の透明性を高め、その評価を環境省と水産庁で連携して種の保存法の趣旨に沿って適切に行うこと。また、国内希少野生動植物種の指定に当たっては、現在は種指定の実績がない海洋生物についても、積極的に対象とすること。

八生物多様性基本法第二十四条、種の保存法第五十三条第二項に則り、種の保存に関し、最新の科学的知見を踏まえた学校教育・社会教育・広報活動、専門的な知識・経験を有する人材の育成、種の保存に関して理解を深める場及び機会の提供等により、種の保存に関する国民の理解を深めること。

九生物多様性基本法第八条を踏まえ、希少野生動植物種の保存のため、地方自治体への支援を含め、財政上、税制上その他の措置を講ずること。

十ワシントン条約附属書に掲載されている種については、その保全に国際的協力が不可欠であることを踏まえて、見直しを検討すること。また、違法取引が原産国での過度な捕獲や採取を助長するとの認識に立ち、国際希少野生動植物種の国内取引の規制強化や交雑種の取扱いについて検討すること。

十一アフリカゾウの密猟を防ぐため、象牙の国内市場の閉鎖が世界的な潮流となる中、国内市場を存続させている我が国においては、違法取引が疑われることのないよう、全形牙の登録の在り方の検討を含め、象牙の管理の更なる強化に積極的に取り組むこと。

十二輸入が差し止められた希少な野生動植物については、本来の生息地での保全が最も望ましいことから、原産国等へ返すための方策について検討すること。

十三本法の実効性を確保するため、地方環境事務所等の現場における必要な人員を十分に確保し、予算の拡充を図るとともに、地方自治体を始めとする多様な主体との更なる連携の強化を図ること。

十四動植物園等が行う希少野生動植物種の生息域外保全等に係る取組については、その役割の重要性に鑑み、財政措置を含む効果的な支援策を検討すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119301033)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。