児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 厚生労働委員会
平成29年法律第69号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生労働委員会
- H29.5.16趣旨説明・質疑本会議 2531
- H29.5.24趣旨説明厚生労働委員会 22120
- H29.5.26質疑厚生労働委員会 23200
- H29.5.30参考人招致・参考人質疑厚生労働委員会 2478
- H29.5.31質疑・採決・附帯決議厚生労働委員会 25284
- H29.6.1委員長報告・採決本会議 3019
参議院厚生労働委員会
- H29.6.8趣旨説明厚生労働委員会 23272
- H29.6.13質疑・採決・附帯決議厚生労働委員会 24298
- H29.6.14委員長報告・採決本会議 32144
提案理由
塩崎恭久 厚生労働大臣 平成29年5月16日ただいま議題となりました児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
児童虐待防止対策に関しましては、平成二十八年五月に成立をした児童福祉法等の一部を改正する法律において、子供の権利を初めて法律上明確に位置づけるなどの抜本的な見直しを行いましたが、この法律の附則第二条第二項において、要保護児童を適切に保護するための措置に係る手続における裁判所の関与のあり方について、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされました。
この規定を踏まえ、児童の保護についての司法関与の強化等を行い、虐待を受けている児童等の保護を図るため、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
第一に、虐待を受けている児童等の保護者に対する指導への司法関与であります。
家庭裁判所は、里親委託、施設入所等の措置に関する承認の申し立てがあった場合は、都道府県等に対し、保護者に対する指導措置をとるよう勧告することができることとするとともに、勧告を行った上で申し立てを却下する審判をする場合においても、家庭裁判所は、都道府県等に対し、当該指導措置をとるよう勧告することができることとしています。また、家庭裁判所がこれらの勧告を行ったときは、その旨を保護者に通知するものとしています。
第二に、一時保護に対する司法審査の導入であります。
二月を超えて引き続き一時保護を行うことが親権者等の意に反する場合は、都道府県知事等は、家庭裁判所の承認を得なければならないこととしています。
第三に、接近禁止命令を行うことができる場合の拡大であります。
都道府県知事等は、保護者の同意のもとで里親委託、施設入所等の措置がとられ、または一時保護が行われている場合にも、児童虐待を行った保護者が児童の身辺につきまとってはならないこと等を命ずることができることとしています。
この法律の施行期日は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としています。
政府は、この法律の施行後三年を目途として、児童相談所の体制の整備の状況、家庭裁判所の関与のもとでの要保護児童を適切に保護するために児童相談所等がとる措置の実施状況等を勘案し、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしています。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
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児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第193回国会衆議院会議録第25号4頁(平成29年5月16日)〔塩崎恭久厚生労働大臣発言・発言番号22〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一家庭裁判所の研修内容に、子どもの権利や児童福祉についてのソーシャルワークの研修を組み込む等、人材育成に努めること。
二一時保護所においては、多様な背景を持つ児童の心の安定が保たれ、プライバシーに関して十分な配慮が払われるよう、個室化等の環境の改善を図ること。また、一時保護所への入所時における教育を受ける権利の保障、教員等の配置を充実させること。
三より適切な一時保護の在り方として、里親や民間NPO等への一時保護委託の活用を進めること。
四親子の再統合を支援するため、児童相談所の体制整備を進めるとともに、保護者に対するカウンセリング、依存症等の必要な治療、家庭内の子どもに係る衣食住を含む日常生活についての指導など、養育環境の計画的な改善を図ること。
五DV被害者が子どもを連れて婦人相談所に来た場合は、子どもに対する直接的な虐待がないとされる場合も面前DVの疑いについて児童相談所に連絡し、その後の対応について、一時保護委託先として取り扱うことも含めて検討し、連携を図ること。
六虐待死の防止に資するよう、あらゆる子どもの死亡事例について死因を究明するチャイルド・デス・レビュー制度の導入を検討すること。
七児童心理治療施設については、各都道府県一施設を早期に実現するとともに、児童の良好な成育環境を提供できる人材の育成と専門職の確保に努めること。
八児童相談所、婦人保護施設、NPO等の支援団体等が相互に連携する体制について検討を加え、適切な措置を講じること。
九予期せぬ妊娠をした妊婦や養育困難と見込まれる妊婦に対する支援については、妊娠中から特別養子縁組も視野に入れて児童相談所や民間団体との連携を深めること。
十児童虐待対応が必要な家庭に関する情報について、児童相談所と警察や医療機関等が全件共有できるよう必要な検討を行うとともに、転居時の対応や今後の政策立案にも活用すること。
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一家庭裁判所の研修内容に、子どもの権利や児童福祉についてのソーシャルワークの研修を組み込む等、人材育成に努めるとともに、業務量の増加に対応できるよう家庭裁判所の人員を含めた体制強化に努めること。
二児童の社会的養護については、障害等のある児童が増加している状況を踏まえ、職員の研修など支援のための取組を強化すること。また、性的マイノリティーの入所者の存在を考慮し、適切な対応について研究を進めること。
三一時保護所においては、多様な背景を持つ子どもの心の安定が保たれ、プライバシーに関して十分な配慮が払われるよう、個室化等の環境の改善を図るとともに、入所時における教育を受ける権利の保障、教員等の配置を充実させること。また、在所日数など、各都道府県等における一時保護所の実態について継続的に調査を行い公表するとともに、里親や民間NPO等への一時保護委託の活用を進めること。
四児童虐待の発生予防・早期発見が重要であることに鑑み、乳幼児健康診査等における医師、歯科医師、保健師、助産師、看護師や児童の福祉に関係のある者が、相互に連携を図りながら、より一層協力できるよう支援すること。
五子どもに対して永続的な家庭を保障することの重要性に鑑み、特別養子縁組の利用拡大のための制度的枠組みについて速やかに検討を加え、その結果を踏まえ、必要な法的措置を講ずること。
六予期せぬ妊娠をした妊婦や養育困難と見込まれる妊婦に対する支援については、妊娠中から特別養子縁組も視野に入れて児童相談所や民間団体との連携を深めること。また、妊娠を他者に知られたくない女性に対する相談支援の方策について検討すること。
七親子の再統合を支援するため、児童相談所の体制整備を進めるとともに、保護者に対するカウンセリング、依存症等の必要な治療、家庭内の子どもに係る衣食住を含む日常生活についての指導など、養育環境の計画的な改善を図ること。
八DV被害者が子どもを連れて婦人相談所に来た場合は、子どもに対する直接的な虐待がないとされる場合も面前DVの疑いについて児童相談所に連絡し、その後の対応について、一時保護委託先として取り扱うことも含めて検討し、連携を図ること。
九児童心理治療施設については、各都道府県一施設を早期に実現するとともに、子どもの良好な成育環境を提供できる人材の育成と専門職の確保に努めること。
十児童相談所、婦人保護施設、NPO等の支援団体等が相互に連携する体制について検討を加え、適切な措置を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119301048)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。