原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 文教科学委員会
平成30年法律第90号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文部科学委員会
- H30.11.16趣旨説明文部科学委員会 3205
- H30.11.20参考人招致・参考人質疑文部科学委員会 4119
- H30.11.21修正案趣旨説明・質疑・討論・採決・修正案文部科学委員会 5218
- H30.11.22委員長報告・採決本会議 828
参議院文教科学委員会
- H30.11.27趣旨説明文教科学委員会 3267
- H30.11.29参考人招致・参考人質疑文教科学委員会 482
- H30.12.4質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案文教科学委員会 5205
- H30.12.5委員長報告・討論・採決本会議 831
提案理由
柴山昌彦 文部科学大臣 平成30年11月16日このたび政府から提出いたしました原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
我が国の原子力損害賠償制度は、昭和三十六年に原子力損害の賠償に関する法律が制定されて以降、諸情勢の変化や株式会社ジェー・シー・オーのウラン加工施設における臨界事故の教訓を踏まえ、必要な見直しが行われてまいりました。
平成二十三年三月十一日に東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故が発生いたしましたが、その際の原子力損害の賠償の経験等を教訓とし、万が一の際における原子力損害賠償制度のあり方を適切に見直す必要があり、原子力損害賠償・廃炉等支援機構法附則第六条においては、原子力損害の賠償に関する法律の改正等の抜本的な見直しを始めとする必要な措置を講ずるものとされております。
その一環として、平成二十六年には、原子力損害の補完的な補償に関する条約の締結に際し、この条約の適確な実施を確保するための所要の国内法整備を実施したところです。
また、原子力損害賠償補償契約の新規締結及び原子力事業者が賠償すべき額が賠償措置額を超える場合における政府の援助に係る期限が平成三十一年十二月三十一日までとなっておりますが、平成三十二年以降に新たに開始される原子炉の運転等に係る原子力損害についても、これらの措置の対象とできるよう、その期限の延長を確実に行うことが必要であります。
この法律案は、このような観点から、原子力損害の賠償に関する法律について所要の改正を行うものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、原子力事業者は、原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施を図るための方針を作成し、これを公表しなければならないこととしております。
第二に、原子力事業者が特定原子力損害を受けた被害者に対して特定原子力損害賠償仮払金の支払いを行おうとする場合において、国は当該特定原子力損害賠償仮払金の支払いのために必要な資金を貸し付けることができる制度を創設することとしております。
第三に、原子力損害賠償紛争審査会が和解の仲介を打ち切った場合において、当該和解の仲介を申し立てた者が、打切りの通知を受けた日から一月以内に裁判所に訴えを提起したときは、時効の中断に関しては、当該和解の仲介の申立てのときに、訴えの提起があったものとみなすこととしております。
第四に、原子力損害賠償補償契約の新規締結及び原子力事業者が賠償すべき額が賠償措置額を超える場合における政府の援助に係る期限を延長し、平成四十一年十二月三十一日までに開始された原子炉の運転等に係る原子力損害について、これらを行うことができることとしております。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
第197回国会衆議院文部科学委員会議録第3号23頁(平成30年11月16日)〔柴山昌彦文部科学大臣発言・発言番号201〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一今後の損害賠償措置額引上げの在り方については、東京電力福島第一原子力発電所及び同福島第二原子力発電所において発生した事故における甚大な被害を踏まえ、被害者への迅速かつ公正な賠償の実施、被害者への賠償に係る国民負担の最小化、予見可能性の確保といった観点から、必要に応じて、慎重な検討を行うこと。
二原子力損害賠償紛争審査会は、被害者の意見を幅広く聴取した上で、原子力損害の範囲の判定の指針その他の当該紛争の当事者による自主的な解決に資する一般的な指針を策定するとともに、策定された指針については適時適切に見直すこと。
三政府は、原子力損害賠償紛争審査会の下に置かれた原子力損害賠償紛争解決センターが、迅速に和解を進めることに重要な役割を果たすことを踏まえ、被害者への公正かつ適切な賠償に資するため、同センターによる和解仲介手続の実効性を確保することを検討し、必要な措置を講じること。
四原子力損害賠償に当たり、原子力事故を起こした原子力事業者の株主、金融機関等の利害関係者の負担を含め必要な検討を加えること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119701002)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。