自然環境保全法の一部を改正する法律案
参議院 環境委員会
平成31年法律第20号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院環境委員会
- H31.3.19趣旨説明環境委員会 34
- H31.4.2質疑・採決・附帯決議環境委員会 4171
- H31.4.9委員長報告・採決本会議 1634
参議院環境委員会
- H31.4.16趣旨説明環境委員会 55
- H31.4.23質疑・採決・附帯決議環境委員会 6156
- H31.4.24委員長報告・採決本会議 1429
提案理由
原田義昭 環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災) 平成31年3月19日おはようございます。
ただいま議題となりました自然環境保全法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
我が国は世界有数の広大な管轄海域を有する海洋国家であり、沖合の区域には、海山、熱水噴出域、海溝等の多様な地形等に特異な生態系や生物資源が存在をしております。
海洋環境の保全は国際的な潮流となっており、我が国が主導した生物多様性条約に係る愛知目標等の国際目標を踏まえ、主要国でも海洋保護区の設定が加速しているところでございます。
現在、我が国は、沿岸域を中心に約八・三%の海域に海洋保護区を設定しております。さらに、沖合の区域における海底の自然環境についても保全を図るため、排他的経済水域を含む沖合の区域について新たな海洋保護区制度を創設し、自然環境の保全と海洋資源の利用とを両立させながら進めていく必要がございます。
本法律案は、こうした状況を踏まえ、沖合海底自然環境保全地域の指定及び当該地域内における海底の形質を変更するおそれがある行為に対する許可制度の創設等の措置を講じようとするものでございます。
次に、本法律案の内容の概要を御説明いたします。
第一に、環境大臣は、沖合の区域で、その区域の海底の地形若しくは地質又は海底における自然の現象に依存する特異な生態系を含む自然環境がすぐれた状態を維持していると認めるもののうち、自然的社会的条件から見てその区域における自然環境を保全することが特に必要なものを、所要の手続を経た上で、沖合海底自然環境保全地域として指定することができることとしております。
第二に、沖合海底自然環境保全地域においては、鉱物の掘採、探査や海底の動植物の捕獲等に係る特定の行為を規制対象とし、特に保全を図るべき沖合海底特別地区では許可により、その他の区域については届出制により規制することとしております。
第三に、沖合海底自然環境保全地域における自然環境の保全のため、環境大臣による報告徴収、立入検査及び中止命令等の必要な権限を規定するとともに、罰則の規定及び外国船舶に係る担保金等の提供による釈放等に関する規定その他所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同賜りますようお願い申し上げます。
以上であります。
第198回国会衆議院環境委員会議録第3号1頁(平成31年3月19日)〔原田義昭環境大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一沖合海底自然環境保全地域の指定に当たっては、海山、熱水噴出域及び海溝等を中心として、可能な限り多様な生態系が含まれる区域が指定されることとなるよう配意すること。また、絶滅のおそれがある種が存在する可能性がある場合における種の保存法に基づく科学委員会や多様な利害関係人など、幅広い意見を聴取した上で検討すること。
二沖合海底自然環境保全地域の保全措置の実効性を確保するため、改正法第三十五条の六の規定に基づく立入調査等を機動的に行うなど、同地域の保全活動を関係者等と協力して行うよう努めること。
三我が国の生物多様性保全上重要な海域を後世に引き継ぐために、沿岸域を含めた我が国の周辺海域について、自然環境保全基礎調査による調査を充実させ、海洋保護区の指定の推進を図ること。また、的確な調査の実施のために十分な予算及び人員を確保するよう努めること。
四海洋保護区の設定に当たっては、平成二十八年四月に環境省が公表した「生物多様性の観点から重要度の高い海域」を踏まえ、沖合域に限定することなく、幅広く海洋保護区化を推進するよう努めること。また、持続可能な漁業と生物多様性保全の両立を目指した保護区の創設など、我が国における海洋保護区の在り方について幅広く検討すること。
五海域の生態系と密接なつながりを持つ陸域の生態系については、絶滅危惧種の多くが里地里山に生息・生育することから、人の手が入ることで保たれる自然環境の保全を目的とした保護区の在り方についても検討を進めること。
六保護区の設定による生物多様性保全が有効であるかを検討した上で、改正法の施行五年後を目途に本改正内容の見直しを検討すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一沖合海底自然環境保全地域の指定に当たっては、愛知目標の達成にとどまらず、関係省庁等との連携、調整を十分に図ることにより、海山、熱水噴出域及び海溝等を中心として、可能な限り多様な生態系が含まれる区域が指定されることとなるよう配意すること。また、絶滅のおそれがある種が存在する可能性がある場合における種の保存法に基づく科学委員会や多様な利害関係人など、幅広い意見を聴取した上で検討すること。
二海洋環境の保全をより一層進めるため、外国船舶による活動も踏まえ、国内外への沖合海底自然環境保全地域の指定及びその規制内容等の周知徹底を図ること。
三沖合海底自然環境保全地域の保全措置の実効性を確保するため、改正法第三十五条の六の規定に基づく立入調査等を機動的に行うなど、同地域の保全活動を関係者等と協力して行うよう努めること。また、当該地域で実施される特定行為の自然環境に及ぼす影響を把握し、当該区域の保全措置に適宜反映させるよう努めること。
四沖合の区域の生物の多様性の確保その他の自然環境の保全に関する科学的知見がいまだ不十分な分野について、関係する省庁や調査研究機関等との連携を図ることにより、調査研究を推進させ、より充実した保全施策を実行すること。
五我が国の生物多様性保全上重要な海域を後世に引き継ぐために、沿岸域を含めた我が国の周辺海域について、自然環境保全基礎調査による調査を充実させ、海洋保護区の指定の推進を図ること。また、的確な調査の実施のために十分な予算及び人員を確保するよう努めること。
六海洋保護区の設定に当たっては、平成二十八年四月に環境省が公表した「生物多様性の観点から重要度の高い海域」を踏まえ、沖合域に限定することなく、幅広く海洋保護区化を推進するよう努めること。また、持続可能な漁業と生物多様性保全の両立を目指した保護区の創設など、我が国における海洋保護区の在り方について幅広く検討すること。
七海域の生態系と密接なつながりを持つ陸域の生態系については、絶滅危惧種の多くが里地里山に生息・生育することから、人の手が入ることで保たれる自然環境の保全を目的とした保護区の在り方についても検討を進めること。
八保護区の設定による生物多様性保全が有効であるかを検討した上で、改正法の施行五年後を目途に本改正内容の見直しを検討すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119801033)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。