持続可能な運送サービスの提供の確保に資する取組を推進するための地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案
参議院 国土交通委員会
令和2年法律第36号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院国土交通委員会
- R2.3.24趣旨説明・質疑本会議 1214
- R2.4.10趣旨説明国土交通委員会 7130
- R2.4.14質疑・修正案趣旨説明・採決・附帯決議・修正案国土交通委員会 8159
- R2.4.16委員長報告・採決本会議 1937
参議院国土交通委員会
- R2.5.20趣旨説明・質疑本会議 1824
- R2.5.21趣旨説明国土交通委員会 145
- R2.5.26質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案国土交通委員会 15133
- R2.5.27委員長報告・採決本会議 1948
提案理由
赤羽一嘉 国土交通大臣 令和2年3月24日持続可能な運送サービスの提供の確保に資する取組を推進するための地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
地方部を中心とした人口減少の本格化、運転者不足の深刻化等に伴って、公共交通サービスの維持、確保が厳しさを増している中、高齢者の運転免許の返納が年々増加する等、地域の暮らしと産業を支える移動手段を確保することがますます重要になっております。加えて、交通ネットワークの充実等を図るために、地域経済社会の発展に資する交通インフラを着実に整備していくことも必要となっております。
このような状況を踏まえて、全ての地域において、持続可能な運送サービスの提供を確保するため、地方公共団体が、公共交通事業者等と連携して、最新技術等も活用しつつ、既存の公共交通サービスの改善充実に主体的に取り組むなど、地域の輸送資源を総動員する取組を推進する必要があります。
このような趣旨から、この度、この法律案を提案することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、地方公共団体は、国が策定する基本方針に基づき、地域旅客運送サービスの持続可能な提供を確保するための計画を作成するよう努めなければならないこととしております。また、乗合バスの新規参入に係る地方公共団体への通知制度を創設し、地域公共交通サービスの維持、確保に向けた議論を深めていただくこととしております。
第二に、維持が困難となった旅客運送事業の路線等について、地域において多様な選択肢を検討、協議し、地方公共団体が公募により選定した者が地域に最適な旅客運送を実施する地域旅客運送サービス継続事業や、同一の車両を用いて旅客及び貨物の運送を併せて行う貨客運送効率化事業の制度を創設し、国の認定を受けたこれらの事業については、関係法律の特例措置等各種の支援措置を講ずることとしております。また、過疎地等で市町村等が行う自家用有償旅客運送について、地域住民のみならず、観光客を含めた来訪者も対象として明確化するなど、その実施の円滑化を行うこととしております。
第三に、利用者目線による路線、ダイヤの改善や運賃の設定等を促進するための地域公共交通利便増進事業の制度を創設することとしております。また、新たなモビリティーサービスである、いわゆるMaaSの全国への速やかな普及を促進するため、複数の公共交通事業者による運賃の設定に係る手続を簡素化する事業計画の認定制度や幅広い関係者で構成される協議会制度を創設することとしております。
第四に、交通インフラに対する支援の充実を図るため、多様な関係者の連携による鉄道インフラや物流拠点の整備への資金の貸付けを行うことができることとしております。
その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
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持続可能な運送サービスの提供の確保に資する取組を推進するための地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第201回国会衆議院会議録第12号1頁(令和2年3月24日)〔赤羽一嘉国土交通大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
一国及び地方公共団体は、持続可能な地域公共交通の確保及び維持のために安定的な財源の確保を図ること。また、バス、タクシーやデマンド交通の確保及び維持等、公共交通の利用環境の改善に関する取組に対しては、これまで以上に多様かつ柔軟な対応を図りつつ、財政的な支援を図ること。
二地域公共交通の確保及び維持のために、自動車運転者等輸送の担い手である公共交通に従事する者の確保、育成及び定着に配慮するとともに、自動車運転者等の賃金及び労働条件の改善について幅広く検討すること。
三地域公共交通計画を適切に作成し同計画に基づく事業計画等を円滑に推進するために、財政的支援のみならず、ガイドラインの作成、知見やノウハウの提供、人材の確保や育成といった、ソフト面での支援や助言も十分に行うこと。また、地域公共交通計画の作成に当たり、地方公共団体における組織体制の充実のための支援を強化すること。
四福祉輸送、スクールバス等の地域の輸送資源の総動員に当たっては、これらの担い手である関係者とともに高齢者、障害者等の移動弱者の声を代表する者が協議会に参画できるよう、基本方針やガイドラインで、明らかにすること。また、MaaSの全国的な普及やICT等最新技術の積極的な活用による既存の公共交通サービスを改善する取組を推進し、バリアフリーの視点に立った利便性及び快適性向上に向けた必要な環境整備を図ること。
五自家用有償旅客運送が事実上の営利事業として地域公共交通の担い手となっているタクシー事業者の経営を圧迫することにならないよう対策を講ずること。また、地域公共交通会議等における関係者の協議を経て、安全の確保、利用者の保護等に万全を期すこと。あわせて、いわゆる「ライドシェア」は引き続き導入を認めないこと。
六営業区域外旅客運送を行うタクシー事業については、住民の利便性の向上に資する観点から、地域公共交通会議等において十分な協議を経て、一定のルールの下で、事業者において混乱なく、また、運用の効率化ができるよう、ガイドラインの制定や通知の発出等必要な措置を講ずること。
七地域公共交通利便増進事業において、乗合バスの新規参入等に係る通知を受けて地方公共団体から地域の意見が提出された場合は、その意見を十分に尊重し判断を行うこと。あわせて、運行計画におけるいわゆるクリームスキミング規制について時間帯による運行本数のみならず面的なネットワークの維持に繋がるよう地域の判断を前提とした今回の制度改正の効果を検証し、必要に応じてその見直しを検討すること。また、同事業における事業者間の利害調整が円滑に進むよう環境整備に努めること。
八地域公共交通計画において事業の効率化に関する指標を定めた上で、毎年度、実施状況の評価等を行い、それを翌年度以降の事業予算等に反映されるという適正なPDCAサイクルが地方公共団体において継続的に実施されるよう、支援や助言を十分に行うこと。
九独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構による民間事業者への資金の貸付制度の運用に当たっては、公的資金を原資とするものであることを踏まえ、真に地域公共交通の活性化を図る目的に合致した事業に限定するとともに、選定基準の明確化を図ること。また、貸付対象となる事業者について、客観的かつ中立的な立場から審査及び評価を行うとともに、第三者委員会を活用して選定過程の透明化と説明責任の向上を図るよう機構を指導すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一交通事業者、物流事業者等が必要な輸送機能を維持できるよう、新型コロナウイルス感染症による急激な経営悪化に対する財政、税制、金融等の各種支援策を一層充実するとともに、その従業員に対して実施される雇用維持対策及び感染症予防対策等への更なる支援強化に努めること。
二国及び地方公共団体は、持続可能な地域公共交通の確保及び維持のために安定的な財源の確保を図ること。また、バス、タクシーやデマンド交通の確保及び維持等、公共交通の利用環境の改善に関する取組に対しては、これまで以上に多様かつ柔軟な対応を図りつつ、財政的な支援を図ること。
三地域公共交通の確保及び維持のために、自動車運転者等輸送の担い手である公共交通に従事する者の確保、育成及び定着に配慮するとともに、自動車運転者等の賃金及び労働時間等の労働条件の改善について幅広く検討すること。
四地域公共交通計画を適切に作成し同計画に基づく事業計画等を円滑に推進するために、外部有識者からの助言なども含めた計画作成に要する費用を始めとする財政的支援を一層充実するとともに、ガイドラインの作成、知見やノウハウの提供、人材の確保や育成といった、ソフト面での支援や助言も十分に行うこと。また、地域公共交通計画の作成に当たり、地方公共団体における組織体制の充実のための支援を強化すること。
五福祉輸送、スクールバス等の地域の輸送資源の総動員に当たっては、これらの担い手である関係者とともに高齢者、障害者等の移動弱者の声を代表する者が協議会に参画できるよう、基本方針やガイドラインで、明らかにすること。また、既存の公共交通サービスを改善する取組を推進し、バリアフリーの視点に立った利便性及び快適性の向上に向けた必要な環境整備を図ること。
六MaaSを全国へ円滑に普及させる観点から、その導入によって実現される社会像を国民に分かりやすく示していくとともに、ICT等の最新技術の積極的な活用による交通ビッグデータの整備など、将来の交通社会の変革に資する環境整備を図ること。
七自家用有償旅客運送が事実上の営利事業として地域公共交通の担い手となっているタクシー事業者の経営を圧迫することにならないよう対策を講ずること。また、地域公共交通会議等における関係者の協議を経て、安全の確保、利用者の保護等に万全を期すこと。あわせて、いわゆる「ライドシェア」は引き続き導入を認めないこと。
八高齢化の進行や人口の減少に伴って交通空白が急速に拡大する過疎地域での移動手段の確保のため、より身近な地域コミュニティにおける道路運送法の許可や登録を要しない共助による運送の在り方について、ライドシェアを除外した上で検討を深めること。
九営業区域外旅客運送を行うタクシー事業については、住民の利便性の向上に資する観点から、地域公共交通会議等において十分な協議を経て、一定のルールの下で、事業者において混乱なく、また、運用の効率化ができるよう、ガイドラインの制定や通知の発出等必要な措置を講ずること。
十地域公共交通利便増進事業において、乗合バスの新規参入等に係る通知を受けて地方公共団体から地域の意見が提出された場合は、その意見を十分に尊重し判断を行うこと。あわせて、運行計画におけるいわゆるクリームスキミング規制について時間帯による運行本数のみならず面的なネットワークの維持に繋がるよう地域の判断を前提とした今回の制度改正の効果を検証し、必要に応じてその見直しを検討すること。また、同事業における事業者間の利害調整が円滑に進むよう環境整備に努めること。
十一地域公共交通計画において事業の効率化に関する指標を定めた上で、毎年度、実施状況の評価等を行い、それを翌年度以降の事業予算等に反映されるという適正なPDCAサイクルが地方公共団体において継続的に実施されるよう、支援や助言を十分に行うこと。
十二独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構による民間事業者への資金の貸付制度の運用に当たっては、公的資金を原資とするものであることを踏まえ、真に地域公共交通の活性化を図る目的に合致した事業に限定するとともに、選定基準の明確化を図ること。また、貸付対象となる事業者について、客観的かつ中立的な立場から審査及び評価を行うとともに、第三者委員会を活用して選定過程の透明化と説明責任の向上を図るよう機構を指導すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120101020)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。