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閣法第201回国会 第36号成立

家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律案

令和2年法律第22号 家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律
提出令和2年3月3日 内閣
付託衆議院 農林水産委員会
参議院 農林水産委員会
成立
令和2年法律第22号
審議会議 7回・発言 525(政府答弁等 209)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院農林水産委員会

  1. R2.3.24趣旨説明農林水産委員会 8140
  2. R2.3.25質疑農林水産委員会 952
  3. R2.3.31質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 10207
  4. R2.4.2委員長報告・採決本会議 1441

参議院農林水産委員会

  1. R2.4.7趣旨説明農林水産委員会 9105
  2. R2.4.14質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 10204
  3. R2.4.17委員長報告・採決本会議 1325

提案理由

江藤拓 農林水産大臣 令和2年3月24日

 続きまして、家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。

 家畜遺伝資源は、他の家畜との品質上の差別化を図る家畜の改良という創造的な活動によって生み出され、知的財産としての価値を有しているものであります。しかしながら、家畜遺伝資源が不正に流通し、改良の成果を不正に利用した家畜の再生産が行われる事態を放置すれば、さらなる改良へのインセンティブが失われ、ひいては国全体で畜産の振興に重大な影響を及ぼすおそれがあるところです。現に、一昨年の和牛の精液と受精卵の不正な輸出が図られた事案を受け、このような危機感が広く共有され、家畜遺伝資源の不適切な流通等を防止し、その知的財産としての価値の保護を強化すべきとの社会的要請が高まっております。

 こうした観点から、家畜遺伝資源について、不正な取得等の不正競争を防止し、家畜遺伝資源生産事業者の利益の保護を図るため、この法律案を提出した次第であります。

 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。

 第一に、不正競争の定義であります。

 家畜遺伝資源について、人を欺いて、又は窃取する行為等により取得する行為や、その取得後に使用し、譲渡し、引渡し、輸出する行為、また、不正の利益を得る目的で、又は家畜遺伝資源生産事業者に損害を与える目的で、契約による制限を超えて家畜遺伝資源を使用し、譲渡等する行為を、不正競争とし、定義することとしております。

 加えて、これらの行為の介在を知って、又は重大な過失によって知らないで当該家畜遺伝資源を取得し、使用等する行為、さらには、不正競争に該当する家畜遺伝資源の使用により生産された家畜や受精卵を譲渡する行為等についても、同様に不正競争とすることとしております。

 第二に、不正競争による営業上の利益を侵害された者に対する民事上の救済措置等であります。

 不正競争によって営業上の利益を侵害された家畜遺伝資源生産事業者は、その営業上の利益を侵害した者に対し、その差止め及び損害賠償を請求することができることとするとともに、家畜遺伝資源生産事業者の立証負担の軽減等を図ることとしております。

 第三に、罰則による抑止であります。

 家畜遺伝資源について、不正の利益を得る目的で、又は家畜遺伝資源生産事業者に損害を与える目的で、人を欺いて、又は窃取する行為等により取得する行為や、その取得後に使用し、譲渡し、引渡し、輸出する行為等について、個人に対しては十年以下の懲役若しくは一千万円以下の罰金又はそれらの併科、法人に対しては三億円以下の罰金を科すこととしております。

 以上が、これらの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

第201回国会衆議院農林水産委員会議録第8号23頁(令和2年3月24日)〔江藤拓農林水産大臣発言・発言番号138〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 農林水産委員会令和2年3月31日

和牛を始めとする我が国の畜産物は世界的にも評価が高まっており、その安定的な生産のために必要となる家畜人工授精用精液・受精卵は長年にわたる改良の成果である付加価値の向上により知的財産としての価値を有し、我が国畜産業における競争力の源泉の一つとされている。これが不正に流通することのないよう、その管理保護を強化することは、我が国畜産の振興を図る上で極めて重要な課題である。よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。記

一国内における不正流通のリスクを低減するため、各地域での実情に応じた家畜人工授精用精液・受精卵の流通管理の仕組みを構築することが肝要である。そのため、国が適切な流通管理のための方針を示すなど主導的にその構築を推進すること。

二家畜人工授精用精液・受精卵の不正な海外持ち出し等の防止を徹底するため、畜産関係者はもとより、動物検疫所、税関、空海港管理組織、運輸業者、液体窒素の供給事業者等の協力・連携体制を構築・強化すること。

三家畜人工授精用精液・受精卵の流通管理において重要な役割を果たしている家畜人工授精師が不断に技術や知識を磨くための機会の確保に努めること。

四家畜人工授精用精液・受精卵の流通規制の強化等に当たっては、現場が混乱することのないよう、その周知徹底を図り、確実な実施を担保するとともに、現場の負担を極力軽減するよう十分配慮すること。

五家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に係る新たな制度については、家畜遺伝資源の知的財産としての価値を強力に保護するため、その趣旨及び内容を幅広く関係者に周知し、不正競争の未然防止に努めること。

六外国産WAGYUが国外で流通している実態を踏まえ、国内外の市場における我が国の和牛ブランドの確立・浸透の取組を一層強化すること。

七国内外における我が国畜産物の需要増に対応するため、中小規模の家族経営も含めた生産基盤の強化による増産への取組を支援すること。

八我が国畜産振興に影響を及ぼすアフリカ豚熱の侵入脅威に対処するため、輸入禁止畜産物を所持した者の入国を阻止するための制度について早急に検討すること。

参議院 農林水産委員会令和2年4月14日

和牛を始めとする我が国の畜産物は世界的にも評価が高まっており、その安定的な生産のために必要となる家畜人工授精用精液・受精卵は長年にわたる改良の成果である付加価値の向上により知的財産としての価値を有し、我が国畜産業における競争力の源泉の一つとされている。これが不正に流通することのないよう、その管理保護を強化することは、我が国畜産の振興を図る上で極めて重要な課題である。よって、政府は、両法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。

一国内における不正流通のリスクを低減するため、各地域での実情に応じた家畜人工授精用精液・受精卵の流通管理の仕組みを構築することが肝要である。そのため、国が適切な流通管理のための方針を示すなど主導的にその構築を推進すること。

二家畜人工授精用精液・受精卵の不正な海外持ち出し等の防止を徹底するため、畜産関係者はもとより、動物検疫所、税関、空海港管理組織、運輸業者、液体窒素の供給事業者等の協力・連携体制を構築・強化すること。

三家畜人工授精用精液・受精卵の流通管理において重要な役割を果たしている家畜人工授精師が不断に技術や知識を磨くための機会の確保に努めること。

四家畜人工授精用精液・受精卵の流通規制の強化等に当たっては、現場が混乱することのないよう、その周知徹底を図り、確実な実施を担保するとともに、現場の負担を極力軽減するよう十分配慮すること。

五家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に係る新たな制度については、家畜遺伝資源の知的財産としての価値を強力に保護するため、その趣旨及び内容を幅広く関係者に周知し、不正競争の未然防止に努めること。

六和牛の遺伝的多様性を確保するためにも、国や県の施策によって、個人や民間における多様な種雄牛の造成が妨げられることがないようにすること。

七外国産WAGYUが国外で流通している実態を踏まえ、国内外の市場における我が国の和牛ブランドの確立・浸透の取組を一層強化すること。

八国内外における我が国畜産物の需要増に対応するため、中小規模の家族経営も含めた生産基盤の強化による増産への取組を支援すること。

九新型コロナウイルス感染症の影響により、和牛の需要が減少し、在庫が大幅に増加している状況を踏まえ、生産基盤を維持するとともに、生産・流通・消費が円滑に進むための措置を講ずること。

十我が国畜産振興に影響を及ぼすアフリカ豚熱の侵入脅威に対処するため、輸入禁止畜産物を所持した者の入国を阻止するための制度について早急に検討すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120101036)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。