住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案
参議院 国土交通委員会
令和3年法律第48号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院国土交通委員会
- R3.4.21趣旨説明国土交通委員会 13135
- R3.4.23質疑・採決・附帯決議国土交通委員会 14154
- R3.4.27委員長報告・採決本会議 2539
参議院国土交通委員会
- R3.5.18趣旨説明国土交通委員会 16122
- R3.5.20質疑・採決・附帯決議国土交通委員会 17121
- R3.5.21委員長報告・採決本会議 2445
提案理由
赤羽一嘉 国土交通大臣 令和3年4月21日ただいま議題となりました住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
現在、我が国の住宅市場は量的には充足している一方で、耐震性、省エネルギー性能が十分でない住宅ストックが多く存在いたします。こうした住宅について、建て替えやリフォームにより質を向上させるとともに、適切に維持保全し、将来世代が受け継ぐことのできるストックとして有効活用していくことは、住居取得に係る負担の軽減や地球環境への負荷を低減させる観点から重要であります。
このため、長期優良住宅の認定促進等による住宅の質の向上に加え、既存住宅を安心して購入できる環境を更に整備し、既存住宅流通市場を活性化させることが必要です。
このような趣旨から、この度、この法律案を提案することといたした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、共同住宅に係る長期優良住宅の認定について、区分所有者がそれぞれ認定を受ける仕組みから、管理組合が一括して認定を受ける仕組みに変更することとしております。
第二に、長期優良住宅の認定に当たりましては、住宅性能評価を行う登録機関による住宅の構造等の確認結果を活用することにより、認定に係る審査の合理化を図ることとしております。
第三に、長期優良住宅の認定基準として、災害リスクに配慮する基準を追加することとしております。
第四に、住宅紛争処理の対象として、リフォーム、既存住宅売買等に関する瑕疵保険に加入した住宅に係る紛争を追加することとしております。また、住宅紛争処理に時効の完成猶予効を付与することとしております。
第五に、住宅紛争処理支援センターの業務として、住宅の瑕疵の発生の防止に関する調査及び研究を行うことを追加することとしております。
その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案を提案する理由でございます。
この法律案が速やかに成立いたしますよう、何とぞ御審議をよろしくお願い申し上げます。
以上です。
第204回国会衆議院国土交通委員会議録第13号21頁(令和3年4月21日)〔赤羽一嘉国土交通大臣発言・発言番号133〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
一分譲マンション等を住棟単位で長期優良住宅として認定する制度の導入に当たっては、一部の住戸が認定基準を満たさない場合の取扱いを含め、その運用の詳細について早期に検討を進めること。また、長期にわたり維持保全を行うこととなる管理者等の負担に配慮するとともに、管理者等に対して責務や必要となる手続についてわかりやすく周知すること。
二長期優良住宅の災害に係る認定基準に関して、認定を行う所管行政庁における円滑かつ適正な運用を確保する観点から、地域の災害リスクへの配慮の方法に係る運用基準を所管行政庁が策定できるよう必要な支援を行うこと。また、所管行政庁の準備期間を十分確保するため、運用に係る基本的な方針等を早期に示すこと。
三共同住宅に係る長期優良住宅の認定基準の見直しに当たっては、賃貸住宅の特性を踏まえ、良質な賃貸住宅の供給が促進されるものとなるよう検討を進めること。
四長期優良住宅に係る技術的審査の求めと住宅性能評価の申請を併せて行うことが可能となることを踏まえ、長期優良住宅の認定の申請を行おうとする者が住宅性能評価書を取得するか否かを適切に判断できるよう、その取得に係るメリットやコストについて十分な周知を図ること。
五指定住宅紛争処理機関が行う住宅紛争処理の対象に既存住宅等の瑕疵に係る保険に加入した住宅に関する紛争が追加されることにより、同機関にこれまで以上に高い専門性が求められることに鑑み、住宅紛争処理支援センターによる情報提供や研修等も活用し、同機関に対して十分な支援を行うこと。
六良質な既存住宅が市場で評価され、次の世代に承継されていく住宅循環システムを構築するため、インスペクション、住宅履歴情報、住宅の状態を適切に反映する建物評価手法などの活用の促進を図るとともに、安心R住宅制度の運用見直し等により、既存住宅の円滑な取引環境の整備を推進すること。
七カーボンニュートラルの実現に向け、住宅や小規模建築物の省エネルギー基準への適合義務化も含め、住宅・建築物の省エネルギー対策等の抜本的な取組強化についての検討を進め、早期に結論を得ること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一分譲マンション等を住棟単位で長期優良住宅として認定する制度の導入に当たっては、制度の円滑な運用を図るため、一部の住戸が認定基準を満たさない場合の取扱いを含め、その詳細について早期に検討を進めること。また、分譲マンション等の管理者等に対しては、長期にわたり維持保全を行う負担に配慮するとともに、適切に制度が運用されるよう、必要となる手続や責務について分かりやすく周知すること。
二長期優良住宅の災害に係る認定基準に関して、認定を行う所管行政庁において十分な準備を行うことができるよう、認定に当たっての地域の災害リスクへの配慮の方法について、基本的な方針を早期に示すとともに、所管行政庁において具体の運用基準を策定することができるように必要な支援を行うこと。
三共同住宅に係る長期優良住宅の認定基準の見直しに当たっては、賃貸住宅を含めた共同住宅の特性を踏まえ、共同住宅の認定取得が促進されるとともに、共同住宅の質の向上が図られるよう検討を進めること。
四長期優良住宅の認定取得を促進していくためには、認定取得のメリットを高めることが重要であり、関係者の幅広い意見を踏まえ、認定取得によるメリットの充実・拡大について、検討を進めること。
五長期優良住宅の認定要件のうち住宅の構造及び設備が長期使用構造等であることの確認の求めと住宅性能評価の申請を併せた一体審査を登録住宅性能評価機関に対して行うことができるようになることを踏まえ、住宅性能表示制度について十分な理解を促すこと。また、一体審査について、そのメリット・コストなどの周知を徹底し、円滑な導入を図ること。
六指定住宅紛争処理機関が行う住宅紛争処理の対象に既存住宅等の瑕疵に係る保険に加入した住宅に関する紛争が追加されることにより、同機関にこれまで以上に高い専門性が求められることに鑑み、住宅紛争処理支援センターによる情報提供や研修等も活用し、同機関に対して十分な支援を行うこと。また、消費者が安心して既存住宅の購入等ができるよう、消費者保護の充実に資する既存住宅等の瑕疵に係る保険の普及・拡大について検討すること。
七良質な既存住宅が市場で評価され、将来世代に承継されていく住宅循環システムを構築するため、インスペクション、住宅履歴情報、住宅の状態を適切に反映する建物評価手法などの活用の促進を図るとともに、安心R住宅制度の運用改善等により、既存住宅の円滑な取引環境の整備を推進すること。
八カーボンニュートラルの実現に向け、住宅や小規模建築物の省エネルギー基準への適合義務化も含め、住宅・建築物の更なる省エネルギー化や脱炭素化に向けた取組の一層の充実・強化について検討を進め、早期に結論を得ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120401025)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。