瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案
衆議院 環境委員会
令和3年法律第59号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院環境委員会
- R3.4.6趣旨説明環境委員会 4109
- R3.4.8質疑・採決・附帯決議環境委員会 5178
- R3.4.9委員長報告・採決本会議 1413
衆議院環境委員会
- R3.5.28趣旨説明環境委員会 12177
- R3.6.1質疑・採決・附帯決議環境委員会 13164
- R3.6.3委員長報告・採決本会議 3134
提案理由
小泉進次郎 環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災) 令和3年4月6日ただいま議題となりました瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
瀬戸内海環境保全特別措置法は、平成二十七年改正時の附則において、政府は施行後五年を目途に栄養塩類の管理の在り方について検討を加え所要の措置を講ずること等とされていました。今般、これに基づく検討を行うとともに、同法の施行状況の調査を行ったところ、次の二つの課題が明らかになったところです。
一点目は、気候変動による水温上昇等の環境変化とも相まって、瀬戸内海の一部の水域では、窒素やリンといった栄養塩類の不足等による水産資源への影響や、開発等による藻場、干潟の減少等が課題となっていること。
二点目は、内海である瀬戸内海においては、大半の海洋プラスチックごみを含む漂流ごみ等が同地域からの排出とされており、生態系を含む海洋環境に悪影響を与えていることであります。
本法律案は、このような背景を踏まえ、従来の水質規制を中心とする水環境行政の大きな転換を図る契機として、新たに水質管理の発想を導入し、瀬戸内海における生物多様性、水産資源の持続的な利用の確保を図ろうとするものであります。
本法律案においては、まず、基本理念に、環境の保全は、気候変動による水温の上昇その他の環境への影響が瀬戸内海においても生じていることも踏まえて行う旨を規定します。これに加え、本法律案の主な概要を三点御説明申し上げます。
第一に、関係府県知事が栄養塩類の管理に関する計画を策定できる制度を創設し、周辺環境の保全と調和した形での特定の海域への栄養塩類供給を可能にし、海域ごと、季節ごとに栄養塩類のきめ細かな管理を行います。これにより、生物の多様性の恩恵としての、将来にわたる多様な水産資源の確保に貢献します。
第二に、自然海浜保全地区の指定対象を拡充し、藻場、干潟等が再生、創出された区域等も指定可能とし、温室効果ガスの吸収源、いわゆるブルーカーボンとしての役割も期待される藻場の保全を進めます。
第三に、国と地方公共団体の責務として、海洋プラスチックごみを含む漂流ごみ等の除去、発生抑制等の対策を連携して行う旨を規定します。このほか、所要の規定の整備を行います。
以上が、本法律案の提案の理由及びその内容の概要です。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
以上です。
第204回国会参議院環境委員会会議録第4号15頁(令和3年4月6日)〔小泉進次郎環境大臣発言・発言番号107〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一関係府県が栄養塩類管理計画を策定する場合には、他の関係府県を含め、地域の合意形成や協議等に対し適切に支援すること。また、適切な水質の保全及び管理が図られるよう、栄養塩類増加措置による周辺環境への影響に係る事前調査や、モニタリングの充実に向けた必要な支援を行うこと。さらに、栄養塩類管理計画の変更に当たっては、機動的に対処できるよう、必要な措置を設けること。
二藻場・干潟等が、水質の浄化に加え、生物多様性の維持、炭素の貯留といった環境の保全上の重要かつ多様な機能を有していることに鑑み、関係省庁との連携の上、藻場・干潟等の保全、再生及び創出に係る施策の充実・強化に十分な予算の確保に努めること。また、未利用埋立地等を利用し、自然の力をいかした磯浜の復元に努めること。
三マイクロプラスチックを含む海洋プラスチックごみといった漂流ごみ等の除去、発生抑制等に係る施策の実施に当たっては、地方公共団体、漁業者等による連携体制の構築の推進や、漂流ごみ等の処理費用に関する十分な予算の確保に努めること。あわせて、漂流ごみ等に係る各地域の環境保全活動に対する支援の充実・強化に努めること。
四瀬戸内海における環境保全に関する施策の実施に当たっては、湾・灘ごと、更には湾・灘内の特定の水域ごと、季節ごとの課題に対して、湾・灘協議会の拡充等も含めて、きめ細やかな取組を推進すること。また、瀬戸内海全域にわたる環境の状況を踏まえ、関係府県に対し、必要に応じて適切に助言等を行うこと。
五瀬戸内海における栄養塩類と生物の多様性及び生産性との関係、気候変動の影響などについて引き続き科学的知見の充実を図り、水質の保全及び管理、気候変動影響への適応策などの必要な施策の実施に努めること。特に基本理念に明示された水温の上昇については、具体的な適応策を検討すること。
六基本理念に掲げられている生物多様性の確保等を適切に行うために必要な施策についての調査研究及びその結果に基づいた具体的施策の推進については、ポスト愛知目標の策定作業や日本における次期生物多様性国家戦略の策定作業との関連性を念頭に置くこと。
七本法附則第三項による施行後五年の見直し時期以前であっても、必要に応じて本法の規定の施行状況を踏まえ、必要があると認める場合には、適宜適切に所要の措置を講ずること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一関係府県が栄養塩類管理計画を策定する場合には、他の関係府県を含め、地域の合意形成や協議等に対し適切に支援すること。また、適切な水質の保全及び管理が図られるよう、栄養塩類増加措置による周辺環境への影響に係る事前調査や、モニタリングの充実に向けた必要な支援を行うこと。さらに、栄養塩類管理計画の変更に当たっては、機動的に対処できるよう、必要な措置を設けること。併せて、栄養塩類の順応的な管理計画に大きな影響を与えることが想起される生態系や食物連鎖構造と水産資源との関係の変遷につき包括的な調査研究を実施すること。
二藻場・干潟等が、水質の浄化に加え、生物多様性の維持、炭素の貯留といった環境の保全上の重要かつ多様な機能を有していることに鑑み、関係省庁との連携の上、藻場・干潟等の保全、再生及び創出に係る施策の充実・強化に十分な予算の確保に努めること。また、未利用埋立地等を利用し、自然の力をいかした磯浜の復元に努めること。
三マイクロプラスチックを含む海洋プラスチックごみといった漂流ごみ等の除去、発生抑制等に係る施策の実施に当たっては、地方公共団体、漁業者等による連携体制の構築の推進や、漂流ごみ等の処理費用に関する十分な予算の確保に努めること。あわせて、漂流ごみ等に係る各地域の環境保全活動に対する支援の充実・強化に努めること。
四瀬戸内海における環境保全に関する施策の実施に当たっては、湾・灘ごと、更には湾・灘内の特定の水域ごと、季節ごとの課題に対して、きめ細やかな取組を推進することができるような湾・灘協議会のあり方の検討を行うこと。また、瀬戸内海全域にわたる環境の状況を踏まえ、関係府県に対し、必要に応じて適切に助言等を行うこと。
五瀬戸内海における栄養塩類と生物の多様性及び生産性との関係、気候変動の影響などについて引き続き科学的知見の充実を図り、水質の保全及び管理、気候変動影響への適応策などの必要な施策の実施に努めること。特に基本理念に明示された水温の上昇については、具体的な適応策を検討すること。
六基本理念に掲げられている生物多様性の確保等を適切に行うために必要な施策についての調査研究及びその結果に基づいた具体的施策の推進については、ポスト愛知目標の策定作業や日本における次期生物多様性国家戦略の策定作業との関連性を念頭に置くこと。
七本法附則第三項による施行後五年の見直し時期以前であっても、必要に応じて本法の規定の施行状況を踏まえ、必要があると認める場合には、適宜適切に所要の措置を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120401043)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。