環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案
参議院 農林水産委員会
令和4年法律第37号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- R4.3.15趣旨説明・質疑本会議 1126
- R4.3.17趣旨説明農林水産委員会 4150
- R4.3.23質疑農林水産委員会 5140
- R4.3.24参考人招致・参考人質疑農林水産委員会 6105
- R4.3.30質疑・修正案趣旨説明・採決・附帯決議・修正案農林水産委員会 7165
- R4.3.31委員長報告・採決本会議 1665
参議院農林水産委員会
- R4.4.8趣旨説明・質疑本会議 1536
- R4.4.12趣旨説明・質疑農林水産委員会 840
- R4.4.14質疑農林水産委員会 9124
- R4.4.19参考人招致・参考人質疑農林水産委員会 10100
- R4.4.21質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 11212
- R4.4.22委員長報告・採決本会議 1933
提案理由
金子原二郎 農林水産大臣 令和4年3月15日環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
近年、気候変動や生物の多様性の低下等、農林水産物及び食品の生産から消費に至る食料システムを取り巻く環境は大きく変化しています。そのため、農林水産省においては、令和三年にみどりの食料システム戦略を策定し、農林漁業及び食品産業における環境への負荷を低減していくこととしました。将来にわたり農林漁業及び食品産業の持続的な発展と食料の安定供給の確保を図るためには、農林水産物等の生産から販売に至る各段階で環境への負荷を低減し、当該農林水産物等の流通及び消費が広く行われる環境と調和の取れた食料システムを確立することが必要となっています。特に農林漁業は環境の変化による影響を受けやすい産業であり、その持続的な発展を図るためには、環境への負荷の低減の取組を促進することが重要となっています。
このような状況を踏まえ、農林漁業及び食品産業の持続的な発展、環境への負荷の少ない健全な経済の発展等を図る観点から、農林漁業者、食品産業の事業者、消費者等の食料システムの関係者が取り組むべき視点を基本理念等として定めるとともに、農林漁業に由来する環境への負荷の低減を図るために行う事業活動等に関する計画の認定制度を設け、認定を受けた者に対する特別の支援等の措置を講ずるため、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、基本理念等についてであります。
環境と調和の取れた食料システムの確立を図るため、基本理念として、食料システムの関係者の連携、環境への負荷の低減と生産性の向上との両立の実現に資する技術の研究開発等を定めることとしています。
その上で、国の責務等を定めるとともに、国が講ずべき施策として、食料システムの各段階における環境への負荷の低減に資する取組の促進等を定めることとしています。
第二に、環境負荷低減事業活動の促進等に関する基本方針の策定についてであります。
農林水産大臣は、農林漁業に由来する環境への負荷の低減を図るために行う事業活動の促進及びその基盤の確立に関する基本的な方針を策定するとともに、市町村及び都道府県は、この環境負荷低減事業活動の促進に関する基本的な計画を策定することができることとしています。
第三に、環境負荷低減事業活動の促進及びその基盤の確立のための措置についてであります。
農林漁業者は、環境負荷低減事業活動等の実施に関する計画について都道府県知事の認定を受けられるものとし、認定を受けた者には、農業改良資金等の償還期間の延長、農地法等に基づく手続の簡素化等の支援措置が講じられるほか、有機農業の生産団地を形成する場合には、栽培管理方法等を定めた協定を締結し、市町村長の認可を受けることができることとしています。
また、これらの活動の基盤を確立するため、先端的技術の研究開発や実証等を行おうとする者は、その実施に関する計画について主務大臣の認定を受けられるものとし、認定を受けた者には、農地法等に基づく手続の簡素化等の支援措置が講じられることとしています。
以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようにお願い申し上げます。(拍手)
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環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第208回国会衆議院会議録第11号2頁(令和4年3月15日)〔金子原二郎農林水産大臣発言・発言番号17〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
近年、気候変動や生物の多様性の低下等、農林水産物及び食品の生産から消費に至る食料システムを取り巻く環境が大きく変化しており、農林漁業及び食品産業における環境への負荷を低減していくことが重要となっている。また、世界情勢の変化により国民の食料安全保障への関心が高まる中、将来にわたる農林漁業及び食品産業の持続的な発展と食料の安定供給を確保するため、農林水産物等の生産から販売に至る各段階で環境への負荷を低減し、こうした農林水産物等の流通及び消費が広く行われる環境と調和のとれた食料システムを確立することが喫緊の課題となっている。よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。記
一環境と調和のとれた食料システムについては、農林漁業者、食品事業者、消費者等の幅広い関係者の理解の下、これらの者が連携することにより、その確立が図られるものであることに鑑み、国が必要な施策の検討及び実施を行うに当たっては、農林漁業者等、特定の者のみに過度な負担をもたらすことがないよう配慮するとともに、農林水産物・食品の付加価値を高め、農林漁業者をはじめとする関係者の経営の発展、農山漁村の活性化に資するよう努めること。
二農林漁業における環境への負荷の低減の取組が正当に評価されるよう、特に消費者及び食品事業者の理解の醸成、学校教育等の場を通じた食育の推進に取り組むこと。具体的には、販売面における対策の強化として、消費者等に分かりやすい表示・広報、環境への負荷の低減の状況を把握する手法、販路開拓に向けた支援の在り方等について検討し、その結果に基づき所要の措置を講ずること。
三環境への負荷の低減に向けて、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本とした有機農業の実践を生産現場で容易にする栽培技術の確立や、当該技術を普及する人材の育成・確保に努めること。
四環境と調和のとれた食料システムの確立に向けた先進的な取組の実践等に寄与した農林漁業者並びに食品製造・加工業、卸売・小売等の流通業、飲食業その他の食品事業者等の顕彰に努めること。
五基本方針の作成に当たっては、食料システムを構成する生産から消費に至る各段階の関係者の意見を丁寧に聴取し反映させること。
六市町村及び都道府県の基本計画の作成等に当たっては、地域の合意形成に配慮して行われるよう国としても必要な助言等を行うとともに、これらの事務を担う市町村及び都道府県に過度な負担をもたらすことがないよう、市町村及び都道府県の実情に応じた適切な配慮を行うこと。
七農林漁業において、規模の大小を問わず多様な経営体が重要な役割を果たしていることに鑑み、これらの経営体が意欲を持って環境負荷低減事業活動等に携わることができるよう必要な支援を行うこと。
八有機農業等に取り組む生産者は慣行農業に取り組む生産者とともに地域農業を担う主体であることを十分に踏まえ、これらの生産者の交流・連携が一層進展するよう環境整備を図ること。
近年、気候変動や生物の多様性の低下等、農林水産物及び食品の生産から消費に至る食料システムを取り巻く環境が大きく変化しており、農林漁業及び食品産業における環境への負荷を低減していくことが重要となっている。また、世界情勢の変化により国民の食料安全保障への関心が高まる中、将来にわたる農林漁業及び食品産業の持続的な発展と食料の安定供給を確保するため、農林水産物等の生産から販売に至る各段階で環境への負荷を低減し、こうした農林水産物等の流通及び消費が広く行われる環境と調和のとれた食料システムを確立することが喫緊の課題となっている。よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
一環境と調和のとれた食料システムについては、農林漁業者、食品事業者、消費者等の幅広い関係者の理解の下、これらの者が連携することにより、その確立が図られるものであることに鑑み、国が必要な施策の検討及び実施を行うに当たっては、農林漁業者等、特定の者のみに過度な負担をもたらすことがないよう配慮するとともに、農林水産物・食品の付加価値を高め、農林漁業者をはじめとする関係者の経営の発展、農山漁村の活性化に資するよう努めること。
二環境と調和のとれた食料システムの確立に当たっては、環境分野や教育分野など、幅広い分野との連携が必要なことから、省庁横断的に取り組むこと。
三農林漁業における環境への負荷の低減の取組が正当に評価されるよう、消費者及び食品事業者の理解の醸成に取り組むこと。特に、販売面における対策の強化として、消費者の選択に資する効果的な販売環境の整備が図られるよう、販路開拓に向けた支援の在り方、消費者等に分かりやすい表示・広報、環境への負荷の低減の状況を把握する手法等について検討し、その結果に基づき所要の措置を講ずること。
四環境への負荷の低減に向けて、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本とした有機農業の実践を生産現場で容易にする栽培技術の確立や、当該技術を普及する人材の育成・確保に努めること。
五環境と調和のとれた食料システムの確立に向けた先進的な取組の実践等に寄与した農林漁業者並びに食品製造・加工業、卸売・小売等の流通業、飲食業その他の食品事業者等の顕彰に努めること。
六基本方針の作成に当たっては、食料システムを構成する生産から消費に至る各段階の関係者の意見を丁寧に聴取し反映させること。
七市町村及び都道府県の基本計画の作成等に当たっては、地域の合意形成に配慮して行われるよう国としても必要な助言等を行うとともに、これらの事務を担う市町村及び都道府県に過度な負担をもたらすことがないよう、市町村及び都道府県の実情に応じた適切な配慮を行うこと。
八農林漁業において、規模の大小を問わず多様な経営体が重要な役割を果たしていることに鑑み、これらの経営体が持続的に意欲を持って環境負荷低減事業活動等に携わることができるよう必要な支援を行うこと。
九有機農業等に取り組む生産者は慣行農業に取り組む生産者とともに地域農業を担う主体であることを十分に踏まえ、これらの生産者の交流・連携が一層進展するよう環境整備を図ること。
十次代を担う子どもたちに環境と調和のとれた食料システムの重要性を伝え、また当該システムの担い手としての意識を促すため、学校教育等の場を通じた食育の推進に取り組むこと。
十一農林漁業において、多面的機能の発揮の一層の促進を図るため、生態系ネットワークの形成に向けて、農林水産省はもとより関係府省の密接な連携を図るとともに、既存の交付金制度等を通じた農林漁業者等への十分な支援に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120801032)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。