自動車損害賠償保障法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案
衆議院 国土交通委員会
令和4年法律第65号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院国土交通委員会
- R4.4.5趣旨説明国土交通委員会 68
- R4.4.7参考人招致・参考人質疑国土交通委員会 778
- R4.4.12質疑・討論・採決・附帯決議国土交通委員会 8155
- R4.4.13委員長報告・採決本会議 1645
衆議院国土交通委員会
- R4.5.25趣旨説明国土交通委員会 16150
- R4.6.3参考人招致・参考人質疑国土交通委員会 1780
- R4.6.8質疑・討論・採決・附帯決議国土交通委員会 18192
- R4.6.9委員長報告・採決本会議 3252
提案理由
斉藤鉄夫 国土交通大臣 令和4年4月5日ただいま議題となりました自動車損害賠償保障法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
自動車事故件数及び死者数は減少傾向にあるものの、引き続き、毎年新たな自動車事故被害者等となる方が発生するとともに、後遺障害者は横ばい傾向にある中、リハビリテーションの機会の充実等による被害者支援の更なる充実や先進的な安全技術の普及等による事故防止の一層の推進が必要不可欠であります。一方で、被害者支援及び事故防止に係る事業は自動車事故対策勘定に置かれる有限の積立金を財源としており、その財源が枯渇した場合、事業の継続が困難となるおそれがあります。このため、被害者支援及び事故防止に係る事業について持続的に実施できる仕組みへの転換を図ることにより、被害者やその御家族などが安心して生活できる社会、自動車事故のない社会の実現に向けた取組を進めることが必要であります。
このような趣旨から、この度この法律案を提案することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、これまで当分の間の措置として位置付けられてきた被害者支援及び事故防止に係る事業について、被害者保護増進等事業として恒久的な事業に見直した上で、自動車事故対策事業として、被害者支援の観点から目的を同じくする自動車損害賠償保障事業、すなわち無保険車による事故やひき逃げ事故等の被害に遭われた方の損害の填補に係る事業と一体的かつ安定的に実施することとしております。
第二に、保険会社等は、自動車損害賠償保障事業及び被害者保護増進等事業から成る自動車事故対策事業に必要な費用に充てるため、自動車事故対策事業賦課金を政府に納付しなければならないこととしております。
第三に、これまで当分の間設置する勘定として被害者支援及び事故防止に係る事業を経理してきた自動車事故対策勘定について、その事業の恒久化に伴い、恒久的な勘定に見直した上で、保障勘定と統合し、一体的に経理することとしております。
そのほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上がこの法律案を提案する理由であります。
この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
第208回国会参議院国土交通委員会会議録第6号1頁(令和4年4月5日)〔斉藤鉄夫国土交通大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一日本のクルマ社会において「誰もが安心できる共助社会の実現」を目的としている自動車ユーザーのための保険料からの運用益を一般会計に繰り入れたことや、厳しい金利状況により自動車安全特別会計の積立金の運用益を財源として事業を行う枠組みが破綻したことが、被害者支援対策・事故防止対策の継続を困難なものとし、自動車ユーザーに新たな賦課金を求めることにつながっている。これを踏まえ、財務大臣及び国土交通大臣は、財源の枯渇を招いた原因と現状を含め、自動車ユーザーの納得を得るべく説明責任を果たすとともに、被害者支援対策・事故防止対策の維持に責任を果たすこと。また、繰入金残額の約六千億円全額を被害者支援対策・事故防止対策が安定的・継続的に将来にわたって実施されるよう、一般会計からできる限り早期かつ着実に繰り戻す措置を講ずること。
二新たな賦課金制度の導入に当たっては、被害者支援対策・事故防止対策に係る取組の現状及び課題について積極的に情報を発信するとともに、制度導入の必要性について丁寧な説明を行うなど、自動車ユーザーの理解が得られるよう努めること。また、その具体的な負担額の水準の決定に当たっては、一般会計からの繰戻し額を踏まえて、自動車事故被害者、その家族及び遺族団体その他関係団体などで構成された「今後の自動車事故対策勘定のあり方に関する検討会」において客観的かつ丁寧な議論を行い、自動車ユーザーの負担を極力抑えるよう努めること。
三今後、追加・拡充される被害者支援対策・事故防止対策として実施すべき施策については、新たな賦課金を求めることとする以上、施策決定過程の「見える化」を行い、実施内容を精査すること。特に、各施策の費用対効果等に関する事前及び事後の検証については、使途を明らかにした上で、自動車事故被害者、その家族及び遺族団体その他関係団体などの意見を踏まえ、第三者による客観的な視点で行うとともに、毎年実施すること。また、未成年者を対象とする事故防止対策を強化すること。
四被害者支援対策については、自動車事故被害者、その家族及び遺族等が求める支援のニーズが、事故直後の専門的な治療・リハビリの機会の充実のみならず、介護者なき後の被害者の生活支援、高次脳機能障害への対応、就労支援、遺族の精神的ケアなど長期的なものに関しても高まっていることから、これらの充実を図ること。特に、希望した在宅重度後遺障害者が、グループホーム等障害者支援事業所への入所を含め、必要とする障害福祉サービスを円滑に受けられるよう、十分な体制を整備すること。また、短期入院・入所協力の充実を図ること。
五被害者支援対策の実施に支障を来すことのないよう、療護施設等の老朽化対策、防災対策を促進するとともに、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策の充実・強化に努めること。
六無車検、無保険状態での運行を防止するため、自動車の検査時期について使用者の認識を向上させるための措置等、無車検車、無保険車の排除のための適切な措置を早急に講ずること。
七自動車事故対策勘定の積立金については、一定期間引き続き経常的な歳出の一部に充てることにより、自動車ユーザー負担の抑制を図ることとするが、将来的な自然災害などの非常時等に備えた臨時的な歳出の財源に充てるために必要な規模は常に確保すること。
八自動車事故対策勘定における積立金の運用状況が大幅に改善される等の環境変化が生じた場合は、賦課金水準の引下げを図るなど、自動車ユーザーの負担軽減を行うこと。また、自動車安全特別会計の各勘定における剰余金の取扱いについては、今後、他会計への繰入れを行わないこと。
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
一財務大臣及び国土交通大臣は、財源の枯渇を招いた原因と現状を含め、自動車ユーザーの納得を得るべく説明責任を果たすとともに、被害者支援対策・事故防止対策の維持に責任を果たすこと。また、繰入金残額の約六千億円全額を被害者支援対策・事故防止対策が安定的・継続的に将来にわたって実施されるよう、令和三年十二月の新たな大臣間合意を最低限遵守し、一般会計から早期かつ着実に繰り戻す措置を講ずること。
二新たな賦課金制度の導入に当たっては、被害者支援対策・事故防止対策に係る取組の現状及び課題について積極的に情報を発信し、その必要性について丁寧な説明を行うなど自動車ユーザーの理解が得られるよう努めること。また、その具体的な負担額の水準の決定に当たっては、一般会計からの繰戻し額を踏まえて、「今後の自動車事故対策勘定のあり方に関する検討会」において、中立的な第三者を交えた議論の結果を考慮して、自動車ユーザーの負担を極力抑えるよう努めること。
三今後、追加・拡充される被害者支援対策・事故防止対策として実施すべき施策については、新たな賦課金を求めることとする以上、施策決定過程の「見える化」を行い、実施内容を精査すること。特に、各施策の費用対効果等に関する事前及び事後の検証については、使途を明らかにした上で、自動車事故被害者、その家族及び遺族団体その他関係団体などの意見を踏まえ、第三者による客観的な視点で、毎年実施すること。また、未成年者及び高齢者を対象とする事故防止対策を強化すること。
四被害者支援対策については、自動車事故被害者、その家族及び遺族等が求める支援のニーズが、事故直後の専門的な治療・リハビリの機会の充実のみならず、介護者なき後の被害者の生活支援、高次脳機能障害への対応、就労支援、遺族の精神的ケアなど長期的なものに関しても高まっていることから、これらの充実を図ること。特に、希望した在宅重度後遺障害者が、グループホーム等障害者支援事業所への入所を含め、必要とする障害福祉サービスを円滑に受けられるよう、十分な体制を整備すること。また、短期入院・入所協力の充実を図ること。
五被害者支援対策の実施に支障を来すことのないよう、療護施設等の老朽化対策、防災対策を促進するとともに、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策の充実・強化に努めること。
六自動車の検査時期について使用者の認識を向上させるための措置等、無車検車、無保険車の排除のための適切な措置を早急に講ずること。
七自動車事故対策勘定の積立金については、一定期間引き続き経常的な歳出の一部に充てることにより、自動車ユーザー負担の抑制を図ることとするが、将来的な自然災害などの非常時等に備えた臨時的な歳出の財源に充てるために必要な規模は常に確保すること。
八自動車事故対策勘定における積立金の運用状況が大幅に改善される等の環境変化が生じた場合は、賦課金水準の引下げを図るなど、自動車ユーザーの負担軽減を行うこと。また、自動車安全特別会計の各勘定における剰余金の取扱いについては、今後、他会計への繰入れを行わないこと。
九自動車ユーザーの負担による賦課金によって被害者保護増進等事業が行われることを踏まえて、独立行政法人自動車事故対策機構は、事業全般の精査・見直しを行い、機構の運営体制を効率的なものとし、管理業務の簡素化等を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120801036)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。