経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案
参議院 内閣委員会
令和4年法律第43号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院内閣委員会・内閣委員会経済産業委員会連合審査会
- R4.3.17趣旨説明・質疑本会議 1281
- R4.3.18趣旨説明内閣委員会 10203
- R4.3.23質疑内閣委員会 11423
- R4.3.25質疑内閣委員会 12335
- R4.3.29質疑内閣委員会経済産業委員会連合審査会 1173
- R4.3.30質疑内閣委員会 13195
- R4.3.31参考人招致・参考人質疑内閣委員会 14123
- R4.4.1質疑内閣委員会 15175
- R4.4.6修正案趣旨説明・質疑・討論・採決・附帯決議・修正案内閣委員会 16221
- R4.4.7委員長報告・討論・採決本会議 1845
参議院内閣委員会・内閣委員会、経済産業委員会連合審査会
- R4.4.13趣旨説明・質疑本会議 1645
- R4.4.14趣旨説明・質疑内閣委員会 10288
- R4.4.19質疑内閣委員会 11299
- R4.4.21参考人招致・参考人質疑内閣委員会 1280
- R4.4.26質疑内閣委員会、経済産業委員会連合審査会 1106
- R4.4.26質疑内閣委員会 13167
- R4.4.28質疑内閣委員会 14129
- R4.5.10討論・採決・附帯決議内閣委員会 1512
- R4.5.11委員長報告・討論・採決本会議 2148
提案理由
小林鷹之 内閣府特命担当大臣(科学技術政策・宇宙政策) 令和4年3月17日ただいま議題となりました経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
国際情勢の複雑化、社会経済構造の変化等に伴い、安全保障を確保するためには、経済活動に関して行われる国家及び国民の安全を害する行為を未然に防止する重要性が増大していることに鑑み、安全保障の確保に関する経済施策を総合的かつ効果的に推進するため、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する基本方針を策定するとともに、安全保障の確保に関する経済施策として、所要の制度を創設する必要があります。
次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、特定重要物資の安定的な供給の確保に関する制度として、外部に過度に依存し、又は依存するおそれがある重要な物資の安定供給確保を図るため、特定重要物資を指定し、事業者の取組を支援するとともに、安定供給確保が困難と認めるときは政府が更なる対策を講ずる制度を創設することとしております。
第二に、特定社会基盤役務の安定的な提供の確保に関する制度として、国民生活及び経済活動の基盤となる特定の役務の安定的な提供を確保するため、妨害行為の手段として使用されるおそれがある重要な設備等を審査する制度を創設することとしております。
第三に、特定重要技術の開発支援に関する制度として、先端的技術のうち、当該技術が外部に不当に利用された場合等において、国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれがある技術の研究開発の促進と適切な活用のため、必要な情報の提供、資金の確保、調査研究等の措置を講ずる制度を創設することとしております。
第四に、特許出願の非公開に関する制度として、公にすることにより国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい発明の特許出願につき、出願公開等の手続を留保し、発明の開示や実施を制限することを可能にする制度を創設することとしております。
以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
なお、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日としております。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
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第208回国会衆議院会議録第12号5頁(令和4年3月17日)〔小林鷹之内閣府特命担当大臣(科学技術政策発言・発言番号53〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の事項に留意し、その運用等について遺漏なきを期すべきである。
一基本方針の策定に当たっては、以下の事項に配慮すること。 1 安全保障に関する経済施策を総合的かつ効果的に推進するに当たっては、自由かつ公正な経済活動の促進との両立が図られるようにするとともに、新たな国際経済秩序の形成の促進の重要性に留意すること。 2 「経済活動に与える影響」(本法第五条)を考慮するに当たっては、経済成長に及ぼす影響に配慮するとともに、事業者の事業活動における自主性を尊重し、事業者間の適正な競争関係を不当に阻害することのないようにすること。 3 安全保障に関する経済施策を総合的かつ効果的に推進するに当たっては、事業者及び国民に対し十分な説明を行い、その理解を得るようにすること。 4 本法第九十条の規定に基づき、我が国が締結した条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げることがないようにすること。
二特定重要物資を指定する政令及び安定供給確保支援法人の指定に関する主務省令並びに特定社会基盤事業者の指定基準を定める主務省令は、関係事業者、関係事業者の団体その他の関係者の意見を考慮して制定するとともに、特定技術分野を定める政令は、安全保障の確保に関する経済施策、産業技術その他特許出願の非公開に関し知見を有する者の意見を考慮して制定すること。
三特定重要物資、特定社会基盤事業者及び指定基金の指定並びに特定技術分野の選定は、客観的かつ公平に行うこと。
四物資の生産、輸入又は販売の事業を行う個人又は法人その他の団体に対する報告徴収(本法第四十八条第一項)及び特定重要設備の導入等後等の勧告(本法第五十五条第一項)においては、経済活動に与える影響を考慮し、安全保障を確保するため合理的に必要と認められる限度において行わなければならないことについて一層配慮すること。
五特定重要物資又はその生産に必要な原材料等について、備蓄その他の安定供給確保のために必要な措置を講ずる(本法第四十四条第六項)際においては、輸送手段の確保について十分配慮すること。
六「特定妨害行為の防止による特定社会基盤役務の安定的な提供の確保に関し必要な特定社会基盤事業者その他の関係者との連携に関する事項」(本法第四十九条第二項第五号)は、特定社会基盤事業者に対する相談、助言その他の援助の必要性を考慮して定めること。
七特定重要技術の開発支援については、我が国の技術的優位性ひいては不可欠性を確保することにつながるか否かを十分に検証した上で、対象となる技術をしっかりと見定めていくとともに、真に必要なものに対し、集中的に行うこと。
八特定重要技術の研究開発の促進及びその成果の適切な活用を図るに当たっては、宇宙科学技術、海洋科学技術、量子科学技術及び人工知能関連技術の重要性に留意すること。
九特定重要技術の開発を支援するため、十分な財政措置を講ずること。
十保全対象発明の選定に当たっては、産業への影響を考慮して対象をできる限り限定的なものとすること。その際、デュアルユース技術については、国費による委託事業の成果である技術や、防衛等の用途で開発された技術、あるいは出願人自身が了解している場合などを念頭に、支障が少ないケースに限定すること。
十一特許出願の非公開制度の運用に当たっては、特許出願人が手続を円滑に行うことができるよう配慮すること。
十二本法第八十条に基づく損失の補償に当たっては、特許出願人が過度な不利益を被ることのないよう十分配慮すること。
十三本法の施行状況については、遅滞なく国会を含め、国民に公表すること。
十四国際共同研究の円滑な推進も念頭に、我が国の技術的優位性を確保、維持するため、情報を取り扱う者の適性について、民間人も含め認証を行う制度の構築を検討した上で、法制上の措置を含めて、必要な措置を講ずること。
十五安全保障の確保に関する経済施策に関する情報の収集、整理及び分析を推進する観点から必要があると認めるときには、その体制の整備について、速やかに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
十六本法第四十八条第一項の規定による報告又は資料の提出の状況を勘案し、必要があると認めるときは、同項の規定による報告又は資料の提出の実効性を確保するための方策について、本法の施行後適当な時期において検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
十七ウクライナ情勢はじめ世界の安全保障環境が激変している状況を勘案し、経済安全保障に関する諸施策の実効性を伴う総合的な推進を図るための方策について、本法の施行後適当な時期において検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
一本法施行に当たっては、安全保障の確保に関する経済施策と自由かつ公正な経済活動の促進の両立が重要であることに十分留意すること。
二基本方針は、本法による施策が我が国の産業競争力に与える影響に留意し、安全保障の確保のためになされる規制等が経済活動の自由を不当に阻害することがないよう、また、事業者等の自主性が十分尊重され、かつ、事業者間の適正な競争関係を不当に阻害することのないよう策定すること。
三四分野におけるそれぞれの基本指針の策定に当たっては、経済活動の自由を不当に阻害することのないよう、かつ、事業者等に過度な負担を強いることのないよう十分に留意すること。また、特定妨害行為の防止による特定社会基盤役務の安定的な提供の確保に関し必要な特定社会基盤事業者その他の関係者(本法第四十九条第二項第五号)に代表される事業者等関係者との連携については、相談、助言その他の援助を行うほか、恒常的に十分意思疎通を図り信頼関係を醸成するよう努めること。
四特定重要物資を指定する政令及び安定供給確保支援法人の指定に関する主務省令並びに特定社会基盤事業者の指定基準を定める主務省令は、関係事業者、関係事業者の団体その他の関係者の意見に十分配慮し制定すること。また、特定重要物資を指定する政令の制定に際しては、必要な知見を有する者の意見も参照すること。
五物資の生産、輸入又は販売の事業を行う個人又は法人その他の団体に対する報告徴収(本法第四十八条第一項)及び特定重要設備の導入等後の勧告(本法第五十五条第一項)は、自由かつ公正な経済活動に与える影響を十分考慮し、事業者等の過度な負担にならないよう、必要最小限度にとどめるべきという国会での議論があったことを踏まえ、安全保障を確保するため合理的に必要と認められる限度について一層配慮した報告徴収、勧告とすること。
六特定重要物資又はその生産に必要な原材料等について、備蓄その他の安定供給確保のためには、重要物資の輸送手段も重要となることから、輸送手段の確保等の必要な措置について十分配慮すること。
七特定社会基盤役務の安定的な提供の確保に関する制度において、中小規模の事業者については、役務の安定的な提供に支障が生じた場合に与える国民生活又は経済活動への影響が限定的であるほか、規制への対応が相対的に大きな負担となると考えられることから、規制の対象とするべきかどうかの検討は慎重に行うこと。
八特定重要設備の導入等に係る審査については、事業活動に与える影響を踏まえ、可能な限り短期間で実施すること。そのため、必要な審査を効率的に行うことができるよう、関係省庁の連携も含め、審査体制の充実に取り組むこと。
九特定重要技術の開発支援については、我が国の技術的優位性ひいては不可欠性を確保することにつながるか否かを十分に検証した上で、対象となる技術をしっかりと見定めていくとともに、真に必要なものに対し集中的に行うこと。
十特定重要技術の開発支援に当たっては、宇宙科学技術、海洋科学技術、量子科学技術、人工知能関連技術及びバイオ技術の重要性に留意し、研究開発の促進及びその成果の適切な活用が図られるよう検討すること。
十一特定重要技術の開発を支援するため、十分な財政措置を講ずること。
十二保全対象発明の選定に当たっては、産業への影響を考慮して対象をできる限り限定的なものとすること。その際、デュアルユース技術については、国費による委託事業の成果である技術や、防衛等の用途で開発された技術、あるいは出願人自身が了解している場合などを念頭に、支障がないケースに限定すること。
十三特許出願の非公開に関する制度の運用は、イノベーションの意欲を削ぐことのないよう関係者の意見を聴いて、慎重に行うこと。
十四特許出願の非公開に関する制度の運用に当たっては、特許出願人が手続を円滑に行うことができるよう配慮すること。
十五保全審査を行う機関について、関係省庁及び外部の専門家の知見が十分に活用できるような仕組みを構築するとともに、保全審査に携わる職員の専門性の向上に配意すること。
十六本法第八十条の規定に基づく損失の補償に当たっては、特許出願人が過度な不利益を被ることのないよう十分配慮すること。
十七本法全体及び個別具体の施策の施行状況について、国会、国民に公表し、十分な説明を行うとともに、事業者、研究者等を含め、その理解を得るよう努めること。
十八安全保障の確保に関する経済施策に関する情報の収集、整理及び分析を推進する観点から必要があると認めるときには、その体制の整備について、速やかに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
十九本法第四十八条第一項の規定による報告徴収の状況を勘案し、必要があると認めるときは、同項の規定による報告徴収の実効性を確保するための方策について、本法の施行後適当な時期において検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
二十地方公共団体が地域において住民の生活及び経済活動の基盤である水道、鉄道等を保有しているほか、地域において先端技術を有する中小企業が存在することに鑑み、地方公共団体に対し、経済安全保障の観点から必要な助言その他の援助を行うこと。
二十一国際共同研究の円滑な推進も念頭に、我が国の技術的優位性を確保、維持するため、情報を取り扱う者の適性について、民間人も含め認証を行う制度の構築を検討した上で、法制上の措置を含めて必要な措置を講ずること。
二十二経済活動における人権の尊重が国際的にも重要な課題となっていることに鑑み、人権に配慮した経済活動が行われるよう必要な検討を行うこと。
二十三四分野に限らない経済安全保障に関する諸施策の実効性を伴う総合的な推進を図るための方策について、本法の施行後適当な時期において検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120801037)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。