特定不法行為等に係る被害者の迅速かつ円滑な救済に資するための日本司法支援センターの業務の特例並びに宗教法人による財産の処分及び管理の特例に関する法律案
参議院 法務委員会
令和5年法律第89号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院法務委員会・法務委員会文部科学委員会消費者問題に関する特別委員会連合審査会
- R5.11.24趣旨説明・質疑法務委員会 4148
- R5.12.1質疑法務委員会 5106
- R5.12.1質疑法務委員会文部科学委員会消費者問題に関する特別委員会連合審査会 1159
- R5.12.5修正案趣旨説明・質疑・討論・採決(修正)・修正案法務委員会 652
- R5.12.5委員長報告・討論・採決(修正)本会議 921
参議院法務委員会・法務委員会、文教科学委員会連合審査会
- R5.12.7趣旨説明及び衆議院修正部分趣旨説明・質疑法務委員会 5169
- R5.12.12質疑法務委員会、文教科学委員会連合審査会 1142
- R5.12.12質疑・討論・採決・附帯決議法務委員会 6170
- R5.12.13委員長報告・討論・採決本会議 1129
提案理由
柴山昌彦 議員(発議者) 令和5年11月24日ただいま議題となりました自由民主党・無所属の会、公明党及び国民民主党・無所属クラブ提出の特定不法行為等に係る被害者の迅速かつ円滑な救済に資するための日本司法支援センターの業務の特例並びに宗教法人による財産の処分及び管理の特例に関する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案理由及びその内容の概要を御説明申し上げます。
今般、宗教法人世界平和統一家庭連合、いわゆる旧統一教会に対し、政府から、宗教法人法に基づく解散命令の請求がなされましたが、解散命令請求が、著しく公共の利益を害すると明らかに認められる行為をしたことを理由として、所轄庁等の公的機関により行われたものである場合は、その被害者の迅速かつ円滑な救済が図られるようにする必要が特に高いものと考えられます。そこで、こうした被害者について、民事手続全般を通じた救済を後押しすべく、本法律案を提出した次第です。
以下、本法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、対象宗教法人及び特定不法行為等を定義しております。対象宗教法人とは、著しく公共の利益を害すると明らかに認められる行為をしたことを理由として、所轄庁等の公的機関により解散命令の裁判の手続が開始された宗教法人をいい、また、特定不法行為等とは、解散命令請求等の原因となった不法行為、契約申込み等の取消しの理由となる行為等及びこれらと同種の行為であって、対象宗教法人又はその信者等によるものをいうものとしております。
第二に、法テラスは、特定被害者法律援助事業として、対象宗教法人の被害者については、資力を問わず、民事事件手続の準備、追行のために必要な費用を立て替えるなどとともに、これらの償還、支払いについて、猶予や必要かつ相当な範囲での免除を行うことができることとしております。
第三に、対象宗教法人について、被害者が相当多数存在することが見込まれ、財産の処分及び管理の状況を把握する必要があると認められる場合には、これを指定宗教法人として指定できることとし、不動産の処分等に当たり所轄庁への通知を要すること、所轄庁からその処分等を公告することとしております。通知を行わずになされた不動産の処分等は、無効とされます。さらに、指定宗教法人のうち、財産の隠匿等により被害者の権利を害するおそれがあると認められる場合には、特別指定宗教法人に指定できることとし、財産目録等の作成及び所轄庁への提出を四半期ごとに行わせるとともに、被害者がそれを閲覧できることといたしました。なお、これらの指定に際しては、あらかじめ宗教法人審議会の意見を聞くこととしております。
最後に、本法律案は、法テラスの業務の特例に関係する部分は公布後三月以内、それ以外の部分は公布から十日を経過した日から施行することとし、法律は、施行の日から三年を経過した日に失効することとしております。なお、法律の施行後三年を目途として、この法律の延長を含め検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしております。
以上が、本法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
第212回国会衆議院法務委員会議録第4号2頁(令和5年11月24日)〔柴山昌彦議員発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一日本司法支援センター(以下「法テラス」という。)が本法において定められた特定被害者法律援助事業を遅滞なく開始し、その目的を十分に果たすことができるよう、必要な予算を確保して、弁護士等による支援体制の一層の強化を図ること。
二本法に基づいて特定被害者が迅速かつ円滑に被害を回復することができるよう、本法の趣旨や法テラスの業務等について周知広報を十分に図ること。
三指定宗教法人及び特別指定宗教法人の指定は、当該宗教法人及びその信者の信教の自由に十分に配慮しつつ、遅滞なく行うよう努めること。
四関係省庁の緊密な連携の下、本法の運用に係る適切な政省令の策定等について必要な取組を直ちに行うこと。
五本法施行後、法テラスの業務の特例、宗教法人による財産の処分・管理の特例等による被害者救済の状況等を勘案し、具体的に検討するべき課題が生じた場合においては、三年を待たずに、信教の自由に十分配慮しつつ、解散命令の請求等に係る対象宗教法人に関する財産保全の在り方を含め検討を行うこと。あわせて、特定不法行為等に係る被害の実情について、相談窓口における相談状況や関連法令の施行状況等の検証、被害者等へのヒアリング等を通じて更に調査を行い、被害者救済のため必要がある場合には更なる法整備その他の措置を検討すること。
六旧統一教会問題に起因する親族間の問題、心の悩み、宗教二世を含むこどもが抱える問題等の解決に向け、法テラスを中核とした相談対応、精神的支援、児童虐待や生活困窮問題の解決に向けた支援等を一体的かつ迅速に提供するなどの被害者に寄り添った相談・支援体制を構築すること。その際、必要な予算を確保するとともに、元信者や宗教二世等の方々、これまで旧統一教会問題の被害者支援を行ってきた有識者等の知見も活用すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=121202010)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。