子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案
参議院 内閣委員会
令和6年法律第47号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会・地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会厚生労働委員会連合審査会
- R6.4.2趣旨説明・質疑本会議 1633
- R6.4.2趣旨説明地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 76
- R6.4.3質疑地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 8311
- R6.4.5質疑地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 9309
- R6.4.9参考人招致・参考人質疑地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 1096
- R6.4.11質疑地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会厚生労働委員会連合審査会 1181
- R6.4.11質疑地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 11154
- R6.4.16質疑地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 12186
- R6.4.18修正案趣旨説明・内閣意見聴取・討論・採決・附帯決議・修正案地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 13135
- R6.4.19委員長報告・討論・採決本会議 2349
参議院内閣委員会・内閣委員会、厚生労働委員会連合審査会
- R6.5.17趣旨説明・質疑本会議 1959
- R6.5.21趣旨説明・質疑内閣委員会 15280
- R6.5.23質疑・参考人招致・参考人質疑内閣委員会 16248
- R6.5.28質疑内閣委員会、厚生労働委員会連合審査会 1148
- R6.5.30質疑内閣委員会 17287
- R6.6.4質疑・討論・採決・附帯決議内閣委員会 18224
- R6.6.5委員長報告・討論・採決本会議 2441
提案理由
加藤鮎子 内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画・孤独・孤立対策) 令和6年4月2日ただいま議題となりました子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
少子化は、我が国が直面する最大の危機であり、二〇三〇年代に入るまでが、この少子化傾向を反転させるラストチャンスです。
こうした問題認識の下、昨年末に閣議決定したこども未来戦略では、全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援し、共働き、共育ての推進とあわせて、社会全体の構造、意識を変え、子どもを持つことを希望する方が安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現を目指しています。
このこども未来戦略の加速化プランに盛り込まれた施策を着実に実施するため、給付面と財政面の改革を一体的に行うものとして、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
第一に、加速化プランに盛り込まれた子育て支援の施策や給付の拡充を行うため、児童手当における支給期間の延長や所得制限の撤廃、第三子以降の児童に係る支給額の増額を行うとともに、妊娠期の負担軽減のための妊婦のための支援給付を創設します。
また、子育て世帯を対象とする支援を拡充するため、妊娠期から伴走型で支援を行う妊婦等包括相談支援事業や、保育所等に通っていない満三歳未満の子どもの通園のための給付の創設、産後ケア事業の計画的な提供体制の整備、児童扶養手当の第三子以降の児童に係る加算額の引上げ等を行います。
さらに、共働き、共育てを推進するため、両親ともに育児休業を取得した場合に支給する出生後休業支援給付、育児期に時短勤務を行った場合に支給する育児時短休業給付や、自営業、フリーランス等の国民年金第一号被保険者の育児期間に係る保険料の免除措置を創設します。
第二に、こうした子ども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるため、年金特別会計の子ども・子育て支援勘定と労働保険特別会計の雇用勘定の育児休業給付関係部分を統合し、子ども・子育て支援特別会計、いわゆるこども金庫を創設します。
第三に、加速化プランを支える安定財源の確保策として、既定予算の最大限の活用等や徹底した歳出改革を行った上で、児童手当等の費用に充てるため、企業を含め社会経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で広く拠出いただく仕組みとして、子ども・子育て支援金制度を創設します。
具体的には、この支援金を充当する対象事業を定めるとともに、各医療保険者は、子ども・子育て支援納付金を国に納付することとし、その納付に要する費用について、被保険者等から子ども・子育て支援金を、医療給付に充てる保険料とあわせて徴収することとします。
また、子ども・子育て支援金制度を段階的に構築していく間、支援金を充てるべき給付に必要な費用に充てるため、子ども・子育て支援特例公債の発行を可能とします。
このほか、施行期日並びにこの法律の施行に関し必要な経過措置及び留意事項等について規定するとともに、関係法律について必要な規定の整備を行います。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
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子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第213回国会衆議院会議録第16号1頁(令和6年4月2日)〔加藤鮎子内閣府特命担当大臣(こども政策発言・発言番号7〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用等について遺憾なきを期すべきである。
一結婚や出産への希望を持ちながら、経済的理由等により将来展望を描けずにいる若者もいることを踏まえ、若者の可処分所得の持続的な増加を図ることに一層努めること。
二「加速化プラン」において、若年人口が急激に減少する二〇三〇年代に入るまでが少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスとしていることを踏まえ、「加速化プラン」の後継の検討を含め、こども未来戦略に基づくこども・子育て政策の抜本的強化に速やかに着手するとともに、単に制度や施策を策定するのではなく、社会全体で、こども・若者や子育て世帯を応援する機運を高める取組を車の両輪として進めること。
三子ども・子育て支援金制度の導入に当たっては、支援金による拠出が、歳出改革等による社会保険負担軽減効果の範囲内に収まるように取り組むこと。また、全世代型社会保障制度改革等については、医療・介護サービスへのアクセスや必要な保障が欠けることのないよう、丁寧に検討を進めること。
四子ども・子育て支援金は、医療保険料や介護保険料とは区分して子ども・子育て支援金率が設定されることから、医療保険料等とは異なるものであることを健康保険者等に周知すること。子ども・子育て支援納付金の納付義務を負う健康保険者等のうち、被用者保険等保険者については、同納付金の負担が被保険者の標準報酬総額に応じた額となることから、子ども・子育て支援金率の基礎として国が実務上一律の支援金率を示す取扱いを堅持すること。
五少子化対策は、中長期的な対応が必要であり、本法による改正後の各法律の施行状況について、子ども・子育て支援金制度の拠出とその充当対象事業の給付の状況を含め、こども・若者や子育て世帯の参画の下、不断に効果検証と適切な見直しを行うこと。あわせて、こども・子育て予算倍増に向けて、社会全体でどのように支えるかという観点を含め、政策及び財源の在り方について、あらゆる選択肢を視野に入れて総合的な検討を行うこと。
六子ども・子育て支援納付金の使途、使用した額、支援金を徴収するに当たっての課題などに関する報告を国民に分かりやすく示すとともに、子ども・子育て支援金率、使途等を検討する際は、複数の拠出する立場の者が参画した上で検討し、その結果に応じて必要な対応を講じること。
七児童手当については、本法により、児童手当の拡充に当たって同手当を次代を担う全てのこどもの育ちを支える基礎的な経済的支援として位置付けた趣旨を踏まえ、本法による効果も検証しつつ、必要に応じて、その在り方について、検討すること。
八妊婦等包括相談支援事業の創設に当たっては、オンラインによる相談等の充実や体制の強化に努めること。あわせて、「伴走型相談支援」と呼ぶにふさわしい、産前産後を通じて専門的知見を有する伴走者が一貫してサポートを提供できる仕組みについて相談支援事業の効果の検証をしながら検討を進めること。
九こども誰でも通園制度の創設に当たっては、現場や利用者の意見を十分に踏まえた実施に努めるとともに、通常保育での児童の受け入れとの違いも踏まえ、通常保育も含めた幼児教育・保育の質が低下しないよう、万全を期すること。
十こども誰でも通園制度については、こどもの所属園や利用日数の在り方を含め、保育者との愛着形成ができるよう、本法に基づき、全てのこどもの権利として保育を保障する仕組みの検討を進めること。特に、医療的ケア児、障がいがあるこどもなど専門的支援が必要なこどもにとって使いやすいものとなるよう、安全な受入施設や体制整備に取り組むこと。
十一児童扶養手当については、経済社会の動向を踏まえ、本法による拡充の検証を行い、必要に応じて在り方を検討すること。
十二ヤングケアラーの実態や支援のニーズが表面化しづらいとの指摘があることを踏まえ、実態把握や早期発見、当事者に寄り添った支援と正しい理解の啓発に努めること。
十三男女が共に育児を担うことの重要性を始め、「共働き・共育て」の推進に向けて、企業も含めた社会全体で機運を醸成していく取組を推進すること。
十四出生後休業支援給付及び育児時短就業給付について、その効果や現場に与える影響などを検証した上で、引き続き、労働政策審議会を始めとした関係審議会において審議を行うこと。
十五出生後休業支援給付制度において、男性の育児参加をより促す観点も踏まえ、制度の施行状況を確認すること。
十六育児時短就業給付制度により、利用する労働者のキャリア形成の阻害や給付の公平性の観点から労働者間の分断などにつながらないよう、趣旨などを丁寧に周知しながら取組を進めること。
十七子ども・子育て支援特別会計の創設後も、雇用保険財源の活用の在り方及び保険料率を始め、従来労働政策審議会において議論を行ってきた事項については、引き続き、同審議会において審議を行うこと。
十八幼児教育・保育の質のより一層の向上を図り、全てのこどもが希望する施設を利用できるよう、今般の加速化プランに沿って、職員配置基準の見直しや受け皿の整備を進めること。また、処遇改善や働きやすい職場環境の整備に努め、保育人材の確保に万全を期すること。
十九貧困の状況にあるこども・若者や子育て当事者が、経済的な面だけではなく、心身の健康、進学機会や学習意欲も含め、権利利益の侵害や社会的孤立などの困難に陥らず、また、貧困の連鎖が断ち切られるよう、こどもの貧困を解消する対策の積極的な推進に取り組むとともに、「加速化プラン」全体の施策の効果を検証していく中で、必要に応じ在り方を検討すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
一児童の権利に関する条約の精神にのっとり制定されたこども基本法の基本理念を踏まえ、全てのこども・若者や子育て世帯の幸せを目標として、こども・子育てに関連する制度の運用実態を把握し、公正かつ適切に評価する仕組みの整備を含め適切な見直しを行いつつ、こどもまんなか社会の実現に向けて施策を進めること。
二結婚や出産への希望を持ちながら、経済的理由等により将来展望を描けずにいる若者もいることを踏まえ、非正規雇用を始めとした雇用不安の払拭に向けた実効性ある取組の推進を含め、若者の可処分所得の持続的な増加を図ることに一層努めること。
三「加速化プラン」において、若年人口が急激に減少する二〇三〇年代に入るまでが少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスとしていることを踏まえ、結婚、妊娠・出産、子育てについては個人の選択が尊重されるべきものであることを前提とした上で、中長期的に目指すべき少子化対策の具体的な目標設定を検討するとともに、「加速化プラン」の後継の検討を含め、こども未来戦略に基づくこども・子育て政策の抜本的強化に速やかに着手すること。あわせて、単に制度や施策を策定するのではなく、社会全体で、こども・若者や子育て世帯を応援する機運を高める取組を車の両輪として進めること。
四子ども・子育て支援金制度の導入に当たっては、支援金による拠出が、歳出改革等による社会保険負担軽減効果の範囲内に収まるように取り組み、支援金の導入によって社会保障負担率が上昇しないものとするとともに、そのことを的確に確認できるようにすること。また、全世代型社会保障制度改革等については、医療・介護サービスへのアクセスや必要な保障が欠けることのないよう、丁寧に検討を進めること。
五子ども・子育て支援金は、医療保険料や介護保険料とは区分して子ども・子育て支援金率が設定されることから、医療保険料等とは異なるものであることを健康保険者等に周知するとともに、給与明細等において医療保険料等と区別して支援金額が表示される取組が広がるよう、関係者の意見も聞きながら、必要な検討を進めること。また、子ども・子育て支援納付金の納付義務を負う健康保険者等のうち、被用者保険等保険者については、同納付金の負担が被保険者の標準報酬総額に応じた額となることから、子ども・子育て支援金率の基礎として国が実務上一律の支援金率を示す取扱いを堅持すること。
六少子化対策は、中長期的な対応が必要であり、本法による改正後の各法律の施行状況について、子ども・子育て支援金制度の拠出とその充当対象事業の給付の状況を含め、こども・若者や子育て世帯の参画の下、不断に効果検証と適切な見直しを行うこと。あわせて、こども・子育て予算倍増に向けて、社会全体でどのように支えるかという観点を含め、政策及び財源の在り方について、あらゆる選択肢を視野に入れて総合的な検討を行うこと。
七子ども・子育て支援納付金の使途、使用した額、支援金を徴収するに当たっての課題などに関する報告を国民に分かりやすく示すとともに、子ども・子育て支援金率、使途等を検討する際は、労使など複数の拠出する立場の者が参画した上で検討し、その結果に応じて必要な対応を講ずること。
八児童手当については、本法により、児童手当の拡充に当たって同手当を次代を担う全てのこどもの育ちを支える基礎的な経済的支援として位置付けた趣旨を踏まえ、本法による効果も検証しつつ、必要に応じて、その在り方について、検討すること。
九妊婦等包括相談支援事業の創設に当たっては、オンラインによる相談等の充実や体制の強化に努めること。あわせて、「伴走型相談支援」と呼ぶにふさわしい、産前産後を通じて専門的知見を有する伴走者が一貫してサポートを提供できる仕組みについて相談支援事業の効果の検証をしながら検討を進めること。また、妊婦が安全・安心に出産できるよう、希望に応じて無痛分娩を選択することが可能な環境整備を含め必要な支援に取り組むこと。
十こども誰でも通園制度の創設に当たっては、現場や利用者の意見を十分に踏まえた実施に努めるとともに、通常保育での児童の受入れとの違いも踏まえ、通常保育も含めた幼児教育・保育の質が低下しないよう、万全を期すること。
十一こども誰でも通園制度については、こどもの所属園や利用日数の在り方を含め、保育者との愛着形成ができるよう、本法に基づき、全てのこどもの権利として保育を保障する仕組みの検討を進めること。特に、医療的ケア児、障がいがあるこどもなど専門的支援が必要なこどもにとって使いやすいものとなるよう、安全な受入施設や体制整備に取り組むとともに、必要な人材確保に取り組むこと。
十二児童扶養手当については、経済社会の動向を踏まえ、本法による拡充の検証を行い、必要に応じて在り方を検討すること。
十三ヤングケアラーの実態や支援のニーズが表面化しづらいとの指摘があることを踏まえ、実態把握や早期発見、当事者に寄り添った支援と正しい理解の啓発に努めること。
十四男女が共に育児を担うことの重要性を始め、「共働き・共育て」の推進に向けて、企業も含めた社会全体で機運を醸成していく取組を推進すること。
十五出生後休業支援給付及び育児時短就業給付について、その効果や現場に与える影響などを検証した上で、引き続き、労働政策審議会を始めとした関係審議会において審議を行うこと。
十六出生後休業支援給付制度において、男性の育児参加をより促す観点も踏まえ、制度の施行状況を確認し、必要な対応を行うこと。
十七育児時短就業給付制度により、利用する労働者のキャリア形成の阻害や給付の公平性の観点から労働者間の分断などにつながらないよう、趣旨などを丁寧に周知しながら取組を進めること。
十八自営業・フリーランス等に対する育児期間中の経済的支援について、国民年金第一号被保険者の育児期間に係る保険料の免除措置の施行状況を確認しつつ、必要な対応を行うこと。
十九子ども・子育て支援特別会計の創設後も、雇用保険財源の活用の在り方及び保険料率を始め、従来労働政策審議会において議論を行ってきた事項については、引き続き、同審議会において審議を行うこと。
二十幼児教育・保育の質のより一層の向上を図り、全てのこどもが希望する施設を利用できるよう、「加速化プラン」に沿って、職員配置基準の見直しや受け皿の整備を進めること。また、処遇改善や働きやすい職場環境の整備に努め、保育人材の確保に万全を期すること。
二十一貧困の状況にあるこども・若者や子育て当事者が、経済的な面だけではなく、心身の健康、進学機会や学習意欲も含め、権利利益の侵害や社会的孤立などの困難に陥らず、また、貧困の連鎖が断ち切られるよう、こどもの貧困を解消する対策の積極的な推進に取り組むとともに、「加速化プラン」全体の施策の効果を検証していく中で、必要に応じ在り方を検討すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=121301022)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。