農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律案
参議院 農林水産委員会
令和6年法律第63号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- R6.4.25趣旨説明・質疑農林水産委員会 13139
- R6.5.8質疑農林水産委員会 14157
- R6.5.9参考人招致・参考人質疑農林水産委員会 1593
- R6.5.15質疑農林水産委員会 16151
- R6.5.21質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 17281
- R6.5.23委員長報告・採決本会議 2924
参議院農林水産委員会
- R6.5.30趣旨説明農林水産委員会 13206
- R6.6.4質疑農林水産委員会 14228
- R6.6.6参考人招致・参考人質疑農林水産委員会 15113
- R6.6.11質疑農林水産委員会 16209
- R6.6.13視察委員報告・質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 17235
- R6.6.14委員長報告・採決本会議 2731
提案理由
坂本哲志 農林水産大臣 令和6年4月25日続きまして、農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
農業者が今後急速に減少することが見込まれる一方、近年では農業の分野における情報通信技術が進展するなど、我が国の農業を取り巻く環境は大きく変化しています。
こうした変化に対応し、農業の生産性の向上を図るためには、農作業の効率化等を通じて農業の生産性を向上させるスマート農業技術の活用を促進することが不可欠となっています。そのためには、令和元年度から全国二百十七地区で実施してきたスマート農業実証プロジェクトの結果等を踏まえ、スマート農業技術に適合した生産の方式の導入や、いまだ実用化に至っていない分野におけるスマート農業技術等の開発及びその成果の普及を促進することが重要となっています。
このような状況を踏まえ、農業の持続的な発展及び国民に対する食料の安定供給の確保に資するため、スマート農業技術の活用及びこれと併せて行う農産物の新たな生産の方式の導入に関する計画並びにスマート農業技術等の開発及びその成果の普及に関する計画の認定制度を設け、これらの認定を受けた者に対する特別の措置を講ずるため、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
第一に、基本理念及び国等の責務についてであります。
基本理念として、国が生産方式革新事業活動の必要性及び有効性に関する知識の普及及び啓発を図るとともに、農業者等が自ら活用するスマート農業技術の性格、生産する農産物の特性等に応じて、生産方式革新事業活動に主体的かつ積極的に取り組むこと、開発供給事業について農業において特に必要が高いと認められるスマート農業技術を重点的かつ迅速に開発及び供給することにより農業の生産性の向上を図ること等を定めた上で、国等の責務として、スマート農業技術の活用の促進に関する施策を総合的に策定し、及び実施すること等を定めることとしています。
第二に、基本方針の策定についてであります。
農林水産大臣は、生産方式革新事業活動及び開発供給事業の促進に関する基本的な方針を定めるものとしております。
第三に、生産方式革新事業活動及び開発供給事業の促進のための措置についてであります。
生産方式革新事業活動を行おうとする農業者等は、その実施に関する計画について農林水産大臣の認定を受けられるものとし、認定を受けた農業者等には、株式会社日本政策金融公庫による貸付けの特例等の措置が講じられることとしています。また、開発供給事業を行おうとする者は、その実施に関する計画について農林水産大臣の認定を受けられるものとし、認定を受けた者には、公庫による貸付けの特例、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の研究開発設備等の供用等の措置が講じられることとしています。
以上が、これらの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。
第213回国会衆議院農林水産委員会議録第13号15頁(令和6年4月25日)〔坂本哲志農林水産大臣発言・発言番号80〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
国際情勢の変化等による世界の食料需給の変動や、国内の農地面積の減少、農業従事者の減少・高齢化が進む中、将来にわたって国民への食料の安定供給を確保するため、農業生産の基盤である農地の総量確保と有効利用に係る措置を強化するとともに、地域において人と農地の受け皿となる法人経営体の経営基盤強化に係る措置を講ずることで、食料安全保障の根幹である人と農地の確保に取り組むことが重要である。よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。記
一人と農地の確保に向けた本法の措置については、農業従事者が安心して営農を継続できる環境整備を前提に、今後の人・農地政策の根幹となる地域計画と一体的に進めることが重要であることに鑑み、地域の実情に応じた地域計画の策定、農業従事者の所得向上等を通じた農業人材の確保、農地の集積・集約化、遊休農地や荒廃農地の解消等の関連施策の充実・強化を図ること。
二確保すべき農用地等の面積の目標等に関する国と地方の協議の場については、これまでの地方分権推進の経緯等を十分に踏まえ、地方の意見を尊重し、協議が調うよう努めること。
三農用地等の確保に関する基本指針の変更については、次期食料・農業・農村基本計画との一体的な検討を図るとともに、地域計画に位置付けられる農地の面積との関係も踏まえ、農地の確保とその有効利用が確実に担保されるよう、国と地方の協議の場も活用し、国と地方が基本的認識を共有しながら行うこと。また、基本指針の変更を受けて都道府県が基本方針を変更する際、特に都道府県面積目標については、市町村の実情を踏まえ、市町村との共通認識の下に定められるよう都道府県に周知すること。
四国と地方公共団体との適切な役割分担の下、我が国全体及び各都道府県において必要な農用地等が確保されるよう、国の面積目標と都道府県面積目標の合計との相異、農林水産大臣が毎年公表する都道府県面積目標の達成状況等を踏まえ、必要があると認められる場合には、総合的な調整や対応のため、国と地方の協議の場の柔軟な活用を図ること。
五市町村による農用地区域からの除外に係る協議を受けた都道府県知事の同意に係る事務が適正に行われるよう、同意の基準や除外に係る影響を緩和するために講じようとする代替措置の具体例を示すなど、必要な措置を講ずること。その際、一定の面積により一律に面積目標達成への支障如何を考慮するような基準等ではなく、地域の実情を考慮しつつ、当該協議に係る地方公共団体の負担等に配慮すること。
六農地の権利取得の許可については、農業関係法令の遵守状況の確認等が円滑に実施され、農地を適正かつ効率的に利用する者による権利取得が促進されるよう、具体的な判断基準の周知を行うこと。
七農地転用許可に係る定期報告、違反転用に係る公表も含め、違反転用を防止するための措置が効果的に実施されるよう、必要な措置を講ずること。
八農業経営発展計画制度については、地域において人と農地の受け皿となる農業法人の経営基盤強化により、地域農業の発展に裨益するよう、地方公共団体と密に連携して運用するとともに、当該制度が適切に活用されるよう、制度の趣旨及び内容について、農業現場に丁寧に周知すること。
九農業経営発展計画の認定に当たっては、十分な審査体制を構築した上で、投機目的の出資を排除するなど厳格に審査するとともに、計画認定後も、議決権要件の緩和に係る農村現場の懸念を払しょくできるよう、農業現場に寄り添った監督措置等を適切に講ずること。
十議決権要件の特例により出資できる者の要件を、制度の開始のため省令で定めるに当たっては、農業に密接に関連する業種に限定することを要件の一つとした上で、出資を受ける農地所有適格法人と農業上の取引等の実績が十分にある等の基準を満たす食品事業者及び地銀ファンドとすること。
十一地域の実情に応じた人と農地の確保を図る観点から、市町村の農政関係部署及び農業委員会事務局の人員を始めとした現場の体制整備のために必要な支援措置を十分に講ずること。
十二この法律の施行に当たっては、特に不適切な営農型太陽光発電への対応、農業経営発展計画制度に係る農村現場の懸念払しょく状況等について、常時、きめ細かく把握・分析し、必要に応じて臨機に制度の見直し等の検討を行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=121301048)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。