日本学術会議法案
参議院 内閣委員会
令和7年法律第70号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院内閣委員会
- R7.4.18趣旨説明・質疑本会議 2227
- R7.4.23趣旨説明内閣委員会 16203
- R7.4.25発言・質疑内閣委員会 17336
- R7.5.7参考人招致・参考人質疑・発言・質疑内閣委員会 18200
- R7.5.9質疑・討論・採決・附帯決議内閣委員会 19398
- R7.5.13委員長報告・討論・採決本会議 2527
参議院内閣委員会
- R7.5.28趣旨説明・質疑本会議 2258
- R7.5.29趣旨説明・質疑内閣委員会 18297
- R7.6.3参考人招致・参考人質疑・修正案趣旨説明・修正案内閣委員会 19109
- R7.6.5質疑内閣委員会 20328
- R7.6.10質疑・討論・採決・附帯決議内閣委員会 21138
- R7.6.11委員長報告・討論・採決本会議 2660
提案理由
坂井学 国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災・海洋政策) 令和7年4月18日日本学術会議法案につきまして、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
本法律案は、日本学術会議の機能強化に向けて、その独立性、自律性を抜本的に高めるため、学術に関する重要事項に係る審議、大学、研究機関、学会その他の学術に関係する者の間における連携の確保及び強化、学術に関する研究を円滑に進めるための社会環境の整備、学術に関する外国の団体及び国際団体との交流等を行うことにより、学術の向上発達を図るとともに、学術に関する知見を活用して社会の課題の解決に寄与することを目的とする法人として、日本学術会議を設立し、その目的、業務の範囲等に関する事項を定めるものです。
次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、日本学術会議について、特別の法律により設立される法人とするほか、日本学術会議の目的等に関する事項を定めることとしています。
第二に、日本学術会議の機関として、日本学術会議会員、総会、会長、監事、会員候補選定委員会、選定助言委員会等を置き、それらの職務等を定めることとしています。
第三に、日本学術会議会員は、優れた研究又は業績がある科学者のうちから、総会が選任することとし、日本学術会議は、客観性及び透明性を確保する方法でこれを行い、会員の選任の過程を国民に明らかにするよう努めなければならないこととしています。また、会長は、特に優れた研究又は業績があり、人格が高潔で、かつ、日本学術会議の業務を適切かつ効果的に運営することができる能力を有する会員のうちから、総会が、その決議により選任することとし、日本学術会議は、会長が選任されたときは、会長の選任の理由等を公表しなければならないこととしています。
第四に、日本学術会議の業務の範囲等について定めるほか、日本学術会議が、その適正な業務運営を確保し、また、国民に対する説明責任を果たすため、中期的な活動計画及び年度計画を作成し、毎事業年度の終了後における業務の実績等に関し、自ら点検及び評価を行うこと等を定めるとともに、内閣府に日本学術会議評価委員会を設置し、日本学術会議の自己点検評価の方法及び結果について、調査審議し、意見を述べることができることとしています。
第五に、政府は、予算の範囲内において、日本学術会議に対し、その業務の財源に充てるため、必要と認める金額を補助することができることとしています。
第六に、日本学術会議の設立準備に係る規定を設けるほか、現行日本学術会議法の廃止など、所要の規定の整備を行うこととしています。
なお、この法律の施行期日は、一部の規定を除き、令和八年十月一日としています。
以上が、この法律案の趣旨及びその内容の概要でございます。(拍手)
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日本学術会議法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第217回国会衆議院会議録第22号2頁(令和7年4月18日)〔坂井学国家公安委員会委員長発言・発言番号14〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
結果として、今回の審議については、形骸化という言葉が最も適当な表現だと思います。私は、今日採決することは適当でないと思っていましたが、その一方で、このぐだぐだな審議を対案なきまま継続することの無意味さも実感しています。結局、我々は何をやっていたのだろうかという違和感だけが残ります。さらには、この機会に、学者の先生方にも一言申し上げたい。私は、デュアルユース研究に賛成です。一方、反対だという方の見解は十分に尊重すべきだと思っています。しかしながら、他の学者の研究にまで立ち入ってデュアルユース研究や防衛省委託の研究を受けることを阻もうとするのは、それこそ学者の独立性を害するものだと思います。学術会議の独立性はとても大事なものだと思っていますが、個々の学者の独立性も同様に大切なものです。組織の独立性を強調するが余り、個々の独立性を損なうという矛盾は、これを機に解消してほしいと思います。そして、今回の審議で非常に気になったのが、法案の正当化のために財政民主主義を持ち出したことです。想像するに、これだけの縛りを入れるのに財政民主主義でも持ち出さないと正当化できなかったということでしょう。しかし、よく考えていただきたい。行政の中には、財政支出で支えられる組織でありつつ、政府から独立性を維持しているものが多々あります。会計検査院、公正取引委員会、そしていわゆる三条委員会、それらの独立性にまで容喙するきっかけをつくりかねません。国が金を出しているのだから言うことを聞けとばかりに財政民主主義を振りかざす行為は野蛮であり、非常に危険です。以上、懸念を申し上げました。繰り返しになりますが、いい答弁が来ていれば私は賛成する意思を持っていました。そうならなかったことが残念でなりません。その点を強調し、討論といたします。ありがとうございました。
政府及び日本学術会議は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
一政府は、令和二年の会員任命拒否問題について、改めて国民への説明責任を果たし、国民の信頼を得るよう努めること。また、日本学術会議との信頼関係を損ねたとの指摘があったことを踏まえ、誠意を持って日本学術会議との信頼関係の構築に努めること。
二政府及び日本学術会議は、我が国及び世界が直面する社会課題、政府とアカデミアとの関係性その他の多面化・複雑化する学問の自由に関わる諸問題に対し絶えず真摯に向き合い、それぞれの役割・責務を果たすよう努めること。
三政府は、会長の選任について日本学術会議が公表しなければならない事項を内閣府令で定めるに当たっては、会長に求められる資質及び役割を十分に勘案しながら慎重かつ丁寧なプロセスで選考されたことが国民に明らかとなるようにすること。
四政府は、日本学術会議が、科学が文化国家の基礎であるという確信に立って、科学者の総意の下に、我が国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命として設立されたことを尊重すること。
五政府は、日本学術会議が我が国の科学者の内外に対する代表機関としての役割及び機能を十分に発揮することができるよう、会員の選任、科学的助言等、運営及び活動における日本学術会議の独立性、自主性及び自律性を尊重すること。
六政府は、法人化後の日本学術会議の設立に当たっては、日本学術会議の理念と実務の連続性に配慮すること。また、設立時の会員の選考について、コ・オプテーションの理念を尊重すること。
七政府は、日本学術会議が、その役割及び機能を十分果たし、また、その活動を萎縮させることがないよう、日本学術会議の要望を踏まえつつ、必要な財政支援を行うこと。また、補助金等の算定に当たっては、日本学術会議が中期的な活動計画に基づいて作成する年度計画に記載される事項に基づき公正に行い、適切な金額となるよう努めること。あわせて、日本学術会議は、無駄を排除した上で、政府からの財政支援のみに依存せず、ナショナルアカデミーとしての活動の中立性に留意しつつ民間からの寄附金を始めとした財源の多様化を図るよう努めること。
八政府は、監査報告、選定助言委員、運営助言委員、中期的な活動計画、年度計画、自己点検評価、日本学術会議評価委員会等に関して政令、内閣府令を定めるに当たっては、日本学術会議の独立性、自主性及び自律性を尊重すること。
九政府は、内閣総理大臣が任命する監事、日本学術会議評価委員会及び設立委員の権限が不当に拡大し、特に日本学術会議の活動の学術的な内容・価値に立ち入らないよう留意すること。あわせて、監事には、業務における政治的中立性の確保も含め、適切に監査できる者を任命し、日本学術会議評価委員には、産業や国民生活に最新の科学研究及び学問的知見が活かされるよう、中期的な活動計画に対して幅広い視野から意見を述べることができる者を任命すること。
十政府は、産官学の連携を一層深め、民間の知見や活力を積極的に活用することで、学術の成果を社会に還元し、新たな価値やイノベーションの創出につなげること。また、日本学術会議は、社会の関心及び状況等を認識し、立法府に対する提言を検討することも含め、その政策提言機能を強化すること。あわせて、政府は、日本学術会議が行う勧告、答申等について、その趣旨を尊重すること。
十一政府は、内閣府に置かれる日本学術会議評価委員会の全ての議事録の公表、内閣総理大臣による本法に基づく権限の意思決定過程等に関する文書の適切な作成・保存等、日本学術会議の組織及び運営一般に関する内閣府の事務の透明性向上に努めること。また、日本学術会議は、役員会、会員候補者選定委員会、選定助言委員会等の会議体の全ての議事録の公表、日本学術会議と社会とのコミュニケーションの強化等、組織や活動の透明性向上に努めること。
十二政府は、内閣総理大臣が施行日前に会長職務代行者を指名するに当たっては、特にその公正性及び中立性が確保されるように配慮すること。
十三政府は、日本学術会議の更なる機能強化に向けて不断の見直しを行うため、組織の在り方を含め、本法の運用状況について適時適切に評価及び検証を行い、必要に応じて適切な措置を講ずること。また、本法の施行後三年を目途に本法の施行状況を点検し、その結果を公表すること。
十四政府は、本法の規定について施行後六年を目途に検討する際には、本法の規定する目的及び基本理念を踏まえた活動状況、業務遂行及び会員選任等に係る説明責任の履行状況、財政面も含む活動の独立性や自主的・自律的な運営に向けた取組などに留意すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=121701036)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。