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高裁棄却高刑集6巻13号1875頁

名古屋高金沢支判 昭和28年12月12日

昭和28年(う)第281号 住居侵入被告事件

裁判所
名古屋高等裁判所金沢支部
裁判年月日
昭和28年12月12日 (1953-12-12)
事件番号
昭和28年(う)第281号
事件名
住居侵入被告事件
裁判の種類・結果
 棄却
判例集等
高刑集6巻13号1875頁
分野
刑事

判示事項

デモ隊の行進を撮影する新聞写真班の取材行為と肖像権

裁判要旨

デモ隊の市中行進を撮影する新聞社写真班の取材活動は社会的に許された行為であり肖像権の観念をもつて右活動を妨害することは権利の濫用である。

主文

各控訴をいづれも棄却する。

国選弁護人に支給した訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

国選弁護人梨木作次郎並に検察官の論旨はそれぞれの提出する控訴趣意書に各記載する通りであろからこれを引用する。

弁護人の論旨について。

デモの隊員が合法的な条件の下に市中の繁華街を公然示威行進する情景を新聞社写真班が記事の取材活動として撮影することは社会の諸現象の知識及びニュースを読者に正確公平に頒布すべき新聞の使命に鑑み当然社会的に許された行為といわなければならないのであり所論肖像権の理念をもつて右活動を妨害することは権利の濫用と評定しなければならない。

まして、右写真フィルムの奪取を目的として写真班員の所在する他人住家の二階に家人の制止を無視して土足のまま駈け上り室内を捜索する権利は到底これを認客することができない。原判決挙示の証拠によれば同判示事実は優にこれを認定するに足り被告人の判示所為が住居侵入罪を構成することは論を待たない。論旨は採用に値しない。

検察官の論旨について。

記録の示している本件犯行時の群集的心理状態及び被告人の行為の目的、内容及びその結果の有する実害の程度などに鑑み被告人を懲役の実刑に処しなければならない犯情のものとは認めることができない。従つて被告人に対する懲役刑に執行猶予を付した原判決の量刑をもつて所論のように寛大に失するものとはいうことができない。論旨は採用に値しない。

そこで各控訴とも理由がないので刑事訴訟法第三百九十六条第百八十一条により主文の通り判決する。

(裁判長判事吉村国作判事小山市次判事沢田哲夫)

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/24906/detail3/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。