TaiLexi AI日本の判例・法令
← ホーム
地裁判決請求棄却

東京地判 平成18年12月26日

平成17年(ワ)第12817号 損害賠償等請求事件

裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
平成18年12月26日 (2006-12-26)
事件番号
平成17年(ワ)第12817号
事件名
損害賠償等請求事件
裁判の種類・結果
判決 請求棄却
判例集等
—
分野
民事・知的財産・特許権・民事訴訟
この事件の審級
  1. 第一審東京地判平成18・12・26(請求棄却)
  2. 控訴審知財高判平成19・11・29(控訴棄却)

平成18年12月26日判決言渡

同日判決原本領収

裁判所書記官

平成17年(ワ)第12817号損害賠償等請求事件

(口頭弁論終結の日

平成18年10月25日)

判決

東京都千代田区<以下略>

原告

三菱電機株式会社

同訴訟代理人弁護士

近藤惠嗣同丸山隆

同補佐人弁理士

高橋省吾同伊達研郎

滋賀県彦根市<以下略>

被告

フジテック株式会社

同訴訟代理人弁護士

内田敏彦同阪口春男同岩井泉同西山宏昭同白木裕一

同補佐人弁理士

後藤文夫主文

原告の請求をいずれも棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第1

請求の趣旨

被告は,別紙物件目録( )に記載されたエレベータを製造し,販売し,その販売の申出をしてはならない。

被告は,別紙物件目録( )に記載されたエレベータを製造し,販売し,その販売の申出をしてはならない。

3 被告は,別紙物件目録( 3)に記載されたエレベータを製造し,販売し,その販売の申出をしてはならない。

4 被告は,原告に対し,金24億6875万円及びこれに対する平成17年7月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要

本件は,原告が,被告に対し,被告が製造し,販売するエレベータ装置が,原告の有する「エレベータ装置」についての特許発明の技術的範囲に含まれるとして,同製品の譲渡等の差止及び損害賠償を求めた事案である。被告は,原告の特許権には進歩性欠如の無効理由が存するので権利行使が許されないなどと主張して,これを争っている。

1 前提となる事実(当事者間に争いがないか,後掲各証拠によって認められる。)( 1) 当事者

原告は,エレベータ等を含む電動機械の製造販売その他を業とする株式会社である。

被告は,エレベータ等の空間移動システムの製造販売を主たる業とする株式会社である。

( 2) 原告の有する各特許権

原告は,下記の各特許(以下,ア記載の特許を「本件第1特許」,イ記載の特許を「本件第2特許」といい,両者をまとめて「本件各特許」という。)の特許権者である

ア 本件第1特許(甲1,2)(以下,その請求項1に係る発明を「本件第1発明」という。)。

特許番号第3502270号

登録日平成15年12月12日

出願番号特願平10-197317号

出願日平成10年7月13日

公開番号特開2000-26041号

公開日平成12年1月25日

発明の名称エレベータ装置

イ 本件第2特許(甲3,4)(以下,その請求項2に係る発明を「本件第2発明」といい,本件第1発明とまとめて「本件各発明」という。)。特許番号第3489578号

登録日平成15年11月7日

出願番号特願2001-543429号

出願日平成11年12月6日

国際公開番号WO01/042121号

国際公開日平成13年6月14日

発明の名称エレベーター装置

( 3) 本件各特許出願の願書に添付した明細書の特許請求の範囲の記載

ア 本件第1特許に係る明細書(以下,「本件第1明細書」という。本判決末尾添付の特許公報(甲2)参照。)の特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

「昇降路の底部に設置されている巻上機支持台,

この巻上機支持台上に設置され,回転可能な綱車を有する巻上機,かごガイドレール,

上記巻上機の駆動により,上記かごガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降するかご,

上記かごガイドレールと間隔をおいて設置されている重りガイドレール,上記重りガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降する釣合重り,上記昇降路内に設置され,上記巻上機から上記巻上機支持台に作用する上向きの力を受け,上記かごガイドレール及び上記重りガイドレールを支持するレール支持梁,

上記ガイドレールにより支持されている回転自在の返し車,及び上記巻上機の綱車及び上記返し車に巻き掛けられ,上記かごと上記釣合重りとを吊り下げる主ロープを備えていることを特徴とするエレベータ装置。」

イ 本件第2特許に係る明細書(訂正後のもの。以下「本件第2明細書」という。本判決末尾添付の特許公報及び訂正の審決(甲4,5)参照。)の特許請求の範囲の請求項2の記載は次のとおりである。

「昇降路内を昇降し,乗降口を有するとともに吊り車が設けられたかごと,前記かごと反対方向に前記昇降路内を昇降し,該昇降路の平断面において前記乗降口に対して前記かごの側方に配置され,吊り車が設けられたカウンターウェイトと,

前記かごの水平方向の移動を規制するかご用ガイドレールと,

前記カウンターウェイトの水平方向の移動を規制するカウンターウェイト用ガイドレールと,

前記かごを前記かごの吊り車を介して懸架するとともに前記カウンターウェイトを前記カウンターウェイトの吊り車を介して懸架するロープと,前記昇降路内に配置され,当該ロープが巻き掛けられた綱車及び該綱車を駆動するモータ部を有し,前記綱車を回転させることで前記ロープを介して前記かごおよび前記カウンターウェイトを昇降させる巻上機と,前記昇降路内に配置され,前記巻上機の綱車から前記かごの吊り車に至る前記ロープが巻き掛けられて該ロープの方向を転換する第1の返し車とを有するエレベーター装置において,

前記巻上機は,前記綱車の回転軸方向の外形寸法が前記回転軸に対して垂直な方向の外形寸法よりも小さく,前記昇降路の平断面において前記カウンターウェイト及び前記かごとは離れて前記カウンターウェイトが配置された前記かごの側方に位置する前記昇降路の壁面に平行にかつ前記カウンターウェイトと前記昇降路の壁面に沿って並んで配置され,前記昇降路の最下階停止時のかご床面より上方でかつ最上階停止時のかご天井より下方に位置し,

前記第1の返し車は,前記巻上機より上方に位置し,前記平断面において,前記巻上機の少なくとも一部と重なるよう配置され,前記第1の返し車の回転面は,前記昇降路の平断面において前記ロープが前記かごの吊り車へ至る側が前記巻上機の綱車から巻き掛けられる側より前記乗降口から遠ざかる方向に位置して近接する前記昇降路の壁面に対して傾斜していることを特徴とするエレベーター装置。」

( 4) 構成要件の分説

本件各発明を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,それぞれを「構成要件1A」のようにいう。)。

ア 本件第1発明

1A昇降路の底部に設置されている巻上機支持台,

1Bこの巻上機支持台上に設置され,回転可能な綱車を有する巻上機,1Cかごガイドレール,

1D上記巻上機の駆動により,上記かごガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降するかご,

1E上記かごガイドレールと間隔をおいて設置されている重りガイドレール,

1F上記重りガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降する釣合重り,

1G上記昇降路内に設置され,上記巻上機から上記巻上機支持台に作用する上向きの力を受け,上記かごガイドレール及び上記重りガイドレールを支持するレール支持梁,

1H上記ガイドレールにより支持されている回転自在の返し車,及び1I

上記巻上機の綱車及び上記返し車に巻き掛けられ,上記かごと上記釣合重りとを吊り下げる主ロープを備えていること

1J

を特徴とするエレベータ装置。

イ

本件第2発明

2A

昇降路内を昇降し,乗降口を有するとともに吊り車が設けられたかごと,

2B

前記かごと反対方向に前記昇降路内を昇降し,該昇降路の平断面において前記乗降口に対して前記かごの側方に配置され,吊り車が設けられたカウンターウェイトと,

2C

前記かごの水平方向の移動を規制するかご用ガイドレールと,

2D

前記カウンターウェイトの水平方向の移動を規制するカウンターウェイト用ガイドレールと,

2E

前記かごを前記かごの吊り車を介して懸架するとともに前記カウンターウェイトを前記カウンターウェイトの吊り車を介して懸架するロープと,

2F

前記昇降路内に配置され,当該ロープが巻き掛けられた綱車及び該綱車を駆動するモータ部を有し,前記綱車を回転させることで前記ロープを介して前記かごおよび前記カウンターウェイトを昇降させる巻上機と,

2G

前記昇降路内に配置され,前記巻上機の綱車から前記かごの吊り車に至る前記ロープが巻き掛けられて該ロープの方向を転換する第1の返し車とを有するエレベーター装置において,

2H

前記巻上機は,

α

前記綱車の回転軸方向の外形寸法が前記回転軸に対して垂直な方向の外形寸法よりも小さく,

β

前記昇降路の平断面において前記カウンターウェイト及び前記かごとは離れて前記カウンターウェイトが配置された前記かごの側方に位置する前記昇降路の壁面に平行にかつ前記カウンターウェイトと前記昇降路の壁面に沿って並んで配置され,

γ前記昇降路の最下階停止時のかご床面より上方でかつ最上階停止時のかご天井より下方に位置し,

2I前記第1の返し車は,前記巻上機より上方に位置し,前記平断面において,前記巻上機の少なくとも一部と重なるよう配置され,前記第1の返し車の回転面は,前記昇降路の平断面において前記ロープが前記かごの吊り車へ至る側が前記巻上機の綱車から巻き掛けられる側より前記乗降口から遠ざかる方向に位置して近接する前記昇降路の壁面に対して傾斜していること

2Jを特徴とするエレベーター装置。

( 5) 本件各特許に係る訂正審判請求

ア 原告は,平成18年5月22日付け審判請求書において,本件第1特許における特許請求の範囲の請求項1を訂正する旨の訂正審判請求を行った(甲13)。訂正後の請求項1の記載(以下,この請求項1記載の発明を「本件訂正第1発明」という。)は次のとおりである(下線部が,訂正が求められている部分である。)。なお,上記訂正について,平成18年7月12日付け訂正拒絶理由通知(甲14)がされ,原告は,これに対し,同年8月8日付け意見書(甲15)を提出した。

「昇降路の底部に設置されている巻上機支持台,

この巻上機支持台上に設置され,回転可能な綱車を有する巻上機,かごガイドレール,

上記巻上機の駆動により,上記かごガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降するかご,

上記かごに設けられている回転自在のかご吊り車,

上記かごガイドレールと間隔をおいて設置されている重りガイドレール,上記重りガイドレールに案内されて上記昇降路内を昇降する釣合重り,上記釣合重りに設けられている回転自在の重り吊り車,

上記昇降路内に設置され,上記巻上機から上記巻上機支持台に作用する上向きの力を受け,上記かごガイドレール及び上記重りガイドレールを支持するレール支持梁,

上記ガイドレールにより支持されている回転自在の返し車,

上記巻上機の綱車及び上記返し車に巻き掛けられ,上記かご吊り車を介して上記かごを吊り下げるとともに上記重り吊り車を介して上記釣合重りを吊り下げる主ロープ,及び

上記ガイドレールにより支持され,それぞれが上記主ロープの端部に固定されている一対の綱止め部材を備え,

上記返し車は,上記巻上機の綱車から上記かご吊り車に至る上記主ロープが巻き掛けられている回転自在のかご側返し車と,上記巻上機の綱車から上記重り吊り車に至る上記主ロープが巻き掛けられている回転自在の重り側返し車からなり,

上記レール支持梁は,上記かごの重量及び釣合重りの重量が上記かご側返し車,上記重り側返し車,及び上記一対の綱止め部材を介して上記かごガイドレール及び上記重りガイドレールに作用することによる下向きの力により上記上向きの力を相殺させることを特徴とするエレベータ装置。」

イ 原告は,平成18年4月26日付け審判請求書において,本件第2特許における特許請求の範囲の請求項2を訂正する旨の訂正審判請求を行った(甲10)。訂正後の請求項2(以下,この請求項2記載の発明を「本件訂正第2発明」という。)は次のとおりである(下線部が,訂正が求められている部分である。)。同請求については,同年10月5日,請求が成り立たない旨の審決がされたものの,同審決について,取消訴訟が提起される予定である(乙42の1,弁論の全趣旨)。

「昇降路内を昇降し,乗降口を有するとともに吊り車が設けられたかごと,前記かごと反対方向に前記昇降路内を昇降し,該昇降路の平断面において前記乗降口に対して前記かごの側方に配置され,吊り車が設けられたカウンターウェイトと,前記かごの水平方向の移動を規制するかご用ガイドレールと,前記カウンターウェイトの水平方向の移動を規制するカウンターウェイト用ガイドレールと,前記かごを前記かごの吊り車を介して懸架するとともに前記カウンターウェイトを前記カウンターウェイトの吊り車を介して懸架するロープと,

(長文のため、ここでは本文の冒頭のみを掲載しています。全文はこのページの表示後に読み込まれます。原本は原本PDFをご覧ください。)

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/33993/detail7/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。