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最高裁第二小法廷決定棄却刑集55巻1号1頁

最二小決 平成13年2月7日

平成10年(あ)第677号 業務上過失致死被告事件

判示事項

トンネル型水路内に周辺の河川からあふれ出た水が流れ込むのを防止する目的で設置された構造物の管理担当者に同水路内にいた請負人の作業員らを退避させる措置を採るべき注意義務があるとされた事例

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裁判所
最高裁判所第二小法廷
裁判年月日
平成13年2月7日 (2001-02-07)
事件番号
平成10年(あ)第677号
事件名
業務上過失致死被告事件
裁判の種類・結果
決定 棄却
判例集等
刑集55巻1号1頁
分野
刑事
この事件の審級
  1. 控訴審東京高判平成10・4・27(破棄自判)
  2. 上告審最二小決平成13・2・7(棄却)
意見
裁判官全員一致個別意見なし

判示事項

トンネル型水路内に周辺の河川からあふれ出た水が流れ込むのを防止する目的で設置された構造物の管理担当者に同水路内にいた請負人の作業員らを退避させる措置を採るべき注意義務があるとされた事例

裁判要旨

県が発注したトンネル型水路部分を含む水路建設工事につき,トンネル内に周辺の河川からあふれ出た水が流れ込むのを防止する目的で構造物が設置され,当該構造物が周辺の河川からあふれ出た水の水圧で決壊することを予見することができたなど判示の事実関係の下においては,当該構造物の管理を担当する県職員は,決壊による危険を回避するため,トンネル内で建設工事に従事するなどしていた請負人の作業員らを直ちに退避させる措置を採るべき注意義務がある。

参照法条

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人石井春水,同新井旦幸,同河本仁之の上告趣意のうち,判例違反をいう点は,事案を異にする判例を引用するものであって,本件に適切でなく,その余は,事実誤認,単なる法令違反の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。

【要旨】なお,原判決の認定によると,本件の事実関係は次のとおりである。すなわち,被告人は,千葉県土木部a川改修事務所b建設課長として,千葉県が発注したトンネル型水路部分を含む国分川分水路建設工事の監督に当たるとともに,千葉県が上記トンネル内に国分川や周辺の河川からあふれ出た水が流れ込むのを防止する目的で設置した構造物(以下「仮締切」という。)の管理を担当し,本件事故発生の20分以上前の時点で,仮締切が国分川や周辺の河川からあふれ出た水の水圧で決壊する可能性を認識することができた。また,仮締切は,千葉県が,トンネル内の工事を請け負った者にゆだねることなく,自ら占有して管理していた。以上の事実関係の下では,被告人は,仮締切の管理に関して,当時トンネル内で建設工事等に従事していた者の危険を回避すべき義務を負っていたと解される上,本件に際して仮締切の決壊を予見することができたというのであるから,被告人には,仮締切の決壊による危険を回避するため,トンネル内で作業に従事するなどしていた請負人の作業員らを直ちに退避させる措置を採るべき注意義務があるとした原判断は,正当としてこれを是認することができる。

よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 北川弘治裁判官 河合伸一裁判官 福田博裁判官 亀山継夫裁判官 梶谷玄)

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/50006/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。