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最高裁大法廷判決民集18巻6号1005頁

最大判 昭和39年7月1日

昭和36年(オ)第637号 家屋明渡等請求

裁判所
最高裁判所大法廷
裁判年月日
昭和39年7月1日 (1964-07-01)
事件番号
昭和36年(オ)第637号
事件名
家屋明渡等請求
裁判の種類・結果
判決 その他
判例集等
民集18巻6号1005頁
集民74号389頁
原審
東京高等裁判所  昭和36年3月29日
分野
民事
意見
裁判官全員一致個別意見なし

判示事項

民訴法第六四五条第二項の合憲性。

裁判要旨

民訴法第六四五条第二項の規定は憲法第二九条に違反しない。

参照法条

主文

本上告論旨は理由がない。

理由

論旨は、要するに、民訴六四五条二項は、競売手続開始決定をした不動産についてさらに強制競売の申立があった場合において、さきに開始した競売手続が取り消されたときは、後の申立について登記がなくとも、その申立を記録に添付した時に競売手続開始決定をした効力、したがって差押の効力が生ずることを定めていると解されるならば、一度競売に付せられた不動産を取得しようとする第三者は登記簿を閲覧するだけでは足らず、不測の損害をこうむることになるから、民訴六四五条二項の規定は憲法二九条一項に違反するというのである。

しかし、民訴六四五条二項が、既に競売手続開始決定のなされた不動産につきさらに他の債権者から強制競売の申立があった場合に、後の申立を記録に添付しさえすれば、既に開始した競売手続が取り消されても、後の申立は競売手続開始の決定をうけた効力を有することになる旨規定している所以は、これによって金銭債権実行のため競売手続の円滑かつ迅速な進行を図るためであり、そして司法手続によって私権実行の目的を達成せしめることは、いうまでもなく法的秩序の維持という公共の福祉に適合するものといわねばならない。したがって、右規定によって差押債権者に対する関係において、差押不動産の所有者たる債務者の財産処分権が制約され、第三取得者がその所有権の取得をもって該競売手続による競落人に対抗できなくなっても、憲法二九条に違反するとはいえない。あるいは、後の競売申立による差押の効力をも登記簿上公示する方法を講じることは、公示の方法という観点だけからいえば、一層適切であるといえるであろうが、さきの競売開始決定の登記が存続している以上(昭和八年(オ)第一七四五号同年一〇月六日大審院判決、民集一二巻二四七三頁参照)、記録添付の方法でも、公示の目的を達せられないわけではなく、いずれの方法を採るかは立法政策の問題である。それ故、所論は理由がない。よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

最高裁判所大法廷

裁判長裁判官 横田喜三郎

裁判官 入江俊郎

裁判官 奥野健一

裁判官 石坂修一

裁判官 山田作之助

裁判官 五鬼上堅磐

裁判官 横田正俊

裁判官 斎藤朔郎

裁判官 長部謹吾

裁判官 城戸芳彦

裁判官 石田和外

裁判官 柏原語六

裁判官 田中二郎

裁判官 松田二郎

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/53772/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1674033)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。