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最高裁第三小法廷判決棄却民集14巻4号491頁

最三小判 昭和35年3月22日

昭和31年(オ)第508号 土地明渡請求

裁判所
最高裁判所第三小法廷
裁判年月日
昭和35年3月22日 (1960-03-22)
事件番号
昭和31年(オ)第508号
事件名
土地明渡請求
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
民集14巻4号491頁
集民40号539頁
原審
高松高等裁判所  昭和31年3月10日
分野
民事

判示事項

借地法第二条第一項にいわゆる建物の朽廃にあたるとされた事例

裁判要旨

数年来使用されないで取り毀された倉庫用建物が、当時すでに六〇余年を経過し、屋根瓦が落ち雨漏の個所が多く、周囲の壁は崩壊して大穴があき、柱、板類、土台等は腐蝕して再使用にたえるものはほとんどなく、修理するとしても新築に近い大改造を要し、経済的には新築する方が有利である程で、取毀し後の材料の大部分は風呂屋の燃料として安く売りさばかれた等の情況にあつたときは、右建物は借地法第二条第一項にいわゆる朽廃の域に達していたものと解するのが相当である。

参照法条

借地法2条

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人菊池哲春の上告理由第一点について。

原判決は、挙示の証拠によつて、本件建物の取毀直前の状態を判示して、本件建物に対する全体的観察によると、建物としてはもはやその効用を失つたものと判断しているのであつて、所論のように単に経済的理由によつてのみ本件建物の朽廃という事実を断定したものでないことは原判文上明らかである。そして、原判決挙示の証拠によると右認定は首肯することができ、その認定にかゝる事実関係の下においては、本件建物が借地法二条一項但書にいわゆる朽発の域に達したものとした原判決の判断は相当であり、原判決には所論の違法はない。論旨は採用できない。同第二点について。

原判決は、挙示の証拠によつて、所論従前と同一内容の賃貸借契約が成立したことを認定できないと判示しており、右認定は首肯できるから、所論は原判決において適法になした事実の確定を非難するに帰し採用できない。また権利濫用の主張も理由がない。

同第三点について。

所論原審の判示は、請負人たる訴外Dが本件土地を占有(直接占有)しているとしても、そのことから、上告人の占有、すなわち、間接占有がなくなるものではない旨説示したものと解すべきであり、所論原判示は相当であるから、所論は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 高橋潔

裁判官 島保

裁判官 河村又介

裁判官 垂水克己

裁判官 石坂修一

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/54833/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1674028)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。