主文
本件各上告を棄却する。
理由
被告人A、B両名の弁護人小田切秀の上告趣意並びに被告人Cの弁護人井川伊平の上告趣意第一点及び第二点について。
原判決が証拠に引用した第一審公判調書中の相被告人Dの供述によれば、被告人等四名はE方から衣類を盗もうと相談した上更に被告人Cは「その家には男は誰も居らないから若し妻君が目でも醒ましたらジタバタするなとか黙つて居れとか言え、そうすれば相手は女だから大丈夫だ」と発言し、他の被告人等三名がこれに同意したことを認めることができるのであつて、右の相談は妻女が目を醒ました場合に同人を脅迫して財物を強取しようとする強盗罪を共謀したものであることは言うまでもない。また、原審の認定したように被告人Bが板戸越しにFに対し「旅の者だ、俺は札幌の者だ、人殺しを知つて居るだらう」「騒げば身が危いぞ」と申向けたことが強盗罪の脅迫に当ることも論のないところである。そして、強盗の共謀があつたことが認められる以上、実際に脅迫に使用した文言が共謀のときに打合せた脅迫の文言と多少異なつたからとて強盗罪の成立を妨げるものではない。
論旨は、いずれも原審の事実誤認を主張するに帰着するのであつて、かゝる主張は上告の適法な理由とはならないから、採用することができない。
弁護人井川伊平の上告趣意第三点について。
論旨は、被告人Cの未成年者であることその他犯罪の情状に関する事実を述べて原審が被告人を懲役三年の刑に処したことを重きに失するものと非難するのであるが、かゝる事由は上告の適法な理由ではないから採用することができない。よつて、刑事訴訟法施行法第二条旧刑事訴訟法第四四六条に従い主文のとおり判決する。
以上は、裁判官全員の一致した意見である。
検察官柳川真文関与
昭和二四年三月二二日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 長谷川太一郎
裁判官 井上登
裁判官 島保
裁判官 河村又介
裁判官 穂積重遠
出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/56501/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
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