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最高裁第三小法廷判決棄却民集20巻5号1084頁収録判例内の被引用 1

最三小判 昭和41年6月21日

昭和40年(オ)第293号 約束手形金請求

裁判所
最高裁判所第三小法廷
裁判年月日
昭和41年6月21日 (1966-06-21)
事件番号
昭和40年(オ)第293号
事件名
約束手形金請求
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
民集20巻5号1084頁
集民83号867頁
原審
東京高等裁判所 昭和36年(ネ)第157号 昭和39年11月26日
分野
民事

判示事項

手形法第一六条第一項による推定を覆すために主張すべき事項

裁判要旨

手形法第一六条第一項による推定を覆すためには、手形取得者に同条第二項但書所定の事実が存在することの主張を要する。

参照法条

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人中野富次男、同木川恵章の上告理由第一について。

原判決は、被上告人が受取人D、第一裏書人D、被裏書人被上告人(第一審原告)と記載のある本件約束形を所持している事実を確定しているのであるから、手形法七七条一項、同一六条一項により被上告人が本件手形の適法の所持人と推定されるのであるが、同条項による推定を覆すためには、上告人において、本件手形が有効な振出および裏書により被上告人の所持に帰したものでない所以を主張立証するだけでは足りず、さらに手形法一六条二項本文による手形上の権利の取得もないこと、すなわち、同条項但書により、手形取得者に右の点に関する悪意または重大な過失があつたことをも併せて主張立証しなければならないものと解する。しかるに、上告人は、前記後段についての主張を記載した昭和三六年六月一七日附準備書面を原審口頭弁論期日において陳述していないし、その他右の点について何らの主張もなしていないことは記録上明らかであるから、この点についての判断を加えることなく被上告人を本件手形の適法の所持人とした原判決に所論の違法がない。論旨は採用できない。

同第二について。

原判決の確定するところによれば、被上告人は、昭和三三年一月一一日上告人に対し金二〇〇万円を貸し付け、本件手形は、右貸付金の支払方法として振り出されたものであるところ、これよりさき、昭和三二年一二月二八日被上告人は上告人に対して有する従前の貸付金およびその利息を合算し、これを目的として貸付額九〇万円とする準消費貸借契約を締結し、右貸付金につき上告人所有の本件家屋をもつてする代物弁済契約を締結したところ、昭和三三年八月一三日被上告人は右代物弁済完結の意思表示をなして右債務を消滅せしめたというのである。代物弁済契約は、代物弁済として給付される物件の価額の如何にかかわらずそれにより債務を消滅せしめるものであるから、たとえ物件の時価が債務額を超過していても、その超過額を右当事者間に存する他の債務の弁済に充当しうべきかぎりでないことはいうまでもない。そして、上告人は、本件手形の原因債権である前記債権の成立以後、上告人被上告人間に右以外の債務が存在し、これに対し超過支払がなされたことを主張するものではないから、所論は結局採用することができないものといわなければならない。論旨は理由がない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 五鬼上堅磐

裁判官 横田正俊

裁判官 柏原語六

裁判官 田中二郎

裁判官 下村三郎

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/57771/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1674035)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。