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最高裁第三小法廷決定原決定取消集刑148号65頁

最三小決 昭和38年9月10日

昭和38年(す)第203号 道路交通法違反、業務上過失傷害被告事件につきなした上告棄却の決定に対する異議の申立

裁判所
最高裁判所第三小法廷
裁判年月日
昭和38年9月10日 (1963-09-10)
事件番号
昭和38年(す)第203号
事件名
道路交通法違反、業務上過失傷害被告事件につきなした上告棄却の決定に対する異議の申立
裁判の種類・結果
決定 原決定取消
判例集等
集刑148号65頁
原審
最高裁判所  昭和38年6月4日
分野
刑事
意見
裁判官全員一致個別意見なし

判示事項

記録上の住居にあててなされた上告趣意書最終提出日の通知が無効とされ、意義申立が容れられた事例。

裁判要旨

当裁判所は被告人の上告申立にかかる昭和三八年(あ)第八三九号道路交通法違反等被告事件について、上告趣意書最終提出日を指定し、その通知書を、郵便により、記録上被告人の住居と認められる京都市a区b町(新町名c町)d番地あてに送達したとおろ、送達報告書によると、被告人の雇人である甲が前記場所において右通知書を受領したことによりその送達を終つたことが窺われる。ところが、当裁判所の照会の結果、a郵便局の回答書により、右送達の当時被告人は既に他に転居していて前記場所に住居を有せずその受領者である甲は被告人の雇人、事務員、同居者のいずれでもなかつたこと及び右通知書が甲から被告人に交付されたかどうかも疑わしいことが明らかになつた。しがつて、被告人に対する右通知書の送達は有効になされていなかつたものといわざるをえない。当裁判所は、被告人が上告趣意書を指定の期間内に提出しなかつたことを理由として上告を棄却したのであるが、右のように被告人に対する上告趣意書最終提出日の通知が有効になされていなかつた以上、その瑕疵は原決定に影響すること明らかであり、原決定を取消すべきものと認める。

参照法条

主文

原決定を取消す。

当裁判所がした昭和三八年五月二三日の上告趣意書最終提出日の指定を同年一〇月一七日に変更する。

理由

当裁判所は被告人の上告申立にかかる表記事件について、昭和三八年四月九日上告趣意書最終提出日を昭和三八年五月二三日と指定し、その通知書を、郵便により、記録上被告人の住居と認められる京都市a区b町d番地あてに送達したところ、送達報告書によると、被告人の雇人であるAが京都市a区c町において右通知書を受領したことによりその送達を終つたことが窺われる。ところが、当裁判所の照会の結果、左京郵便局長の回答書により、右送達の当時被告人は既に他に転居していて右京都市a区c町(旧町名、b町)には住居を有せずその受領者であるAは被告人の雇人、事務員、同居者のいずれでもなかつたこと及び右通知書が右Aから被告人に交付されたかどうかも疑わしいことが明らかになつた。したがつて、被告人に対する右通知書の送達は有効になされていなかつたものといわざるをえない。当裁判所は、被告人が上告趣意書を指定の期間内に提出しなかつたことを理由として、昭和三八年六月四日上告を棄却したのであるが、右のように被告人に対する上告趣意書最終提出日の通知が有効になされていなかつた以上、その瑕疵は原決定に影響すること明らかであり、刑訴四一四条、三八六条二項、三八五条二項、四二八条二項、四二二条、四二六条二項により原決定を取消すべきものと認める。そして、同四一四条、三七六条、刑訴規則二六六条、二三六条により新たに上告趣意書の最終提出日を定めることとする。

この決定は、裁判官全員一致の意見である。

昭和三八年九月一〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石坂修一

裁判官 河村又介

裁判官 垂水克己

裁判官 五鬼上堅磐

裁判官 横田正俊

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/58828/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1363879)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。