主文
本件上告を棄却する。
当審における未決勾留日数中六〇日を本刑に算入する。
理由
被告人の上告趣意のうち、憲法三八条違反をいう点は、記録によれば所論主張の供述調書の任意性に疑いがあるとは認められないから、所論は前提を欠き、憲法三三条、三六条、三四条、三五条違反をいう点は、原判決そのものに対する適法な非難とは認められず、憲法三七条、一一条、一二条、一三条、一四条、七六条、九七条、九八条、九九条違反をいう点は、その実質はすべて単なる法令違反、事実誤認の主張であり、判例違反をいう点は、その実質は事実誤認の主張であり、その余は、再審事由、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない(なお、記録によれば、被告人が、未必の殺意をもつて、所携の出刃庖丁でA巡査の胸部を突き刺したものと認められるとした原判決の判断は正当である。)。
弁護人宇田川忠彦の上告趣意のうち、判例違反をいう点は、所論引用の判例はいずれも事案を異にし本件に適切でなく、その余は、事実誤認、単なる法令違反、量刑不当の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。また、記録を調べても、同法四一一条を適用すべきものとは認められない。よつて、同法四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書、刑法二一条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
昭和四六年一〇月二六日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 田中二郎
裁判官 下村三郎
裁判官 関根小郷
裁判官 天野武一
出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/59629/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。