主文
原判決を破棄する。
被告人を懲役二月及び罰金一〇〇〇〇円に処する。
但し本裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。
右罰金を完納することができないときは金二〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場を留置する。
本件公訴事実中玄粟五俵の運搬及び各玄粟の売渡に関する食糧管理法各違反の点について被告人を免訴する。
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
弁護人藤本信喜の上告趣意は末尾に添えた書面記載のとおりであつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
しかし職権で調査すると本件公訴事実中、玄粟五俵の運搬及び各玄粟の売渡に関する食糧管理法各違反の点については、昭和二七年政令第一一七号大赦令によつて大赦があつたので、刑訴四一一条五号四一三条但書により原判決を破棄し当裁判所において更に自ら判決することとし、右公訴事実については同三三七条三号により被告人に対し免訴の言渡をなすべきものとする。
なお第一審判決の確定したその余の事実に法律を適用すると、被告人が主食を運搬した点は各食糧管理法九条三一条同法施行令一一条、同法施行規則二九条に、主食を売渡した点は各同法九条三一条同法施行令八条同法施行規則二三条に該当するところ、情状により同法三四条を適用しそれぞれ所定の懲役及び罰金(罰金等臨時措置法四条一項刑法六条一〇条により行為時法の金額による)を併科することとし、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、懲役刑については同法四七条一〇条により犯情重いものと認める玄小麦一俵をAに売渡した罪の刑に法定の加重をなし、罰金刑については同法四八条二項により各罰金を合算し、その刑期及び罰金額の各範囲内で被告人を懲役二月及び罰金一〇〇〇〇円に処するが、懲役刑については諸般の情状に鑑みその執行を猶予するのを相当と認め同法二五条により本裁判確定の日から三年間その執行を猶予し、右罰金を完納することができないときは同法一八条に従い金二〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置すべきものとし、なお訴訟費用の負担につき刑訴一八一条一項一八五条に則り被告人をして全部これを負担せしむべきものとする。
よつて裁判官全員一致の意見によつて主文のとおり判決する。
検察官安平政吉出席
昭和二七年一〇月二一日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井上登
裁判官 島保
裁判官 河村又介
裁判官 小林俊三
裁判官 本村善太郎
出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/64483/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1349049)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。