主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人高井貫之、伊藤典男の上告理由第一点について
原審が認定した事実は、被上告人は昭和二八年一〇月二三日上告会社の代理人である同会社F支店次長訴外Dに対し一三〇万円を貸与し、右貸金の支払を担保するため同会社E支店長の振出にかゝる金額一四〇万円の約束手形一通(乙第一号証)の交付を受けたものであり、貸金額と約束手形金額との差額一〇万円は利息および貸借の仲介者に対する謝礼の趣旨であるというのであり、原判決挙示の証拠によれば右事実認定は十分是認できる。所論は前示差額一〇万円はいわゆる手形割引料であると原審の認定に副わない事実を主張し、これを前提として、原審が適法にした証拠の取捨判断ないし事実認定を非難するものであり、採用できない。同第二点について
原審は第一審判決の理由説示を引用し、被上告人が上告人に前示一四〇万円の約束手形を返還したのは、前示Dが昭和二九年一〇月頃Eに対し、F支店長も就任するということになつたから被上告人に差し入れた右約束手形を返還されたいと請求し、その代りにF支店長振出の金額八五万円の約束手形を持参する旨申し、権限がないのに甲第一号証の二の約束手形を作成し、同手形と引き換えに、その情を知らないEを通じて被上告人から前示一四〇万円の約束手形の返還を受けたものであるから、右返還の事実から本件貸金が完済されたことを推認できないとしたものである。右判示には所論のごとき理由不備または理由そごの違法は認められない。所論は採用できない。
同第三点について
所論前段は原審が適法にした証拠の取捨判断ないし事実認定を非難するものであり、所論後段は原審において主張しなかつた事実に基づいて原判決を非難するものであり、いずれも採用できない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 池田克
裁判官 河村大助
裁判官 奥野健一
裁判官 山田作之助
出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/65720/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1674049)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。