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最高裁第三小法廷判決棄却集民36号323頁

最三小判 昭和34年5月26日

昭和32年(オ)第312号 店舗明渡請求

裁判所
最高裁判所第三小法廷
裁判年月日
昭和34年5月26日 (1959-05-26)
事件番号
昭和32年(オ)第312号
事件名
店舗明渡請求
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
集民36号323頁
原審
名古屋高等裁判所  昭和32年1月29日
分野
民事

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人島田新平の上告理由第一点について。

原審は、その挙示する証拠に基き、上告会社は訴外Dに対する本件店舖明渡の強制執行にあたり右店舖は上告会社においてこれを占有しているものであると主張して執行を拒んだ事実並びに訴外Dは本件店舖に起居するわけでなく、右店舖はもつぱら上告会社の直売所として使用されているものであつて、上告会社がD個人の賃借権の反射的利益を享受しているにすぎないと認め得るような特別の事情の存しない事実を確定した上、これら事実により、上告人が本件第一審において本件店舖を訴外Dから転借して現に自ら占有使用中なる旨自認したのは真実に合すると判断したものであることは、原判文上明らかである。

それ故、右転借について賃貸人たる訴外亡E(第一審原告)の承諾を得たことその他上告人の本件店舖占有を適法ならしめる事実が証されないかぎり、上告人は不法占有の責任を免れないものであつて、この点に関する原審の判断に何ら違法の点はない。

所論は、原判示に副わない事実に立却し或は独自の見解に基き原審の正当な判断を攻撃するものであつて(論旨中憲法違反をいう点もあるが、その実質は単なる法令違反の主張にすぎない。)、採用し得ない。

同第二点について。

原判決は、上告人の所論主張をその事実摘示欄に控訴代理人の主張の(一)として摘記しているのみならず、右主張に対して「Eが同転貸借を承諾した事実を認むべき証拠がなく、(一)の事情があつたとしてもこれをもつてEにおいてDが控訴会社に本件店舖を転貸したことを黙認した資料となすに足りない」と判断を与えているのであつて、なお「右の外、控訴会社がE並びに被控訴人に対抗し得べき権原に基いて占有する事実について主張立証がない」と判示しているにすぎない。所論は、原審の右判示を正解しないものであつて全く理由がない。

同第三点、第四点、第五点について。

原審は、上告人は本件店舖を訴外Dから転借し現に自ら占有使用中なるところ、右転借が賃貸人の承諾を経たことその他右占有の正権原あることを認め得ないから、上告人は右店舖所有者たる被上告人らに対し不法占有の責を負わなければならない旨判断しているのであつて、訴外Dの賃借権が所論調停の結果今日において既に消滅しているから上告人の占有が不法占有となると判断したものではない。しかるに、所論はすべて、原審が右調停に関する上告人の主張を誤解して事実を摘示、確定し、或は右調停条項の解釈を誤つた違法があると主張するにすぎないから、原判決の結果に影響を及ぼすこと明らかな違法を主張するものと認められない。されば、論旨は採用し得ない。

同第六点について。

所論の抗弁につき、たとえ所論の如き事情であつても、被上告人が不法占有者たる上告人に対し所有権に基き明渡を求めるのは何ら信義則に反しないとした原審の判断は正当であつて、論旨は理由がない(論旨引用の判例はいずれも解除権の行使に関するものであつて、解除による賃貸借の終了を認めたものでない本件については適切でない。)

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 高橋潔

裁判官 島保

裁判官 河村又介

裁判官 垂水克己

裁判官 石坂修一

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/69784/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1674057)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。