主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理由
上告代理人河野完の上告理由第一乃至第三点について。
論旨は、要するに、詐害行為の取消権が認められるためには、債務者が、詐害行為の当時のみならず、口頭弁論終結時においても、無資力であることを要すると解すべきところ、債務者たるDは本件詐害行為後において資力を恢回しているのであるが、原判決がDの本件詐害行為当時の資力を問題として、原審口頭弁論終結時における資力の有無を考慮せず、これにつき何ら審理判断していないのは、違法であるというが、しかし、債務者が詐害行為の当時無資力であつたときは、一応取消権行使の時(口頭弁論終結時)においても無資力状態が継続しているものと推定され、取消権行使の当時無資力状態にないことは、取消権を否定する相手方において主張かつ立証する義務を負うと解すべきところ、上告人らは、原審において、Dが口頭弁論終結当時無資力状態になかつたとの事実につき何ら主張していないのであるから、原審が特にこれにつき審理判断しなかつたからといつて、違法とはいえない(引用の大審院判決は本件に適切でない)。論旨は理由がない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 藤田八郎
裁判官 池田克
裁判官 奥野健一
裁判官河村大助は病気につき署名押印することができない。
裁判長裁判官 藤田八郎
出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/69887/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
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