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最高裁第一小法廷判決棄却集民94号463頁

最一小判 昭和44年2月27日

昭和43年(オ)第980号 建物収去土地明渡請求

裁判所
最高裁判所第一小法廷
裁判年月日
昭和44年2月27日 (1969-02-27)
事件番号
昭和43年(オ)第980号
事件名
建物収去土地明渡請求
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
集民94号463頁
原審
東京高等裁判所 昭和36年(ネ)第2385号 昭和43年5月31日
分野
民事

判示事項

建物保護ニ関スル法律一条の建物の登記の主張立証責任

裁判要旨

建物保護ニ関スル法律一条の建物の登記の主張立証責任は、建物の敷地についての地上権または賃借権を第三者に対抗しようとする当該敷地の地上権者または賃借人にある。

参照法条

建物保護ニ関スル法律1条

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告人ら(上告人Aを除くその余の上告人ら)代理人寺本勤の上告理由一ないし三について。

被上告人が原判決別紙目録記載(一)の土地(以下本件土地と称する。)の所有権を取得する以前に、訴外Dが本件土地をその所有者から賃借し、右上告人らは、Dから本件土地上にある同人所有の原判決別紙目録記載(四)の建物を賃借したものであるがゆえに、その占有を被上告人に対抗しうる旨の同上告人らの抗弁に対し、原審は、その主張が事実であり、また、Dと本件土地所有者との間の本件土地賃貸借契約解除に関する被上告人の主張が理由がないものであるとしても、被上告人が本件土地につき所有権取得登記を経由する以前に、Dないしその相続人において右(四)の建物の登記を有しなかつたことは同上告人らの自認するところであり、他にDにおいて本件土地の賃借権を被上告人に対抗しうべきことが認められないので、特段の事情の認められない本件においては、同上告人らは本件土地の占有権原を被上告人に主張しえないとして右抗弁を排斥しているのであつて、原審が所論のように増改築禁止の特約違反という理由で本件土地賃貸借契約が解除されているという前提のもとに同上告人らを敗訴させたものでないことは、原判示に徴して明らかである。そうである以上、所論通謀の主張事実に対する判断の要をみないことは明らかであつて、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。同四について。

原審のした認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、所論原審の処置になんらの違法もなく、論旨は採ることができない。上告人A代理人伊賀満の上告理由について。

右上告人がその余の上告人らの前記抗弁と同趣旨の抗弁をし、これに対し原審が前記同旨の判断(ただし、右上告人は、原判決別紙目録記載(二)の建物の登記があつた事実については、なんら主張立証するところがないとする。)をしていることは、原判示に徴して明らかであるところ、建物保護ニ関スル法律一条にいう建物の登記がある旨の主張立証責任は、該建物の敷地についての地上権または賃借権を第三者に対抗しようとする該敷地の地上権者または賃借人にあるものと解すべきであるから、本件において、右(二)の建物について登記がある旨の主張立証をしなかつた右上告人の右抗弁をそのゆえに排斥した原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はなく、原判決が所論引用の判例に反するものでもない。それゆえ、論旨

は採用するに足りない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 大隅健一郎

裁判官 入江俊郎

裁判官 長部謹吾

裁判官 松田二郎

裁判官 岩田誠

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/70366/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。