主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人佐久間渡の上告趣意第一点について。
所論は、単なる法令違反の主張と解されるから、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして、原判決の確定したところによれば、被告人は転活需要者に対し払下代金額三万円を超えない限度において払下販売する権限しかなかつたのであるから、判示保管にかゝる輜重車三百台を転活需要者以外の者であるAに売却した以上たといその払下代金額が九千円に過ぎなかつたとしても業務上横領罪を構成すること論を待たない。それ故原判決には所論の違法も認められない。
同第二点について。
所論は単なる訴訟法違反の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。そして論旨に摘示する公判調書中の「各聴取書」とあるのは本件記録に編綴されている聴取書の全部を指すものと理解すべきことはいうまでもないところであり、所論の聴取書が本件記録に編綴されていることは明らかな事実であるから、原審では所論聴取書については適法な証拠調をしたこと明らかであり、従つて原判決には所論の違法はない。されば本件には刑訴四一一条を適用すべきものとも認められない。よつて刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条に従い主文のとおり判決する。この判決は裁判官全員の一致した意見である。
昭和二七年二月二一日
最高判裁所第一小法廷
裁判長裁判官 沢田竹治郎
裁判官 真野毅
裁判官 斎藤悠輔
裁判官 岩松三郎
出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/71981/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
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