主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理由
上告代理人菊地政、同増沢照久の上告理由第一点について。
しかし、原判決は、本件手形の取得は、支払停止及び破産申立の後である昭和三一年一月頃に、支払停止の事実を知つてなされたものであることを認定した上、「本件においては、控訴人Dの右手形の取得が、破産法一〇四条三号但書所定の場合に該当するものと認めるに足る資料はない」と判示していることが明らかである。これは結局、本件手形取得が、本件破産宣告の時より一年前に生じた原因に基く等の所論事実を認めることができない旨を判断したものであつて、右認定、判断は、挙示の証拠関係に徴し首肯できなくはない。
それゆえ、原判決には所論の違法があるとはいいがたく、論旨は理由がない。同第二点について。
当事者が死亡した場合は、原則として相続人が当然その地位を承継するのであるし、訴訟代理人の存するときは、当事者の死亡によつて訴訟手続は中断しないのであるから、死亡した当事者を表示した判決は、実質的には承継人に対する判決と解するのが相当である。ただ何人が承継人であるかの確定を後日(たとえば、執行文付与の際)に譲つたものに外ならない。
かりに、すでに死亡した当事者を、そのまま判決に表示したことに、所論の違法があるとしても、上告人らの関係においては、原判決破棄の理由にはならない。それゆえ、いずれにしても論旨は採用できない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 高木常七
裁判官 斎藤悠輔
裁判官 入江俊郎
裁判官 下飯坂潤夫
出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/74367/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
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