主文
本件上告を棄却する。
理由
被告人弁護人土屋四郎吉の上告趣意書は、原判決ハ理由ニ於テ「法律ニ照スト被告人等ノ判示所為中窃盗ノ点ハ刑法第二百三十五条第十条ニ強盗ノ点ハ同法第二百三十六条第一項第六十条ニ各該当スルトコロ右窃盗ト強盗トハ犯意継続ニ係ルカラ同法第五十五条第十条ニ従ツテ重イ強盗ノ一罪トシ其ノ所定刑期範囲内デ被告人両名ヲ各懲役七年ニ処スルコトヽシ」ト判示セラレタリ、従来大審院ハ窃盗罪ト強盗罪トノ連続犯ヲ認メラレタリ、然レドモ窃盗罪ト強盗罪トハ罪質ヲ同ジクスルモノト云フコトヲ得ザルノミナラズ窃取ト強取トハ其類型ヲ異ニスルモノナルヲ以テ之ヲ無視シ連続犯トシテ処罰シタル原審判決ハ違法ナリ。新憲法下ニ於ケル最高裁判所ニ於テ斯ル誤レル従来ノ解釈ヲ是正シ改メテ正確適法ナル御判決ヲ望ム次第ナリ。と云うのであるが窃盗罪と強盗罪とは、ともに財物奪取行為より成り、唯後者にあつてはその手段として暴行又は脅迫を施用すると云う点において前者と異なるものがあるに過ぎないので、両者はいずれも同一罪質と云うを妨げないのみならず、ともに同一の章たる第三十六章の下に規定されている刑法犯であるから、これを刑法第五十五条にいわゆる同一の罪名とするにつき、毫も異とする所はない。原判決が所論の如く右法条を適用して被告人の判示所為に対して連続犯の成立ありとしたとて何等違法とする筋合はない。従つて論旨は理由がない。
右の理由により、刑事訴訟法第四百四十六条に則つて主文の如く判決する。この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。
検察官長部謹吾関与
昭和二十二年十一月五日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 塚崎直義
裁判官 霜山精一
裁判官 栗山茂
裁判官 小谷勝重
裁判官 藤田八郎
出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/74635/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
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