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最高裁第一小法廷判決棄却集民20号653頁

最一小判 昭和30年12月1日

昭和29年(オ)第930号 建物収去土地明渡及び損害賠償請求

裁判所
最高裁判所第一小法廷
裁判年月日
昭和30年12月1日 (1955-12-01)
事件番号
昭和29年(オ)第930号
事件名
建物収去土地明渡及び損害賠償請求
裁判の種類・結果
判決 棄却
判例集等
集民20号653頁
原審
東京高等裁判所  昭和29年8月20日
分野
民事

判示事項

民法第四一六条第二項の特別事情の予見の有無

裁判要旨

民法第四一六条第二項に基く損害賠償の請求がなされた場合に、債務者において、債務者が第三者から手附を受取つたことを知つていたときは、手附倍戻の特約がなされていたことを知らなかつたとしても、債権者と第三者間の契約は手附の倍額を償還して解除せられるかも知れぬことを予見していたものというべきである。

参照法条

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

本件損害賠償の請求が、民法四一六条二項の特別事情によつて生じたものについてなされたことは、所論のとおりである。原審は、被上告人が本件土地を訴外Dに売り渡し、同人から手附金として一八万円を受け取つたことを上告人に告げていた事実を認定した。この認定は原判決のあげている証拠からみて正当である。ところで一般に手附といえば、特約がなければ解約手附とみらるべきものであるから、上告人としてはたとい右売買契約において手附倍戻しの特約がなされていたことを知らされなかつたとしても、上告人が被上告人に対する明渡義務を履行しないため、被上告人が訴外Dに対する売買契約上の義務を履行することができず、やむなく受け取つた手附の倍額を償還して契約を解除するに至るかも知れぬことを当然予見していたものということができる。それ故、論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真野毅

裁判官 斎藤悠輔

裁判官 岩松三郎

裁判官 入江俊郎

出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/76996/detail2/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:国立国会図書館「次世代デジタルライブラリー」(https://lab.ndl.go.jp/dl/)のOCRテキストデータ(原資料:国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1673996)。TaiLexi AIが編集・加工(OCRの誤りを含む場合があります)。原データ(OCRテキスト)はパブリック・ドメイン・マーク(PDM)付きで、自由に二次利用できます。個人の氏名・住所等はTaiLexi AIがアルファベット等に置き換えています。