税務訴訟資料第263号-58(順号12182)
広島地方裁判所平成●●年(○○)第●●号法人税並びに消費税の更正処分等取消請求事件
国側当事者・国(広島南税務署長)
平成25年3月27日棄却・控訴
判決
原告
株式会社E
同代表者代表取締役
甲
同訴訟代理人弁護士
渡部邦昭
同補佐人税理士
田中良昌
被告
国
同代表者法務大臣
谷垣禎一
同指定代理人
大原高夫
同
田部悟
同
赤代道郎
同
立川泰久
同
徳岡徹弥
同
岡本千穂
処分行政庁
広島南税務署長
岡村元治
主文
1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
1 広島南税務署長が原告に対して平成21年3月31日付けでした平成15年9月1日から平成16年8月31日まで、平成16年9月1日から平成17年3月31日まで、平成17年4月1日から平成18年3月31日まで及び平成18年4月1日から平成19年3月31日までの各事業年度の法人税の重加算税の各賦課決定処分(ただし、平成15年9月1日から平成16年8月31日まで及び平成16年9月1日から平成17年3月31日までの各事業年度については、平成22年2月8日付けでされた法人税の重加算税の各変更決定処分後のもの。)を取り消す。
2 広島南税務署長が原告に対して平成21年7月3日付けでした平成13年9月1日から平成14年8月31日までの事業年度の法人税の更正処分のうち、所得金額9700万7377円及び納付すべき税額2935万3000円を超える部分並びに同事業年度の法人税の重加算税の賦課決定処分をいずれも取り消す。
3 広島南税務署長が原告に対して平成21年7月3日付けでした平成14年9月1日から平成15年8月31日までの事業年度の法人税の更正処分のうち、所得金額5853万8219円及び納付すべき税額1697万3600円を超える部分並びに同事業年度の法人税の重加算税の賦課決定処分をいずれも取り消す。
4 広島南税務署長が原告に対して平成21年3月31日付けでした平成17年4月1日から平成18年3月31日まで及び平成18年4月1日から平成19年3月31日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の重加算税の各賦課決定処分を取り消す。
5 広島南税務署長が原告に対して平成21年7月3日付けでした平成13年9月1日から平成14年8月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分のうち、納付すべき消費税の額7551万4000円及び納付すべき地方消費税の額1887万8500円を超える部分並びに同課税期間の消費税及び地方消費税の重加算税の賦課決定処分をいずれも取り消す。
6 広島南税務署長が原告に対して平成21年7月3日付けでした平成14年9月1日から平成15年8月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分のうち、納付すべき消費税の額7203万2600円及び納付すべき地方消費税の額1800万8100円を超える部分並びに同課税期間の消費税及び地方消費税の重加算税の賦課決定処分をいずれも取り消す。
7 広島南税務署長が原告に対して平成21年7月3日付けでした平成15年9月1日から平成16年8月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分のうち、納付すべき消費税の額7328万4300円及び納付すべき地方消費税の額1832万1000円を超える部分並びに同課税期間の消費税及び地方消費税の重加算税の賦課決定処分をいずれも取り消す。
8 広島南税務署長が原告に対して平成21年7月3日付けでした平成16年9月1日から平成17年3月31日までの課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分のうち、納付すべき消費税の額4201万3700円及び納付すべき地方消費税の額1050万3400円を超える部分並びに同課税期間の消費税及び地方消費税の重加算税の賦課決定処分をいずれも取り消す。
第2 事案の概要
1 事案の要旨
広島南税務署長は、原告に対し、原告の法人税、消費税及び地方消費税(以下、消費税と地方消費税を併せて「消費税等」ということもある。)について、架空の取引に基づく架空外注費や架空売上が計上されているなどとして、更正処分及び重加算税の賦課決定処分をした(これら更正処分及び重加算税の賦課決定処分には、国税通則法70条(平成23年法律第114号による改正前のもの。以下同じ。)1項及び4項所定の期間制限を超えてなされたものも含まれていた。)。本件は、原告が、国税通則法68条1項(重加算税)の課税要件を満たさず、同法70条5項(国税の更正、決定等の期間制限)の規定も適用されないから、上記各更正処分(ただし、原告の申告に係る税額を超える部分。)及び上記各重加算税の賦課決定処分は違法であるなどと主張して、これらの取消しを求める事案である。
2 前提事実(当事者間に争いがないか又は弁論の全趣旨及び後掲の証拠により容易に認定できる事実)
(1) 当事者等
ア 原告は、昭和●年●月●日に設立され、広島市南区に本店を置き、建物の総合管理、マンション管理業務等を目的とする株式会社である。
原告は、昭和54年12月25日から、東京都港区に支店(以下「F支店」という。)を置いている。
イ 乙は、原告の代表取締役甲(以下「甲社長」という。)の実弟で、昭和52年4月に原告に入社してF支店において勤務を開始し、昭和58年11月●日に取締役、昭和59年12月●日に取締役F支店長、昭和60年1月●日に常務取締役F支店長となった(甲9)。乙は、平成5年1月●日に取締役を辞任したが、同年11月●日に取締役、平成10年11月●日に常務取締役に順次再任され(甲9、甲43(枝番含む。))、その後、後記(2)ア(ア)の株式会社G(以下「G」という。)との架空の外注取引に基づく架空外注費の計上が発覚したため、平成19年4月●日に常務取締役及びF支店長の職を解かれ、平成20年1月●日に取締役を解任された(以下、乙を「乙元常務」という。)。
(2) 乙元常務による架空取引
ア 架空外注取引
(ア) Gとの架空外注取引
乙元常務は、平成13年9月1日から平成14年8月31日までの事業年度(以下「平成14年8月期」という。)及び課税期間(以下「平成14年8月課税期間」という。)、平成14年9月1日から平成15年8月31日までの事業年度(以下「平成15年8月期」という。)及び課税期間(以下「平成15年8月課税期間」という。)、平成15年9月1日から平成16年8月31日までの事業年度(以下「平成16年8月期」という。)及び課税期間(以下「平成16年8月課税期間」という。)、平成16年9月1日から平成17年3月31日までの事業年度(以下「平成17年3月期」という。)及び課税期間(以下「平成17年3月課税期間」という。)、平成17年4月1日から平成18年3月31日までの事業年度(以下「平成18年3月期」という。)及び課税期間(以下「平成18年3月課税期間」という。)、平成18年4月1日から平成19年3月31日までの事業年度(以下「平成19年3月期」という。)及び課税期間(以下「平成19年3月課税期間」という。)において(以下、平成14年8月期ないし平成19年3月期をまとめて「本件各事業年度」、平成14年8月課税期間ないし平成19年3月課税期間をまとめて「本件各課税期間」という。)、建物及び建物附属設備の清掃及び保守管理業を営むGに対して実体のない架空の業務名目でF支店宛に請求書を発行するように依頼し、F支店において清掃等の業務をGに対して外注したという取引の外形を作出した上、F支店名義普通預金口座から金員を払い出し、Gに対して外注費名目で支払をして、別紙4の1ないし4の6記載のとおり、架空の外注費を計上した。
(イ) 株式会社I(以下「I」という。)との架空外注取引
乙元常務は、平成14年8月期(平成14年8月課税期間)ないし平成16年8月期(平成16年8月課税期間)、平成18年3月期(平成18年3月課税期間)及び平成19年3月期(平成19年3月課税期間)において、ボイラー設備及び空調設備の保守メンテナンス業を営むIに対して実体のない架空の業務名目でF支店宛に請求書を発行するように依頼し、F支店において点検修理工事及び洗浄工事などの業務をIに対して外注したという取引の外形を作出した上、F支店名義普通預金口座から金員を払い出し、Iに対して外注費名目で支払をして、別紙5の1ないし5の5記載のとおり、架空の外注費を計上した。
(ウ) J協同組合(以下「J」という。)との架空外注取引
乙元常務は、本件各事業年度(本件各課税期間)において、Jに対して実体のない架空の業務名目でF支店宛に請求書を発行するように依頼し、F支店において点検業務をJに対して外注したという取引の外形を作出した上、F支店名義普通預金口座から金員を払い出し、Jに対して外注費名目で支払をして、別紙6の1ないし6の6記載のとおり、架空の外注費を計上した。
(エ) K協同組合(以下「K」という。)との架空外注取引
乙元常務は、平成16年8月期(平成16年8月課税期間)ないし平成18年3月期(平成18年3月課税期間)において、Kに対して実体のない架空の業務名目でF支店宛に請求書を発行するように依頼し、F支店において設備整備業務をKに対して外注したという取引の外形を作出した上、F支店名義普通預金口座から金員を払い出し、Kに対して外注費名目で支払をして、別紙12の1ないし12の3記載のとおり、架空の外注費を計上した。
イ 架空売上取引
乙元常務は、平成16年8月期(平成16年8月課税期間)ないし平成18年3月期(平成18年3月課税期間)において、株式会社L(以下「L」という。)に対し、実体のない架空の業務名目で請求書を発行し、F支店においてLから設備整備業務を受注したという取引の外形を作出した上、Lから支払を受けた金員をF支店において受け入れて、別紙11の1ないし11の3記載のとおり、架空の売上げを計上した。
(3) 確定申告及び修正申告
ア 原告は、本件各事業年度に係る法人税及び本件各課税期間に係る消費税等について、いずれも法定申告期限内に確定申告をした。
(ア) 法人税に関する確定申告の具体的内容(所得金額、課税留保金額、納付すべき税額)は、別紙1「確定申告(法定申告期限内)」欄の各該当欄記載のとおりである。
(イ) 消費税等に関する確定申告の具体的内容(課税標準額、控除税額、納付すべき消費税額、納付すべき地方消費税額)は、別紙2「確定申告(法定申告期限内)」欄の各該当欄記載のとおりである。
イ 原告は、平成16年4月20日付けで、平成14年8月期及び平成15年8月期に係る法人税について、修正申告をした(乙7(枝番含む。))。
上記修正申告の具体的内容(所得金額、課税留保金額、納付すべき税額)は、別紙1「修正申告(H16年4月20日)」欄の各該当欄記載のとおりである。
ウ 原告は、平成21年3月23日付けで、平成16年8月期ないし平成19年3月期に係る法人税について修正申告(以下「本件各法人税修正申告」という。)をし、同日付で、平成18年3月課税期間及び平成19年3月課税期間に係る消費税等について修正申告(以下「本件各消費税等修正申告」という。)をした(甲1の1、1の2、1の3、1の4)。
(ア) 本件各法人税修正申告の具体的内容(所得金額、課税留保金額、納付すべき税額)は、別紙1「修正申告(H21年3月23日)」欄の各該当欄記載のとおりである。
(イ) 本件各消費税等修正申告の具体的内容(課税標準額、控除税額、納付すべき消費税額、納付すべき地方消費税額)は、別紙2「修正申告(H21年3月23日)」欄の各該当欄記載のとおりである。
(4) 更正処分及び重加算税賦課決定
ア 広島南税務署長は、原告に対し、平成21年3月31日付けで、平成16年8月期ないし平成19年3月期に係る法人税の重加算税の各賦課決定処分(以下「第一次法人税賦課決定処分」という。)並びに平成18年3月課税期間及び平成19年3月課税期間に係る消費税等の重加算税の各賦課決定処分(以下「第一次消費税等賦課決定処分」という。)をした(甲2(枝番を含む。)、甲3)。
(長文のため、ここでは本文の冒頭のみを掲載しています。全文はこのページの表示後に読み込まれます。原本は原本PDFをご覧ください。)
出典:裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(https://www.courts.go.jp/hanrei/83643/detail5/index.html)。本文は同サイト掲載の判決書PDFからTaiLexi AIがテキスト化・整形したもの(正確な文言は原本PDFを参照)。判示事項・裁判要旨・参照法条は裁判所の公表どおり。
出典:「訟務重要判例集データベース」(法務省)(https://shoumudatabasep.moj.go.jp/hanreiSearch/HanreiSearch)を加工して作成(加工:TaiLexi AI)。訟務月報61巻4号811頁。
出典:国税庁ホームページ「税務訴訟資料」(https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2013/pdf/12182.pdf)を加工して作成(加工:TaiLexi AI)。