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裁決労保審棄却

労働保険審査会裁決 

平成26年労第212号 療養補償給付・休業補償給付

機関
労働保険審査会
年月日
2015年 (公表資料で伏せられています)
事件番号
平成26年労第212号
事件名
療養補償給付・休業補償給付
種類・結果
裁決 棄却
掲載
—
分野
労働・社会保障

事案の概要

事業場名、所在地及び労働契約の締結が不明である者の労働者性の判断

争点

本件の争点は、請求人が労災保険法上の労働者と認められるか否かにある。

主文(命令・審決の内容)

本件再審査請求を棄却する。

参照法条

労働者災害補償保険法

平成26年労第212号

主文

本件再審査請求を棄却する。

理由

第1 再審査請求の趣旨及び経過

1 趣旨

再審査請求人(以下「請求人」という。)の再審査請求の趣旨は、労働基準監督署長(以下「監督署長」という。)が平成○年○月○日付けで請求人に対してした労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号。以下「労災保険法」という。)による療養補償給付及び休業補償給付を支給しない旨の処分を取り消すとの裁決を求めるというにある。

2 経過

請求人によれば、自動車販売店に勤務した後、Aの競走馬牧場、塗装会社のBに勤務するなどしていたが、平成○年○月頃、Cに誘われて、個人宅の外壁塗装の業務に従事していた。同年○月○日、塗装作業中に玄関フード屋根から脚立に移ろうとしたところ、足が掛かると同時に脚立が道路側に倒れ、落下し負傷した(以下「本件事故」という。)。負傷当日は納期の最終日であったためケガを我慢して作業を終わらせ、翌○日D整形外科に受診したところ、「右足三果骨折」(以下「本件傷病」という。)と診断され、入院加療した。

請求人は、本件傷病は業務上の事由によるものであるとして、監督署長に療養補償給付及び休業補償給付の請求をしたところ、監督署長は、請求人は労災保険法上の労働者とは認められないとして、これらを支給しない旨の処分をした。請求人は、この処分を不服として、労働者災害補償保険審査官(以下「審査官」という。)に審査請求をしたが、審査官は、平成○年○月○日付けでこれを棄却したので、請求人は、更にこの決定を不服として、本件再審査請求に及んだものである。

第2 再審査請求の理由

(略)

第3 原処分庁の意見

(略)

第4 争点

本件の争点は、請求人が労災保険法上の労働者と認められるか否かにある。

第5 審査資料

(略)

第6 事実の認定及び判断

1 当審査会の事実の認定

(略)

2 当審査会の判断

(1)請求人は、本件傷病で受診したD整形外科において、労災保険の適用があるのではないかと尋ねられたところ「知人の妻の頼まれごとをしている際に怪我をしたので」と言って、これを拒否して国民健康保険を使い、本件事故から2年後の平成○年○月に初めて労災請求に至っている。また、この請求書には、事業の名称及び事業場の所在地、事業主の氏名は不明と記入している。

(2)請求人は、平成○年○月若しくは○月に、CとE警察署で面会しているが、その際労災請求や未払い給与の話はしなかったと述べている。

(3)請求人は、退院後の平成○年○月○日、労働基準監督署(以下「監督署」という。)に、「知人から一緒に塗装業を立ち上げようと誘われ何か所かで塗装工事をするうちに負傷した」と電話相談し、このときはCから労働条件や賃金額は説明されていない、Cは行方不明などと述べている。

また、請求人は、本件傷病の原因とする工事に関し、Cといつどのような内容で労働契約を締結したのか、雇用された事業場の所在地などの基本的なことさえ、監督署に対して明らかにしていない。請求人はCの知人や親元を知っていたとしながら、監督署への労災請求時において事業主の正式な氏名及び住所・事業場などを明らかにしていない。

さらに、請求人はCに雇われた労働者であったと主張するも、所定労働日が決まっていたわけではなく、賃金額についても、その額について日給で○円であったとしながら、現実には1度も支払われたことがない。

(4)以上を総合すると、本件においては、請求人が雇用されたとする事業場の所在地や賃金額を含めた労働契約の内容など労働者性を判断するための客観的な資料が皆無であり、請求人の主張自体、一貫性も具体性もないことから、請求人がCの経営する事業場に雇用された労働者であったと認めることはできない。

(5)なお、Cは審査官からの電話聴取に際し、賃金の支払の有無などの点で請求人の主張と異なる主張をしているが、審査官との面談を拒否しており、これ以上の裏付けとなる客観的事実を得ることはできないことから、その主張は信用性に乏しく採用できない。

3 以上のとおりであるので、請求人は労災保険法上の労働者であるとは認められず、請求人の本件傷病について同法による保険給付の対象とすることはできない。したがって、監督署長が請求人に対してした療養補償給付及び休業補償給付を支給しない旨の処分は妥当であって、これらを取り消すべき理由はない。よって主文のとおり裁決する。

出典:厚生労働省ホームページ「労働保険審査会 裁決事案一覧」掲載の裁決書(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/shinsa/roudou/saiketu-youshi/dl/26rou212.pdf)を加工して作成(加工:TaiLexi AI)
本文は公表資料(PDF 等)から機械的に抽出・整形したもので、改行や記号に誤りを含むことがあります。正確な文言は原本でご確認ください。