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裁決労保審棄却

労働保険審査会裁決 平成28年労第212号

平成28年労第212号 障害給付

機関
労働保険審査会
年月日
2017年 (公表資料で伏せられています)
事件番号
平成28年労第212号
事件名
障害給付
種類・結果
裁決 棄却
掲載
—
分野
労働・社会保障

事案の概要

帰宅途上の交通事故により負傷した「左肩腱板断裂」の障害等級第14級に対する不服

争点

本件の争点は、請求人に残存する障害が障害等級第14級を超える障害等級に該当する障害であると認められるか否かにある。

主文(命令・審決の内容)

本件再審査請求を棄却する。

参照法条

労働者災害補償保険法;労働者災害補償保険法施行規則

平成28年労第212号

主文

本件再審査請求を棄却する。

理由

第1 再審査請求の趣旨及び経過

1 趣旨

再審査請求人(以下「請求人」という。)の再審査請求の趣旨は、労働基準監督署長(以下「監督署長」という。)が平成○年○月○日付けで請求人に対してした労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)による障害給付の支給に関する処分を取り消すとの裁決を求めるというにある。

2 経過

請求人は、平成○年○月○日、A所在のB会社に雇用され、設計員として就労していたところ、平成○年○月○日、業務を終え、C駅から帰宅する途中、普通自動車にはねられ負傷した(以下「本件通勤災害」という。)。

請求人は、直ちにD病院に救急搬送され、「左側腹部、腰部、胸部、左足打撲」と診断されて同月○日まで入院加療し、以後複数の医療機関における療養の結果、平成○年○月○日治ゆ(症状固定)とされた。

請求人は、治ゆ後も複数の医療機関で療養を継続したところ、E病院で「左肩腱板断裂」と診断され、以後、同病院で療養の結果、平成○年○月○日治ゆとされた。

請求人は、治ゆ後障害が残存するとして、監督署長に障害給付を請求したところ、監督署長は、請求人に残存する障害は労働者災害補償保険法施行規則別表第1に定める障害等級(以下「障害等級」という。)第14級に該当するものと認め、同等級に応ずる障害給付を支給する旨の処分をした。

しかし、請求人は、この処分を不服として、労働者災害補償保険審査官(以下「審査官」という。)に審査請求をしたが、審査官は、平成○年○月○日付けでこれを棄却したので、請求人は、更にこの決定を不服として、再審査請求に及んだものである。

第2 再審査請求の理由

(略)

第3 原処分庁の意見

(略)

第4 争点

本件の争点は、請求人に残存する障害が障害等級第14級を超える障害等級に該当する障害であると認められるか否かにある。

第5 審査資料

(略)

第6 事実の認定及び判断

1 当審査会の事実の認定

(略)

2 当審査会の判断

(1)請求人は、左肩腱板断裂について、本件通勤災害と相当因果関係があり、残存する神経症状(疼痛)については、障害等級第12級の12「局部にがん固な神経症状を残すもの」に該当する旨主張しているので、以下検討する。

(2)請求人の左肩腱板断裂について、F医師は、平成○年○月○日付け意見書において、要旨、「当院受診時(平成○年○月○日と平成○年○月○日)には左肩腱板断裂はなかった。少なくともMRI検査を積極的に勧める所見はなかったと思う。腱板断裂は変性レベルの痛み、断裂ではないか。」と述べ、G医師は、平成○年○月○日付け意見書において、要旨、「主治医の意見書等では、受傷時より左肩の症状は無く、平成○年○月より左肩挙上制限などの症状が発症している。症状の発現時期などから、左肩腱板断裂が事故により受傷したものと証明することは不可能である。」と述べており、両医師とも、本件通勤災害の受傷時において、左肩腱板断裂が生じていたとすることを肯認していない。また、H医師は、平成○年○月○日付け意見書において、要旨、「腱板断裂の診断はレントゲンではできない。加齢によっても起こり得ることなので、事故との因果関係を証明するのは難しいのではないか。」と述べ、左肩腱板断裂について、加齢によるものである可能性を示唆している。

さらに、I医師は、平成○年○月○日付け鑑定報告書において、要旨、「慢性期の肩板損傷を疑う。事故と左肩腱板断裂の因果関係については、事故から経過しており、加齢性変化との鑑別は困難である。」と述べ、J医師は、平成○年○月○日付け意見書において、要旨、「MRI画像での診断、鏡視では有意の断裂はなかった。当院の初診は平成○年であるため、本件通勤災害との相当因果関係については不明である。」と述べており、左肩腱板断裂と本件通勤災害との因果関係については不明としている。

(3)以上の医師の所見に鑑みると、請求人には左肩腱板断裂があることは認められるものの、本件通勤災害と左肩腱板断裂との因果関係を認める所見はなく、また、医学経験則上、左肩腱板断裂は加齢により発症する場合も多く、さらには、本件通勤災害から相当期間経過しており、加齢性変化との鑑別は困難であることなどから、当審査会としては、左肩腱板断裂について、明らかに本件通勤災害による傷病であるとは認めることはできず、決定書理由に説示する審査官の結論と同様、通勤上の事由によるものとは認められないものと判断する。

(4)よって、左肩腱板断裂については、障害等級の評価の対象外となる。

(5)次に、請求人の残存する障害の程度について検討すると、左頚部から左肩甲骨部周辺の神経症状について、G医師は、「通常の業務に服することはできるが受傷部位にほとんど常時疼痛を残すものである。」との所見を述べており、請求人が「通常の労務に服することはできるが、時には強度の疼痛のため、ある程度差し支えがある。」と主張するような痛みの出現を裏付ける資料はないことから、当審査会としては、決定書理由に説示するとおり、「局部に神経症状を残すもの」(障害等級第14級の9)に該当するとの審査官の結論は妥当であると判断する。

(6)以上のことから、請求人に残存する障害等級に該当する障害は、左頚部から左肩甲骨部周辺の神経症状のみであり、その障害等級は、「局部に神経症状を残すもの」(障害等級第14級の9)となる。

(7)なお、請求人のその他の主張及び審査資料を改めて子細に検討したが、上記判断を左右するものは見いだすことはできなかった。

3 以上のとおりであるから、監督署長が請求人に対してした障害等級第14級に応ずる障害給付を支給する旨の処分は妥当であって、これを取り消すべき理由はない。

よって主文のとおり裁決する。

出典:厚生労働省ホームページ「労働保険審査会 裁決事案一覧」掲載の裁決書(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/shinsa/roudou/saiketu-youshi/dl/28rou212.pdf)を加工して作成(加工:TaiLexi AI)
本文は公表資料(PDF 等)から機械的に抽出・整形したもので、改行や記号に誤りを含むことがあります。正確な文言は原本でご確認ください。