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国会審議›第1回国会›閣法第129号
閣法第1回国会 第129号成立修正あり

最高法務庁設置に伴う法令の整理に関する法律案

昭和22年法律第195号 法務庁設置に伴う法令の整理に関する法律
提出昭和22年11月28日 内閣
付託衆議院 司法委員会
参議院 決算委員会
成立
昭和22年法律第195号
審議会議 6回・発言 341(政府答弁等 13)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院司法委員会

  1. S22.11.29趣旨説明司法委員会 6560
  2. S22.12.3採決司法委員会 6813
  3. S22.12.4委員長報告・採決本会議 7145
  4. S22.12.9参議院回付案・参議院回付案同意本会議 75244

参議院決算委員会

  1. S22.12.6採決(修正)決算委員会 1333
  2. S22.12.8委員長報告・採決(修正)本会議 65101

提案理由

鈴木義男 司法大臣 昭和22年11月29日

副檢事の任命資格の特例に關する、法律案の提案理由を御説明申し上げます。

 檢察廳法においては、簡易裁判所に對應する檢察廳として、區檢察廳を設けましたが、すべての區檢察廳に嚴格な任命資格を要する檢事を配置することといたしましては、とうていその人を得る見込みがありませんので、新たに、區檢察廳の検察官の職に補すべき副檢事の制度を設け、その任命資格については、同法第十八條第二項において、副檢事は、同法第十八條第一項の規定にかかわらず、高等試驗に合格した者または三年以上政令で定める二級官吏その他の公務員の職にあつた者で副檢事選考委員會の選考を經たものの中からもこれを任命することができるものとされているのであります。

 終戰後惡質の犯罪激増し、治安惡化の一途をたどつておりまする現況に観みまするとき、檢察機能の充實は焦眉の急を要するところでありますので、政府においては、鋭意副檢事の新規採用に努力いたしたのでありますが、副檢事定員四百三十人に對し、副檢事現在員六十七人にすぎず、これ以止前述の副檢事の任命資格を有する者を求めることがきわめて困難な實情にあります。しかるに、檢察事務官、警察官などの中には、多年檢察事務に携わり、實質的には副檢事の職務に必要な學識經驗のある者が相當多いのにかかわらず、從來これらの者の昇進が遲いため、副檢事に任命される資格のある者が少い事情に鑑みまして、今後一年を限り、副檢事の任命資格に關し特例を設け、副檢事は、檢察廳法第十八條第二項の規定にかかわらず、副檢事の職務に必要な學識經驗のある者で、副檢事選考委員會の選考を經たものの中からも、これを任命することができることといたしたいのであります。

 以上がこの法律案提案の理由であります。何とぞ愼重御審議の上、速やかに可決せられんことを希望いたします。

 次は裁判所法の一部を改正する法律案の説明を申し上げます。

 裁判所法は、御承知のごとく、本年五月三日から施行されておりますが、その後半歳の間に情勢も變化し、その上裁判所法施行の實績に徴しまして、同法を若干改正する必要が生ずるに至りました。そこで政府はこの法律案を提出いたした次第でありまして、改正の要點は、次の四點であります。

 第一點は、從來地方裁判所のみに屬していた刑法第二百三十五條の窃盗罪及びその未遂罪に關する裁判權を簡易裁判所にも與え、簡易裁判所は、これらの罪について、三年以下の懲役を科することができることとした點でありまして、裁判所法第三十三條の改正がそれであります。現行法の下では、これらの罪は地方裁判所のみの權限に委ねられておりますが、現下の不安定な經濟情勢を反映して、窃盗罪を初めとする各種の犯罪は激増の一途をたどり、地方裁判所には、刑事々件が山積して、現在の状態では、とうていこれを處理し得ない窮状にあるのであります。そこで犯罪件數の最も多く、しかも、事案が比較的簡單な窃盗罪及びその未遂罪を、簡易裁判所でも審理できることとし、ただ簡易裁判所の裁判官が、必ずしも法律專門家であるとは限らない點に鑑みまして、懲役三年以下の懲役のみを科し得ることとし、この制限を超えて刑を科すべき場合は、地方裁判所に事件を移送すべきものといたしました。この改正によつて、地方裁判所の負擔は大いに輕減され、事件の迅速處理に役立つものと信じます。

 第二點は、裁判官任命諮問委員會に關する規格を廢止した點でありまして、第三十九條の改正がそれであります。現行法の下では、内閣が最高裁判所長官の指名または最高裁判所判事の任命を行うには、裁判官任命諮問委員會に諮問しなければならないのでありまして、第一囘の指名及び任命は、御承知のごとく、同諮問委員會の諮問を經て行われたのでありますが、その實績に徴しますと、この方式はどうも形式的に流れすぎて、所期の效果を得られないという憾みがあり、かつ指名及び任命に關する責任の所在を不明確ならしめるおそれがあるのであります。そこで、裁判官任命諮問委員會に關する規定を廢止して、内閣が最高裁判所長官を指名し、あるいは最高裁判所判事を任命するについて諮問するかどうか。諮問するとすれば、何人に諮問すべか等の點は、一切内閣の自由裁量に任せ、その代り指名または任命に關しては、内閣が一切の責任を負うということにいたしました。

 第三は、裁判官の任命資格の中に司法教官を加えた點でありまして、第四十一條、第四十二條及び第四十四條の改正がそれであります。その趣旨は、司法省研修所の教官たる判檢事出身の司法教官の在職を、司法事務官と同樣に、裁判官の任命資格の中に加えようとするものでありまして、裁判所法案の提案當時には、司法省研修所が設立されるかどうか未定でありましたために、現行法には司法教官が裁判官の任命資格のうちから漏れており、今囘その補正を行うことにいたしました。

 第四點は、簡易裁判所判事の定年を、年齡六十五年から七十年に引上げた點でありまして、第五十條の改正がそれであります。御承知の通り、簡易裁判所判事は、國民と最も密接に接觸する裁判官であり、特に老熟練達ね法曹が任命されることが望ましいのでありますが、それにもかかわらず、定年が六十五歳であるために、多くの老練な退職判檢事、辯護士が、簡易裁判所判事に任命されることを躊躇しておられる事實が、裁判所法施行後次第に判明してまいりました。そこで、定年を年齡七十年に引上げることにいたしましたが、この改正によつて政府は老練な退職判檢事辯護士が、續々簡易裁判所判事に任命されることを期待している次第であります。

 以上がこの法律案提案の理由であります。どうぞ愼重御審議の上、速やかに可決されんことをお願い申し上げます。

 次に最高法務廳設置に伴う法令の整理に關する法律案の提案理由を説明いたします。

 政府はさきに最高法務廳設置法案を國會に提出いたしましたが、最高法務廳の設置により、司法省及び法制局は廢止されることになりますので、これに伴い、關係各法令に所要の變更を加える必要が生ずるに至りました。よつて政府はこの法律案を提出いたした次第であります。

 改正の要點を申し上げますと、第一は、司法省及び法制局を廢止し、關係法令よりこれらに關する規定を削除し、「司法省」「法制局」とあるのを、必要に應じて「最高法務廳」と改めた點でありまして、第一條ないし第三條、第十一條及び第十五條かそれであります。

 第二は、從來司法大臣に屬していた權限は、最高法務總裁に移されることになりますので、關係法令中「司法大臣」とあるのを「最高法務總裁」と改めた點でありまして、第七條、第十三條及び第十五條の規定がそれであります。

 第三、從來内務大臣に屬していた國籍、外國人登録、昭和二十一年勅令第百一號の規定による各種團體の結成の禁止及び解散等に關する事項に關する權限が、最高法務總裁に移されますが、内務省解體に關する法律案において、これらに關する法令中「内務大臣」とある部分は一應「主務大臣」と改められることになつておりますので、さらにこの法律によりまして、關係法令中「主務大臣」とあるのを「最高法務總裁」と改める點でありまして、第十四號の規定がそれであります。

 第四は、法制局長官は廢されますので、關係法令中よりこれに關する規定を削除し、なおこれと關連して、今囘最高法務廳に置かれる各長官の職を、その地位職責等に鑑み、國家公務員法にいう特別職といたした點でありまして、第四條、第五條、第九條ないし第十一條の規定がそれであります。

 第五は、從來裁判所法及び檢察廳法において、裁判官及び檢察官の任命資格の中に掲げられていた司法次官、司法事務官及び司法教官が廢されますので、これを任命資格の中から削除し、これらに相當するものとして、最高法務總裁官房長、最高法務廳事務官及び檢察官の任命資格の中に加えることとし、また司法次官、司法事務官及び檢察官の在職は、これを裁判官及び検察官の任命資格の年數に算入することといたし、なお大正十二年勅令第五百二十八號(司法警察官吏及び司法警察官吏の職務を行うべき者の指定等に關する件)に「司法事務官」とあるのを、以上と同樣の趣旨で「最高法務廳事務官」と改めた點でありまして、第六條、第七條、第十二條及び第十八條の規定がそれであります。

 第六は、警察法及び官吏懲戒令の各細部を改正して、國家公安委員會の警備すべき官廳の中に、最高法務廳の名稱を加え、また内閣及び總理廳に設置せられる官吏普通懲戒委員會の委員長には、内閣官房長官を、最高法務廳に設置せらるべき同委員會の委員長には最高法務總裁官房長を充てることといたした點でありまして、第八條及び第十一條の規定がそれであります。

 以上がこの法律提案の理由であります。何とぞ、愼重御審議の上、可決されんことをお願い申し上げます。

第1回国会衆議院司法委員会議録第65号4頁(昭和22年11月29日)〔鈴木義男司法大臣発言・発言番号43〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100101129)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。