地方自治法の一部を改正する法律案
衆議院 治安及び地方制度委員会
昭和23年法律第179号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院治安及び地方制度委員会
衆議院治安及び地方制度委員会
- S23.4.27趣旨説明治安及び地方制度委員会 2414
- S23.5.4質疑治安及び地方制度委員会 2612
- S23.5.6質疑治安及び地方制度委員会 2754
- S23.5.18質疑治安及び地方制度委員会 2942
- S23.5.20質疑治安及び地方制度委員会 3075
- S23.5.25質疑治安及び地方制度委員会 3149
- S23.5.27質疑治安及び地方制度委員会 3258
- S23.6.1質疑治安及び地方制度委員会 3367
- S23.6.5質疑治安及び地方制度委員会 3632
- S23.6.11修正案趣旨説明・討論・採決(修正)治安及び地方制度委員会 3731
- S23.6.16質疑治安及び地方制度委員会 399
- S23.6.19委員長報告・討論・採決(修正)本会議 6744
提案理由
苫米地義三 国務大臣・内閣官房長官 昭和23年4月27日この委員会に付託になりました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要なる事項の概略を御説明申し上げます。
地方自治の民主化とその健全なる運営を目途といたしまして制定されました地方自治法は、昨年五月三日新憲法施行と同時に施行せられたのでありますが、その後における運用の実情に鑑み、さらに住民自治の本旨を具現し、その民主化を徹底するために、昨年の十二月、相当廣範囲にわたりまして第一次の地方自治の改正が行われましたことは、各位の御承知の通りであります。今回の改正の骨子は、地方公共團体の権能に関する規定を整備し、地方議会の権限を一層拡充いたし、地方公共團体の議会とその長との関係の調整につきまして、さらに一歩を進めた措置を講ずることといたすほか、地方自治運営における腐敗を防止し、その公正を確保するため、住民の自治参與の範囲を拡張する等の措置を講じようとするものでございますが、これを要するに、第一次の地方自治法改正の趣旨を敷衍いたしまして、さらにこれを徹底しようとするものにほかならないのであります。
まず地方公共團体の権能に関する規定の整備について申し上げます。現在地方公共團体の権能として処理すべき事務の範囲は、抽象的な辞句を用いて地方自治法に規定されているのでありますが、そのままでは地方公共團体の処理する事務の内容が明瞭でありませんので、新たに地方公共團体の権能を個々具体的に例示することにしたのであります。
次に地方公共團体の議会の権限の拡充についてであります。地方自治法施行後の実情に顧み、議会の議決事項として、納税者の保護、地方公共團体の重要な経済行為等の適正な処理に遺憾なきを期するため、議会の議決事項の範囲を拡充することといたしたのであります。
第三点は、地方公共団体の議会と長との関係の調整であります。都道府縣知事、市町村長等の地方公共團体の長と地方議会との関係は、両機関の相互均衡の上に地方自治の調和ある運営を期することが、地方自治法の根本的な建前でありますことは、すでに御承知の通りであります。しかしてかかる制度のもとにおきましては、いわゆる拒否権の制度が認められているのが通例でありますが、この拒否権に相当する制度としては、現行地方自治法におきましては、違法ないしは権限踰越の議決等の特定の場合に限られているのであります。今回さらに條例の制定もしくは改廃または歳入歳出予算に関する議決について、全般的に拒否権の制度を認め、執行機関としての責任上議会に対して反省を促す機会を與えることといたした次第であります。
第四点は、住民の直接参政の範囲の拡充等による腐敗行為の防止及び公正の確保に関する新たなる措置に関するものであります。
まずその第一は、地方公共團体の財産または営造物で特に重要なものについて一定の独占的な処分または使用の許可をしようとするときは、あらかじめ住民の一般投票に付して、過半数の同意を得なければならないこととしたことであります。またその他の比較的重要な財産または営造物に関する独占的な性質を有する処分または使用の許可については、議会における出席議員の三分の二以上の者による議決を要することといたしたのであります。
その第二は、出納長もしくは收入役その他地方公共團体の職員の職務上の地位の濫用による公金または財産営造物の違法または不当な処理についての住民による矯正権の制度を法定いたし、これによつて住民の信託に基く地方公共團体の公共の利益の擁護に違算なからんことを期した次第であります。
その第三は、分担金を徴收する條例の制定または改正については、必ず公聽会を開いて関係者の意見を聽き、いやしくも不公平にわたることなきを期したのであります。
最後に、昭和十二年七月七日より同二十年九月二日に至るまでの間に行われましたいわゆる戰時中の町村の市への編入等につきまして、とかくの世論のある事情に鑑みまして、法律施行後二年以内を限つて、編入せられた町村住民の希望によつては、その分離を認めようとする規定を附則において規定いたした次第であります。
以上今回の地方自治法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容の概略の説明をいたしました。なお、詳細につきましには政府委員より御説明を申し上げることといたします。何とぞ愼重御番議の上、速やかに御協賛あらんことを御願いいたします。
第2回国会衆議院治安及び地方制度委員会議録第24号3頁(昭和23年4月27日)〔苫米地義三国務大臣発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100201044)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。