水防法案
参議院 建設委員会
昭和24年法律第193号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院建設委員会
- S24.4.30趣旨説明建設委員会 1056
- S24.5.6質疑建設委員会 1241
- S24.5.7質疑建設委員会 1329
- S24.5.10質疑建設委員会 1568
- S24.5.12委員長報告・討論・採決本会議 27117
- S24.5.12討論・採決建設委員会 1773
- S24.5.22参議院回付案・参議院回付案同意本会議 36114
参議院建設委員会
- S24.5.7趣旨説明建設委員会 105
- S24.5.14質疑建設委員会 1542
- S24.5.17修正案趣旨説明・討論・採決(修正)建設委員会 1620
- S24.5.18委員長報告・討論・採決(修正)本会議 2997
提案理由
内海安吉 政府委員(建設政務次官) 昭和24年4月30日ただいま議題となりました水防法案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
御承知の通り近年洪水による災害は、激増の一途をたどりまして、昭和二十三年度のごときは公地土木施設の被害のみでも実に五百億という莫大なる被害を見ておるのでございます。一方において、治水の根本対策であります河川、砂防の費用は、國家財政の現状より思うにまかせないありさまで、このまま放置することができないのであります。かくするときにおいては、洪水の害は遂にとどまるところがないというような現状なのであります。わが國の河川はおおむね急流が多く、一たび雨が降りますと、一時に出水いたしまして、洪水量のピークを示しますが、また減水も割合とすみやかでありまして、一時の洪水をさえ防ぐことができましたならば、相当程度の被害を軽減することができるはずであります。しかしながら、この水防に対する組織を見ますると、河川法によつて都道府縣知事が河川管理の責任を持つているもとで、從來からの水害予防組合、市町村等の水防具や消防團または地元部落民の水防組が当つておりまして、活動のための法制としては、消防團等に関しての消防法の消火に関する若干の規定を準用しているにとどまるのであります。元来、水災は火災と違いまして、災害の起る場所及び程度も相当予想がつくものであり、作業に必要とする技術もまつたく消火のそれとは異なつているのであります。さらに堤防決壊によりて災害をこうむる範曲ははなはだ廣く、ときには三以上の都府縣にもまたがることがあるのであります。これに対する防梁は、現状のごとく單に地元各市町村の自由に放置するということは絶対にできないのであります。そこでこれらの考慮のもとに、今回、水防制度の現状を統一しなければならぬ、水防活動に基礎を與えることがどうしても必要と考えまして、水防法案を提出したる次第なのであります。
法案の大要を申し上げますと、水防の組織としては、現在の実情のままに水害予防組合、市町村組合及び市町村が水防の責任を負い、都道府縣にその水防が十分行われるようにせわをやく責任を負うものといたしまして、実際の作業は地元の判断に從つて、現存の消防その他の組織を利用するなり、新たに水防團を設けるなりして行うこととしました。そうして、知事が指定する重要な組合、市町村等と都道府縣とはそれぞれ水防計画を策定いたしまして、これに從つて水防を行うわけであります。水防活動については、これを便宜ならしめるために緊急通行、警戒区域の設定、公用負担、非常通知等若干の非常事態における権限を規定いたしたのであります。なお平素都道府縣や國が工事を行つているような重要な河川等については、管理責任者が最も実情に明るいため、特に必要なときには知事及び大臣は水防について指示を與えることができるように規定いたしましたほか、訓練や死傷扶助等についても、若干必要な規定を置きました。そしてこれらを実施する費用については、原則として地元市町村の負担と考えております。
以上は構想の概要でありますが、水防制度をすみやかに整備するために特に十分御審議をお願いいたしまして、すみやかに御協賛あらんことをお願いする次第でございます。
なおお手元に差上げておきました水防法案の第二十九條の項におきまして、「第九條の規定による」とあるところを「第十條の規定」と御訂正を願います。
第5回国会衆議院建設委員会議録第10号3頁(昭和24年4月30日)〔内海安吉政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100501140)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。