皇族の身分を離れた者及び皇族となった者の戸籍に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 法務委員会
昭和24年法律第73号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
山口好一 政府委員(法務政務次官) 昭和24年5月6日ただいま議題となりました皇族の身分を離れた者及び皇族となつて者の戸籍に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
皇族の身分を離れた者及び皇族となつて者の戸籍に関する法律は、皇室典範の附属法として、また戸籍法に対する特別法として、皇族の身分を離れた者及び皇族となつて者の戸籍の取扱いを規定いたしておりますが、同法は、旧戸籍法を基礎として制定されたものでありますので、これを、新戸籍法の建前に沿うように改正する必要がございます。すなわち、新戸籍法は民法の改正に対應して、「一つの夫婦及びこれと氏を同じくする子」を戸籍編製の單位として、三代同籍を避ける建前をとつており、また、婚姻によつて氏を改めた者が離婚等により復籍する場合には、復籍者は新戸籍編製の申出をすることができることになつておりますが、これらの点につき現行の皇族の身分を離れた者及び皇族となつた者の戸籍に関する法律を、新戸籍法の建前に從つて改正するとともに、なお現行法の戸籍届出に関する規定中、新戸籍法の規定によつて不必要となつた部分を整理するため、ここに、この法律案を提出いたす次第でございます。
次に、この法律案の内容につきまして簡單に御説明申し上げます。
まず第一條についての改正規定は、現行法第一條によりますと、皇室典範第十一條の規定により、皇族の身分を離れた者については新戸籍を編製し、同第十三條の規定により、これと同時に皇族の身分を離れた配偶者や直系卑属は、すべてその新戸籍に入ることになつております結果、直系卑属に配偶者やさらに直系卑属がある場合には、その新戸籍に一つの夫婦及びこれと氏を同じくする子以外の者も同籍する結果となりますので、このような場合には、その直系卑属については一つの夫婦とその子、もし配偶者がない場合にはその者とその子ごとに、それぞれ新戸籍を編製するようにいたそうとするものであります。
第二條についての改正規定は、現在同條第二項によりますと、皇室典範第十四條第四項の規定により、皇族の身分を離れた者は、その直系卑属につき第一條の規定により編製された戸籍に入ることになつておりますが、たとえば、その戸籍が祖父母または曾祖父母等父母より親等の遠い直系尊属について編製されている場合には、三代以上同籍の場合が生ずることがありますので、これを改め、父母について編製した戸籍に入ることとし、また現在皇室典範の右規定により皇族の身分を離れた者は、新戸籍編製の申出ができないことになつておりますが、これを改め、一般の離婚復籍者と同様、新戸籍編製の申出ができるようにいたそうとするものであります。
第三條についての改正規定は、現在同條によりますと、皇室典範第十二條の規定により、皇族の身分を離れた者が離婚する場合、第一條の規定により、その者の直系尊属につき編製された戸籍があるときは、その戸籍に入ることになつておりますが、祖父母または曽祖父母等について新戸籍が編製されている場合には、やはり第二條と同樣三代以上同籍の場合が生ずることがあり、また現在右の離婚した者は新戸籍編製の申出をすることができないことになつておりますが、これを第二條同樣の趣旨に改めようとするものであります。
最後に、第五條から第七條までについての改正規定について御説明申し上げます。
第五條は、第一條または第二條の規定による新戸籍編製。第六條は第二條の規定による入籍。第七條は第四條、すなわち皇族以外の女子が皇后となり、または皇族男子と婚姻し、その戸籍から除かれる場合の除籍の届書の記載事項等に関する規定でありますが、現行法に列挙されている記載事項は、新戸籍法の規定により記載すべきことが当然明らかなるものがありますので、これを整理しようといたすものであります。
以上がこの法律案の内容の要点でございます。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されんことをお願い申し上げます。
第5回国会衆議院法務委員会議録第15号1頁(昭和24年5月6日)〔山口好一政府委員発言・発言番号6〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100501159)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。