教育委員会法の一部を改正する法律案
参議院 文部委員会
昭和25年法律第168号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文部委員会
- S25.3.10趣旨説明文部委員会 845
- S25.3.17補足説明文部委員会 1033
- S25.3.20質疑文部委員会 1189
- S25.3.24質疑文部委員会 1238
- S25.3.28修正案趣旨説明・討論・採決(修正)文部委員会 1367
- S25.3.28委員長報告・採決(修正)本会議 31132
提案理由
高瀬荘太郎 文部大臣 昭和25年3月10日一昨年七月十五日公布施行されました教育委員会法の一部を改正する法律案を、このたび国会に提出いたしましたのにつきまして、その提案の理由と、改正要点を御説明いたしたいと思います。
第一は、市町村に設けられる教育委員会の設置の時期についてであります。これにつきましては、去る第五国会において、中央、地方の財政状態その他の事情にかんがみまして、その設置を昭和二十五年度または昭和二十七年度とするよう法律改正が行われたのでありますがこのたび町村の地域に設けられる教育委員会は、すべて昭和二十七年度に市中設けられるものは、昭和二十五年度または昭和二十七年度に設置し得ることといたしました。その理由は、町村の地域に設けられるべき教育委員会については、その地域的規模や委員会の組織、権限等につき、なお調査研究を要する問題が非常に多くあります関係上、これらについて十分検討するため、二十七年度までその設置を延期することとし、二十五年度には、市についてのみ教育委員会を設置し得るよう措置いたしましたことに基くのであります。
第二は、委員の選挙に関する規定の改正であります。これにつきましては、教育委員会の委員の選挙をも含めた選挙制度全般の改正も考慮されているのでありますが、今般はとりあえず二十五年度の選挙を控え、一昨年の経験にかんがみ、最小限度の改正を行うことにいたしました。すなわち委員候補者の連署推薦人を六十人以上百人以下と、その人数に制限を加えたこと、及び選挙運動については、都道府県及び五大市にあつては都道府真知事の、その他の市及び町村にあつては市町村議会の議員の選挙運動に関する規定をそれぞれ準用し、いわゆる選挙運動における公営の範囲を五大市までにいたしたのであります。
第三は、委員の他の職務との兼務及び服務などにづいてであります。現在委員は他の公務との兼職を、かなり嚴格に禁止されておりますが、教育委員会の委員の本務に支障のない程度にこれを緩和し、また委員の服務などについては、現行法に規定を欠いておりますが、教育委員会の委員の職責の特殊性及び重大性にかんがみまして、新しく規定を設けることといたしました。
第四は、教育委員会の職務権限についてであります。これにつきましては、現在すでに実質的に教育委員会の権限として行われている事柄、あるいは地方公共団体の議会及び長との関係において、権限の所在が必ずしも明確でない事柄等について必要な規定を設け、もつて教育委員会の運営に遺憾なきを期したのであります。すなわち一、学校その他の教育機関の建築営繕の実施に関する教育委員会の責任及びその実施方法について明らかにすること。二、学校その他の教育機関の使用にかかる財産の取得、管理及び処分に関する権限を明らかにすること。三、学校の保健計画に関する権限を明らかにすること。四、教育事務に関する収入の命令権を、地方公共団体の長から教育委員会に委任し得ること。五、教育事務に関し議会の議決を経なければならないものについては、すべて議案の原案は教育委員会の発案にかかわらしめることを常例とすること。六、都道府県の教育委員会の権限として、学校給食、文化財保存(史跡、名勝、天然記念物等)及び教育に関する法人についての事務を明らかにすることなどであります。
第五は、教育委員会と教育長との関係についてであります。現行法上、両者の関係につきましては、明確を欠く点もあり、実際運営上にも、ややともすれば円滑を失ううらみもありましたので、教育委員会の專門的助言者であり、かつその事務執行の衝に当る教育長の職務の特殊性を明らかにし、両者の本来の機能を明確にいたした次第であります。
以上、改正の主要点につきまして、その内容及び理由を概略御説明いたしましたが、今回の改正は、條文の一部改正を行つたもの十八箇條、追加または新たに設けられたもの十一箇條、削除ないし全文改正をしたもの十筒條、合計三十九箇條にわたつております。何とぞ慎重御審議の上御可決くださるようお願いいたします。
第7回国会衆議院文部委員会議録第8号15頁(昭和25年3月10日)〔高瀬荘太郎文部大臣発言・発言番号42〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100701099)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。