生活保護法案
参議院 厚生委員会
衆議院 厚生委員会公聴会
昭和25年法律第144号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生委員会・厚生委員会公聴会
- S25.3.22趣旨説明厚生委員会 15121
- S25.3.23質疑厚生委員会 165
- S25.3.25質疑厚生委員会 1753
- S25.3.27質疑厚生委員会 18143
- S25.3.29質疑厚生委員会 19149
- S25.3.30質疑厚生委員会 2019
- S25.4.1公聴会厚生委員会公聴会 1211
- S25.4.3質疑厚生委員会 2189
- S25.4.19修正案趣旨説明・討論・採決(修正)厚生委員会 2936
- S25.4.22委員長報告・討論・採決(修正)本会議 4077
- S25.4.29参議院回付案・参議院回付案同意本会議 4496
参議院厚生委員会
- S25.3.23趣旨説明・質疑厚生委員会 2042
- S25.3.30補足説明厚生委員会 2329
- S25.4.6質疑厚生委員会 2663
- S25.4.11質疑厚生委員会 2776
- S25.4.12質疑厚生委員会 2892
- S25.4.19質疑厚生委員会 305
- S25.4.21質疑厚生委員会 3140
- S25.4.25衆議院修正部分趣旨説明・質疑厚生委員会 3255
- S25.4.26質疑厚生委員会 3383
- S25.4.28質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)厚生委員会 3533
- S25.4.29委員長報告・採決(修正)本会議 4884
提案理由
林讓治 内閣総理大臣臨時代理・厚生大臣 昭和25年3月22日ただいま上程されましな生活保護法案につきまして、その提案理由を説明いたします。
本案は、現行の生活保護制度にかわる新たなる制度を創設しようとするものではなく、現行の制度を強化拡充して、よりよき制度たらしめようとするものでありまして、いわば生活保護法改正案とも申すべきものであります。生活保護法が、昭和二十一年十月一日に施行されましてから、今日に至るまでの間、救済福祉に関する基本的法律として果して参りました重大かつ効果的な役割につきましては、あらためて申すまでしないところでありますが、わが国現下の情勢より見まするとき、ここしばらくの間は、この制度の保護に依存しなければならない者の数の漸増することが予想されますので、この際、この制度を急速に整備強化することが必要となつて参つたのであります。
特に昨年以来当国会においても、きわめて緊急なる問題として取上げられました未亡人母子援護の問題、あるいは遺族援護の問題等を通じまして、はしなくも現行制度における各種の欠陷が指摘せられ、遂に昨年九月十三日、内閣に設けられました社会保障制度審議会から、現行の生活保護制度を緊急に改善強化し、もつて当面の緊迫せる情勢に対応すべき旨の勧告を受けるに至りましたので、政府におきましてはこれらの要請に応じまして、現行の生活保護制度を真に憲法第二十五條の定める理念にふさわしいものたらしめるよう、ここに生活保護法の全面的改正を提案することといたしたのであります。
今回の改正におけるおもなる点を申し上げれば次の通りであります。
第一に、この制度を憲法第二十五條の規定に盛られた、国民の生存権保障の理念を体現するにふさわしいものとしたことであります。もとより現行の制度のもとにおきましても、この法律による保護は、慈惠的、恩惠的のものとして行われるのではなく、国の責務として行われる建前をとつているのでありますが、今回の改正におきましては、第一章総則におきまして、国民は一定の要件のもとにおいて、この法律による保護を当然に受ける権利ある旨を明らかにいたしますると同時に、第二章保護の原則、第三章保護の種類及び範囲、第五章保護の方法等におきまして、この法律によつて行われる保護の内容を、法律において規定することにより、慈惠的色彩の一掃を期したのであります。
第二に、この法律による保護に対して不服申立ての道を開いたことであります。すなわち第一審を都道府県知事の決定とし、第二審を厚生大臣の裁決とする不服申立ての制度を、法律上の制度として確立することといたしたのであります。
第三に、この法律の実施に当るものの主体を、訓練された有給專門の職員とし、民生委員は、これに協力するものたることを明らかにしたことであります。民生委員の関與により、生活保護制度が国民にきわめて親しみやすいものとなつている長所は、高く評価さるべきでありますが、他面真の責任者にあらざるものに、あまりに多く依存することは、法の執行における公の責任をあいまいにするきらいがありますので、今回の改正においては、法の運営における両者の責任区分を明確にするとともに、両者の協力体制を今後も維持することとしたのであります。
第四には、教育扶助及び住宅扶助の制度を創設したことであります。現行の制度のもとにおきましても、教育費だけが調達できないとか、あるいは住居費だけが調達できないとかいうものを保護するに十分でありませんので、これまでの生活扶助、医療、助産・生業扶助、葬祭扶助の五つの種類のほかに、新たに教育扶助及び住宅扶助を設けまして、保護に遺憾なきを期することとしたのであります。
次に第五に、医療機関について、指定制度を設け、監査制度を実施することといたしたことであります。生活保護法により、医療保護を受けているもののために使用されている費用は、保護費総額の約四五%に達しておりますので、今回の改正におきましては、医療機関の指定制を確立するとともに、その診療方針及び診療報酬は社会保険のそれに準ずるものたることを明らかにいたしまして、あわせてその請求を監査し得る道を開き、濫診濫療をなからしめるようにしたわけであります。
以上が本案の概要であります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御協賛あらんことを望みますとともに、詳細につきましては政府委員から御説明申し上げることがあろうかと思います。
第7回国会衆議院厚生委員会議録第15号8頁(昭和25年3月22日)〔林讓治内閣総理大臣臨時代理発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100701116)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。