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国会審議›第10回国会›閣法第38号
閣法第10回国会 第38号成立修正あり

海事代理士法案

昭和26年法律第32号 海事代理士法
提出昭和26年2月15日 内閣
付託衆議院 運輸委員会
参議院 運輸委員会
成立昭和26年3月9日
昭和26年法律第32号
審議会議 9回・発言 386(政府答弁等 131)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院運輸委員会

  1. S26.2.19趣旨説明・質疑運輸委員会 654
  2. S26.3.1質疑運輸委員会 847
  3. S26.3.5修正案趣旨説明・採決(修正)運輸委員会 933
  4. S26.3.6修正案・委員長報告・採決(修正)本会議 1843

参議院運輸委員会

  1. S26.2.23趣旨説明運輸委員会 3125
  2. S26.2.27補足説明運輸委員会 480
  3. S26.3.2質疑運輸委員会 5185
  4. S26.3.8質疑・討論・採決運輸委員会 6159
  5. S26.3.9委員長報告・採決本会議 2235

提案理由

關谷勝利 政府委員(運輸政務次官) 昭和26年2月19日

まずただいま提案されました港則法の一部改正の法律案の提案理由を御説明申し上げます。

 この法律案によつて改正しようとする要点は、特定港内において船舶が火災を起した場合、船舶が発する火災警報に関する規定を新しく設けるものであります。

 近来港内停泊中の船舶の火災事故は毎年多大に上り、その事故が絶えませんので、この火災による損害の防止、軽減策につき種々検討しました結果、火災発生時にすみやかに火災警報がなされていれば、人命及び財産の損害を軽減し得たものであるとの結論を得たのであります。この点に関しまして、米国、カナダ、東亜の諸港の種々の港則においても、一般火災報知手断に加えて、港内の火災発生船舶に対し、一定の火災警報を発する義務を課する旨法制化していることが判明いたしました。なお関係方面よりの強い要望もあり、わが国においてもこれらの火災警報に関する規定を港則法に取入れることが必要であると考えまして、ここにこの法案を提出した次第であります。

 次に、海事代理士法案の提案理由を御説明申し上げます。

 この法律案の対象となつております海事代理士が行う業務に申しますのは、他人の委託により、対価を得て海事関係の行政機関に対し、船舶法、船員法、船舶安全法といつたような海事法令の規定に基きまして、諸種の申請、届出、登録等の手続一切を行い、かつ事案によりましては、船主のなすべき官庁に対する申請者としての協力義務を代行する業務であります。

 この法律案は、このような海事代理士の行う業務が一般の利便に少からぬ影響のあることにかんがみましてその資格を定め、試験、登録等の制度を設け、またその取扱い報酬額の届出、是正等につき規定を設けまして、事案を委託する海事関係者の利便をはかるとともに、海事代理士の行う業務の妥当な範囲を定め、関係業種との調和をはかろうとするものであります。

 この業務に対する法規制といたしましては、昭和二十二年末までは、明治末期以来海事代願人取締規則、明治四十一年逓信省令第五十二号というのがありまして、この規則により管海官庁の許可を得た者に限り、その業務を行い得ることとなつておりました。しかるところこの規則は、新憲法のもとにおけるいわゆる法律をもつて規定すべき事項を規定している命令として、昭和二十三年一月一日以降その効力を失い、爾後この業務は、法律しまつたく自由な営業となつて今日に及んだ次第であります。当省といたしましては、右の規則の失効後、これにかわるべき法律を制定すべきかどうか、制定するとすれば、いかなる内容のものとすべきかというような点につき調査研究中でありましたが、主として次の二理由から、法律制定の必要があるとの結論を得ました。

 すなわち第一の理由としては、運輸省並びに国会に対し、広く海事関係出一般から陳情、請願が参つているということであります。その趣旨とするところは、取締規則失効後、何人でもこの営業行える関係上、しばしば不適格者の開業が見られ、一方委託者のうちには、もつぱら海上で活動する者が多いため、陸上における官庁関係事務についてはほとんど代願人にまかせきりとならざるを得ず、かつそれらの人人は適当な代願人を選択するのが困難な実情であるので、事案の処理、報酬の類等につき、委託者の依頼にそむき、委託者に迷惑をかける場合も生じておるという実情である。そこで的確なる事案処理を期するため、その資格制限を行い、かつ業務の遂行につきましても、適当なる監督を加えられたいということであり、この趣旨は、当省の実情観察から来る結論と一致するのであります。

 第二の理由としては、昭和二十五年に司法書士法が改正せられまして、一般に登記の申請は、船舶についても、司法書士でなければ業として取扱うことができないかの疑いが生じました。事実海事代願の業務を行う者が、登記を所掌する法務府関係の機関において、登記の代願申請を拒否されたことがしばしばありました。今ではそのようなことはなく、一応解決をいたしておりますが、これは司法書士法の解釈論に基く解決であり、かつまた最近その解釈論の生ずる條文につき、再度の司法書士法改正の機運もありますので、司法書士法の解釈論をまたず、法文士積極的に船舶の登記は、海事代願の業務としても、正当に行い得るものであることを明白にしておくことが、ぜひとも必要であると考えられることであります。この法律案はこのような見地から、なるべく広く利害関係者の意見をも徴して作成したものであります。

 この法律案のありましは、お手元に差上げてある要綱で大体おわかり願えるかとも存じますが、その骨子とするところは、第一には、この法律案で定めた資格を有し、かつ適法な登録を受けた者を海事代理士と称するごと。第二には、海事代理士でなければ、法律案の別表第一に掲げた行政機関に対し、別表第二に掲げる法令の規定に基く申請、届出、登記その他の手続をしたり、書類の作製をしたりすることを営業として営んではならないこと。第三には、海事代理士は、委託者保護の見地から、ある程度官の監督を受けるということであります。

 海事代理士の資格を限定したのは、一般委託者が、安心して事案を依頼し得るためには、この程度の知識と経験のある者であることが必要であると考えられるからでちり、原則として、試験によることといたしまして、試験規定、試験問題の作所、合格の判定等につきましては、民間の学識経験者の意向を十分尊重することを、法律上明定致しました。また、登録制を設けたのは、主として委託者が事案を依頼すべき海事代理士を選択するための便宜を考慮したからであります。なおまた経過的な措置としては、旧海事代願人取締規則の規定で、海事代願人の許可を受けた者は、当時すでに許可に際し試験が行われており、その後の経験も豊富に有しておると認められるので、本法案による海事代理士の資格を認め、あらためて試験を行うことなく、登録することにより、ただちに海事代理士となり得ることといたしました。また現にこの種のことをとにかく業として行つている者は、六箇月間は今まで通り営業して支障ないことにいたしました。なお猶予期間を六箇月間といたしましたのは、旧海事代願人取締規則の許可を受けていない者の便宜を考慮したからであります。

 以上簡單ではありますが、本法案提出の経緯、理由、その骨子につき申し述べました。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。

第10回国会衆議院運輸委員会議録第6号3頁(昭和26年2月19日)〔關谷勝利政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101001038)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。