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国会審議›第10回国会›閣法第41号
閣法第10回国会 第41号成立

海難審判法の一部を改正する法律案

昭和26年法律第121号 海難審判法の一部を改正する法律
提出昭和26年2月21日 内閣
付託参議院 運輸委員会
衆議院 運輸委員会
成立
昭和26年法律第121号
審議会議 7回・発言 83(政府答弁等 14)

審議経過

右の数字は会議の発言数

参議院運輸委員会

  1. S26.2.23趣旨説明運輸委員会 3125
  2. S26.2.27補足説明運輸委員会 480
  3. S26.3.2質疑・討論・採決運輸委員会 5185
  4. S26.3.5委員長報告・採決本会議 2018

衆議院運輸委員会

  1. S26.2.26趣旨説明運輸委員会 770
  2. S26.3.5質疑・採決運輸委員会 933
  3. S26.3.6委員長報告・採決本会議 1843

提案理由

山崎猛 運輸大臣 昭和26年2月23日

海難審判法の一部を改正する法律案の提案の理由を説明申上げます。

 海難審判法は施行せられてから二年有余を経過したのでありますが、現在海難審判の正拠規定は、刑事訴訟法に準拠することになつておるので、海難審判にはその複雑な証拠規定をそのまま準用しなければならない立場に置かれておるのであります。併しながら海難事件の発生原因を探求することを主とし、関係者の懲戒処分を従とする海難審判と刑事裁判とは本来の目的を異にするのでありまして、海難審判に刑事訴訟法の複雑な証拠規定をそのまま準用することは、海難事件の審判の迅速な処理に支障を来すばかりでなく、その審理が証拠関係の手続上甚しき制約を受けまして、海難審判法の本来の目的に副い得ない結果を招来することになるのであります。従つて事件処理の迅速を図り、且つ海難審判法の目的達成のために最も合理的な証拠規定を独立して設ける必要があるのでありまして、これが本改正法律案の主な提案理であります。従いまして証拠規定は、新刑事訴訟法のような複雑な規正を避けまして、海難審判の特殊性を織込んだ大綱的な証拠法の諸原則にとどめまして、海難原因探求の目的達成に審判官の技術的判断力を遺憾なく発揮し得るようにしたものであります。何とぞ御審議の上御可決あらんことをお願いする次第であります。

 次には港域法の一部改正法律案に関する提案理由を説明申上げます。

 本法は現在の港域法に定める港域か、海湾事情の変化等に伴いまして現行のままでは種々の不都合な華態を生じて参つておりますので、別表を全面的に改正しようとするものでありまして、その主なる事由は、第一に、新たに本法によつて港域を定める必要のある主要港が生じて参つたことであります。第二に、港の状況の変化に伴いまして海域を変更する必要のある港が生じて参つたことであります。第三に、現行の港域の規定では、その基準となつている対象物の変化等によりまして港域が明確でなくなつた港が生じて参つたことであります。最後に港名を変更することが適当であると認められる港が生じて参りたことであります。

 以上の理由によりまして本案を提出いたしました次第であります。御審議の上御可決おらんことをお願いいたす次第であります。

 次に港則法の一部を改正する法律案の提案理由を説明申上げます。

 この改正の要点は、特定港内において船舶が火災を起した場合、船舶が発する火災警報に関する規定を新しく設けるものであります。近来港内碇泊中の船舶の火災事故は毎年多大に上りまして、火災による損害の防止、軽減策につきましては種々検討いたした結果、火災発生時に速かに火災警報がなされておりさえすれば、人命及び財産の損害を軽減し得たものであるとの結論を得たのであります。この点に関しましてはアメリカ、カナダ、或いは東亜の数々の港の港則におきましても一般火災警報手段に更に加えて、港内の火災発生船舶に対して一定の火災警報を発する義務を課する旨法制化しておることが判明いたしたのであります。我が国におきましてもこの火災警報に関する規定を港則法にとり入れることが必要であると考えましてこの法案を提出いたした次第であります。何とぞ御審議の上御可決あらんことをお願いいたす次第であります。

 次に海事代理士法案提案の理由を説明申上げます。

 この法律案の対象となつております海事代理士が行う業務と申しますのは、他人の委託により対価を得て海事関係の行政機関に対し船舶法、船員法、船舶安全法といつたような海事諸法令の規定に基きまして諸種の申請、届出、登記等の手続一切を行う業務であります。この法律案は、このような海事代理士の行う業務が一般の利便に少からん影響のあることに鑑みまして、その資格を定め、試験、登録寺の制度を設けまして、その取扱報酬額の届出、是正等につき規定を設けまして、事案を委託する海事関係者の利便を図ると共に、海事代理士の行う業務の妥当な範囲を定めまして、関係業種との調和を図ろうとするものであります。この業務に対する法規制といたしましては昭和二十二年末までは、明治四十一年に逓信省令で制定された海事代願人取締規則により管海官庁の許可を得た者に限りその業務を行い得ることになつておつたのであります。然るところこの規則は新憲法の下におけるいわゆる「法律を以て規定すべき事項を規定している命令」として、昭和二十三年一月一日以降その効力を失つたのであります。それ以来、この業務は法律上全く自由な営業となつて今日に及んだ次第でありますが、運輸省並びに国会に対し広く海事関係者一般から海事代願業務に関する官庁の監督か廃止されたために、しばしば不適格者により行われ、利用者の利弁を著しく害しておるので、これに関する監督法規を制定されたき旨の陳情請願が参つておるという事情もありまするし、又昭和三十五年改正せられた司法書士法により、船舶登記に関し司法書士と海事代願人との職務の分界について疑問を生じ、地方の法務局等で海事代原人の行う申請が拒否されたことがしばしばあつたのであります。海事代願人の職務の範囲を明確にするためにも、この法律案を制定する必要があると考慮するに至つた次第であります。

 以上の理由は極めて概略でありますが、御審議の上御可決あらんことをお願いいたす次第であります。

 以上四法案の提案理由を御説明申上げた次第であります。

第10回国会参議院運輸委員会会議録第3号1頁(昭和26年2月23日)〔山崎猛運輸大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101001041)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。