下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案
衆議院 法務委員会
昭和26年法律第134号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
高木松吉 政府委員(法務政務次官) 昭和26年3月6日只今議題となりました下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を説明いたします。
改正の要点は、次の四点であります。先ず、第一点は、簡易裁判所の増設であります。簡易裁判所は、基本的人権を擁護し、社会秩序の維持は当る第一線の裁判所でありまして、国民の利害に関係するとこが極めて多いのであります。現在全国五百六十五カ所に設置されているのでありますが、その数はまだ必ずしも十分であるとは申されません。その増設かたにつきましても、全国各地から熱心に国会その他に請願や陳情がありまして、その数は数十カ所に及んでいるのであります。併しながら、今直ちにこれらの要望の全部を満たすことは、財政上の見地等から見ましても不可能なことであります。それで事件の数、交通の状況等を考慮いたしまして、最も必要と認められる所を選定いたし、最高裁判所とも協議を遂げまして、今回は次の三カ所、即ち宇都宮地方裁判所管内の栃木県下都賀郡小山町、広島地方裁判所管内の広島県高田郡吉田町及び徳島地方裁判所管内の鳴門市に簡易裁判所を設置しようとするものであります。
第二点は、簡易裁判所の所在地の変更であります。土地の状況に鑑みまして、東京地方裁判所管内の品川簡易裁判所の所在地を「東京都品川区」から「東京都大田区」に変更すると共に、この名称を「大森簡易裁判所」と改め、又奈良地方裁判所管内の吉野簡易裁判所の所在地を「奈良県吉野郡下市町」から「同県同郡大淀町」に変更しようとするものであります。
第三点は、簡易裁判所の管轄区域の是正であります。土地の状況及び交通の便否等に鑑みまして、伊勢崎簡易裁判所管内の群馬県新田郡世良田村及び綿打村を太田簡易裁判所の管轄に移し、岩川簡易裁判所管内の鹿児島県囎唹郡財部町を加治木簡易裁判所の管轄に移し、大口簡易裁判所管内の鹿児島県姶良郡横同時及び牧園町を加治木簡易裁判所の管轄に移し、築館簡易裁判所管内の宮城県登米郡石越村を登米簡易裁判所の管轄に移そうとするものであります。以上の簡易裁判所の所在地の変更及び管轄区域の是正につきましては、いずれも地元市町村及び関係官公署並びに地元弁護士会の意向等を十分参酌して、最高裁判所とも協議の上決定いたものであります。
第四点は、市町村その他の行政区画に変更のあつたことに伴うこの法律の別表の訂正であります。即ち従前の市、町、村が合併又は分離して新たに市、町、村ができ、又市町村の一部が他の市町村に編入される等、裁判所の管轄区域の基準となつた行政区画に変更のあつたもの等につきまして、この法律の別表の記載を訂正しようとするものであります。
以上、誠に簡單ではありますが、との法律案の要点について御説明申上げました。何とぞよろしく御審議をお願いいたします。
第10回国会参議院法務委員会会議録第2号1頁(昭和26年3月6日)〔高木松吉政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101001057)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。