日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案
衆議院 外務委員会
昭和26年法律第260号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院外務委員会
- S26.10.27趣旨説明・質疑・採決外務委員会 151
- S26.10.30委員長報告・採決本会議 1112
提案理由
草葉隆圓 政府委員(外務政務次官) 昭和26年10月27日日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申上げます。
今回の改正は、さきに政令で設置いたしました在台北日本政府在外事務所ほか四つの在外事務所を法律の中に規定いたしますことと、将来在外事務所を廃止する必要が生じました場合にこれを政令で廃止することもできるようにしますること、及び在外事務所の権限を拡大すること、この三点が改正の要点であります。
先ず第一に、台北ほか四ヵ所に政令で設置されております在外事務所を法律の中に規定いたしまして、第二條第一項の表を改正いたしますことについて御説明をいたしたいと存じます。
日本政府は、在外邦人の保護と通商上の利益の増進を図りまするために、在外事務所のまだ設置されておりません国にも在外事務所を設置できるよう関係諸国と交渉をして参りましたところ、さきに台北、ボン、ローマ、マドリツド及びジユネーヴの五ヵ所に在外事務所を設置いたしますことにつきまして関係諸国の承諾を得られましたが、丁度そのときは国会は閉会中であり、且つ一日も早く設置することが希望いたされましたので、日本政府在外事務所設置法の第ニ條第二項に基く政令によりまして、これらを増設いたしたのであります。そこで今回これらの在外事務所をすでに設置されております他の在外事務所と同様に、同法の第二條第一項の表の中に追加いたしますと共に、同表を整理いたしますのが改正の第一点であります。
次に第二には、政令によりまして在外事務所を廃止することもできるように第ニ條第三項を新たに追加いたしますことについて御説明を申上げます。現在設置されております、丁度三十になりまする在外事務所は、正常な外交関係の復活に伴いまして、大使館、公使館、総領事館、領事館などが設置されますに従いまして、近い将来におきましては、廃止すべき必要が生じて来るわけであります。この場合に、国会が閉会中であり、且つその廃止が緊急を要します場合には、どうしても政令を以て廃止することが必要となりまするので、これを可能とするために将来大使館、公使館、総領事館又は領事館が設置され、その轄管区域内にある在外事務所を廃止する必要が生じました場合において、特別の事情がありますときは、これを政令で廃止することができるようにいたしますのが改正の第二点であります。この改正によりまして、在外事務所を臨機応変に正式の在外公館と切換えて行くことができるようになるわけであります。
最後に第三に、在外事務所の権限の拡大について改正いたしまする点を説明申上げます。すでに御承知の通り、九月下旬総司令部から日本政府の在外事務所に対しまして従来課せられておりましたすべての制限を撤廃し、その権限について日本政府が相手国と取極を締結することを許可する旨の覚書を受けたのであります。これによりまして、在外事務所は相手国との取極を締結しさえすれば、外国において外務省のあらゆる所掌事務を行うことができるわけであります。そしてその可能性が極めて大きいと思われまするので、これに対処いたしまするため、在外車務所の所掌事務を規定して参りまする築三條を改めまして、その第十五号に、在外事務所は外国において外務省の所掌事務を行うこととができるように規定いたしますのが改正の第三点であります。
勿論相手国との取極が締結されまするまで、或いほその取極の内容に制限がありまするような場合には、同條の第二項によりましてその範囲を制限することとなりまするわけであります。
なお附則におきましては、この法律の施行期日を定め、更に今回の改正によりまして法律の中に追加されます五つの在外事務所を増置いたしました日本政府在外事務所増置令を廃止せんとする規定を設けたのであります。
以上がこの法律案の提案いたしまする理由及びその内容の説明であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御採択あらんことをお願いいたす次第であります。
第12回国会参議院外務委員会会議録第1号1頁(昭和26年10月27日)〔草葉隆圓政府委員発言・発言番号6〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101201002)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。