輸出信用保険法の一部を改正する法律案
参議院 通商産業委員会
昭和26年法律第281号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
首藤新八 政府委員(通商産業政務次官) 昭和26年11月9日ただいま議題となりました輸出信用保険法の一部を改正する法律案につきまして提案の理由を説明いたします。
講和の成立に伴いまして、本邦経済の自立を達成いたさねばなりませんことは、いまさら言をまたないところでありますが、輸出貿易の飛躍的振興こそは、その自立達成の基本的要件であります。政府は輸出貿易振興の方策の一環といたしまして、最近における東南アジア地域、南米諸国の経済開発の進展に即応し、これらの地域に機械設備等資本財の輸出の促進をはかるため、さきに日本輸出銀行を設立して、長期輸出資金融通の円滑化を期する等の措置を講じて参つたのでありますが、このたび現行輸出信用保険制度を拡充し、資本財輸出取引における信用危険を担保する保険制度を確立することとし、ここに輸出信用保険法の一部を改正する法律案を提出して御審議を仰ぐ次第であります。
現行輸出信用保険法は、昭和二十五年三月三十一日に施行せられ、同年六月より輸出信用保険の引受けを行い、最近における緊迫した国際情勢のもとにありまして、輸出取引に伴う為替制限、戦争等の非常危険に基く不測の損失を救済し、輸出振興上少からざる効果を収めて参つたのであります。しかしながらさきに述べました資本財の輸出につきましては、輸出貨物の引渡し後、長期にわたつて代金の全部または一部の支払いが延期される特殊決済方式がとられるのが通例でありまして、買手側に資金が乏しく、売込みについて各国間に激甚な競争が行われている現状におきましては、このような特殊決済方式によつて買手側に長期の信用を供与しなければ、東南アジアまたは南米諸国等に対するプラント輸出の促進は実効を期しがたいものがある現状なのであります。このような資本財の輸出後その代金を回収するまでの間における買手の破産、支払い義務遅滞のごとき信用危険を保険制度によつて救済しようとするのが本改正法案の趣旨とするところでありまして、本改正法案において乙種保険として規定いたしましたものがこれであります。
なお本改正法案におきまして甲種保険と呼称しておりますところの現行輸出信用保険におきましては、損害保険会社が直接輸出業者と保険契約を締結し、政府がこれを再保険するという方式を採用いたしているのでありますが、新設する乙種保険制度におきましては、買手側の信用調査、保険引受けの可否の審査等を政府が直接責任を持つて行う必要があります関係上、保険契約締結、損失査定等一連の保険業務をすべて政府が直接取扱うことといたしております。
何とぞ御審議の上、御賛成あらんことを切望いたします。
第12回国会衆議院通商産業委員会議録第4号1頁(昭和26年11月9日)〔首藤新八政府委員発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101201022)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。