地方税法の一部を改正する法律案
参議院 地方行政委員会
昭和26年法律第269号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
岡野清豪 地方自治庁長官 昭和26年11月13日ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申上げます。
御承知の通り現行地方税制は、両次にわたるシヤウプ勧告の趣旨とするところにのつとり、地方財政自主権の強化拡充及び住民負担の合理化を目標として、従前の地方税制を根本的に改革したものでありまして、その施行以来漸次所期の成果を上げて参つたのでありますが、何分にもそれが根本的な改革でありましたことと、最近における社会経済事情の変化とによりまして、これに相当の修正を加える必要があるものと認められるに至つたのであります。
政府におきましては、これらの問題について鋭意研究を重ねているのではありますが、現行地方税制の全般にわたる改正は、さらに慎重な準備をもつてこれを他日に期することとし、今国会においては、さしあたり必要な最小限度の改正を行うことといたした次第であります。
次に本法律案の内容について御説明申し上げます。改正の第一点は、市町村民税の法人税割及び法人の事業税についてであります。すなわち、市町村民税の法人税割及び法人の事業税の納期限は、法人税の場合と同じく、事業年度終了後二月以内となつているのでありますが、最近における金融及び取引の実情にかんがみ、その徴収の円滑を期するため、法人税法の改正に準じ納税者の申請に基き、その税額の二分の一の額以内において、三月を限度としてその徴収を猶予することといたしたのであります。
改正の第二点は、附加価値税についてであります。附加価値税は、現行地方税法において初めて創設されたのでありますが、その実施の結果がわが国の社会経済に及ぼす影響が甚大であることにかんがみ、施行準備の万全を期するため現行地方税法制定の際、二箇年間その施行を延期することとされたのでありまして、いよいよ明年一月一日から施行されることとなるのでありますが、今日のわが国の社会経済の情勢及び地方税制全般との関連上、予定通り附加価値税を実施することについて、なおしばらく慎重な検討を必要とするものがあると認められるのであります。よつて、附加価値税の施行に関する結論を得るまでの間、附加価値税の課税標準について加算法を採用することについての届出の期限、青色申告書により申告することについての承認申請の期限等を、昭和二十七年三月三十一日までに延期して混乱の発生を防止することといたしたのであります。
改正の第三点は、固定資産税についてであります。固定資産税につきましては、本税創設以来、評価基準の作成等所要の事項について努力を重ね、本税運営の最も重要な点である評価の適正化に万全を期して参つたのでありますが、何分にも固定資産の評価ということは初めての試みでありますため、まだ完全とは言い得ないのであります。従つて、来年度におきましても、なお評価につき十分な調査をいたし適正なものとして行く必要が痛感されるのでありますが、これがため、昭和二十七年度分の固定資産税にかかる固定資産の価格決定の期限を六月末日まで四ヶ月間延期し、それまでの間は、前年度分の固定資産税の課税標準となつた価格に基いて仮徴収し、八月以降の納期において本決定価格に基いて差額を清算することとし、評価の適正と徴収の合理化とをはかることとしたのであります。
以上が本法律案の提案理由及びその内容の大要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに議決せられんことを希望する次第であります。
第12回国会衆議院地方行政委員会議録第7号3頁(昭和26年11月13日)〔岡野清豪地方自治庁長官発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101201027)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。