旧外貨債処理法による借換済外貨債の証券の一部の有効化等に関する法律案
参議院 大蔵委員会
昭和26年法律第289号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
西川甚五郎 政府委員(大蔵政務次官) 昭和26年11月16日ただいま議題となりました旧外貨債処理法による借換済外貨債の証券の一部の有効化等に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
戦時中政府は、旧外貨債処理法によなて外貨債を邦貨債に借りかえる措置をとつたのでありますが、右の借りかえにあたり、原証券引きかえの方法によらなかつたために、その原証券及び付属利札が、なお海外に残存しているものと推定されるものが米貨債約八百七十万ドル、英貨債約七十五万ポンドほどあります。
また開戦後外貨債借りかえの実施までの間における海外にある外貨債に対する利拂い債務またはくじ引きに当籤した証券に対する償還義務につきまして、政府は旧敵産管理法に基いて、これらの支拂い資金をその外貨債の発行者から政府の指定する勘定に円貨をもつて拂い込ませることによつて、その発行者の債務を免責し、利拂いに相当する利札は、海外に残存のままこれを無効とする措置をとつたのであります。右の利拂い資金相当額は米貨約五百九十八万ドル、英貨約三百六十二万ポンドとなつており、また右のくじ引き当籤外貨債の償還資金に見合う金額は、英貨約六千ポンドとなつているのであります。
これらの残存証券は、旧外貨債処理法によつて国内法的には無効とされ、あるいは円貨による償還資金の積立てがなされているのでありますが、それらの中には、当時の事情からいたしまして、わが国の一方的な国内措置だけで相当無理な処理がなされたと認められるものもあり、現にその相当部分の復元方について、アメリカ合衆国政府から申入れを受けている次第であります。政府としましては、わが国が戦前にかち得ました対外債務の誠実な履行者としての信用を保持し、かつは将来における外資誘致への影響を勘案いたしまして、これらの無効となつた外貨債の効力を復活する等の措置を講ずることが必要と考えました結果、この法律案を提出いたした次第であります。
次に、この法律案の内容につきまして概略を御説明いたします。
第一に、さきに申し述べました借換済外貨債の残存証券及び付属利札で、その借りかえが当を得なかつたものと認められるものにつきまして、大蔵大臣の指定により、これを旧外貨債処理法による借りかえの日にさかのぼつて有効なものとし、また前述の旧敵産管理法に基いてとられました措置によつて無効とされました利札につきましても、これを再び有効なものとすることといたしました。
第二に、右により有効とされます外貨債が地方債または社債であります場合には、旧外貨債処理法の精神に従いまして、その元利支拂い義務を政府が承継することといたしました。
第三に、以上による借りかえ済外貨債の復元に伴いまして、すでに借りかえにより発行されている邦貨債との二重発行を調整する必要がありますので、その邦貨債の取得者から借りかえ価額相当額を政府に納付させることといたしました。なお、右の納付につきましては、本人の選択によりまして、借りかえ発行された邦貨債そのものをもつて代納することもできることといたしました。
このほか右の邦貨債取得者から政府に納付されたものの内部処理、その他本措置の実施に伴い必要な事項を規定いたしております。
以上がこの法律案を提出した理由及びその内容の概略であります。何とぞ御審議の上、すみやかに可決されますようお願い申し上げます。
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第12回国会衆議院大蔵委員会議録第18号4頁(昭和26年11月16日)〔西川甚五郎政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101201047)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。