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参法第12回国会 第3号成立

文化財保護法の一部を改正する法律案

昭和26年法律第318号 文化財保護法の一部を改正する法律
提出昭和26年11月20日 堀越儀郎、外19名
付託衆議院 文部委員会
参議院 文部委員会
成立
昭和26年法律第318号
審議会議 6回・発言 358(政府答弁等 114)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院文部委員会

  1. S26.11.21趣旨説明文部委員会 7126
  2. S26.11.22質疑文部委員会 852
  3. S26.11.26採決文部委員会 10214
  4. S26.11.26採決・委員長報告本会議 1935

参議院文部委員会

  1. S26.11.21趣旨説明・採決文部委員会 1114
  2. S26.11.26委員長報告・採決本会議 2295

提案理由

堀越儀郎 議員(発議者) 昭和26年11月21日

ただいま議題となりました文化財保護法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。

 第七回国会において成立し、昨年五月三十日に公布施行せられました文化財保護法によつて、わが国の文化財保護行政は、今や新たな軌道に乗ろうとしているところであります。従つて、この法律の充実改善について根本的検討を加えることは、いましばらく運営を経た後に譲るべきものと存じますが、従来からその必要を痛感されていました京都国立博物館及び奈良文化財研究所新設の機運が熟しましたことと、今日までの同法の実施状況に照して、若干の規定整備を加える必要も認められますので、これらの小範囲の改正をいたそうとするのが、この改正案の趣旨であります。

 次に本案により改正いたそうとするおもな事項について御説明申し上げます。

 改正の第一点は、京都国立博物館及び奈良文化財研究所の新設であります。御承知の通り、奈良、京都を中心とする関西地方は、質的に最も貴重な文化財が数的にも最も多く保存されている地方であります。従つて、この地方に適当な公開施設を設けますならば、文化財の出品を行いますのに便利であり、充実した企画に基く公開を実施することができますし、その文化財の保存され来つた地方の歴史的、自然的環境風土の中においてこれを鑑賞することが、一層深い感銘を与えることとなり、わが国文化財の内外における認識理解を深めるのに寄与すること少からぬものがあろうと存じます。また、この地方に適当な研究機関を設けますことも、その豊富な研究対象が手近にありますので、その研究を行う上において大きな利便がありますことは申すまでもなく、また文化財所有者の求めに応じて、すみやかにその保存に関する適切な指導助言を与えることもできる等、文化財研究の充実向上及び文化財保存の徹底に大いに貢献し得るものと期待ざれるのでございます。この観点に立ちまして、現在の京都市立博物館を譲り受け、これを充実改善いたしまして京都国立博物館を設けるとともに、新たに奈良文化財研究所を新設し、現在東京都にある国立博物館及び文化財研究所と、東西相対応して文化財の公開及び研究の中核といたしますことは、文化財保護行政の目的速成上、最も適切な施策であろうと存ずる次第であります。なお、この二つの機関の設置は、予算の関係上昭和二十七年四月一日から実施することといたしておるのであります。

 改正の第二点は、国宝その他の重要文化財の所在の変更について、現在事後の届出を要することとなつておりますものを、事前の届出を要することといたそうとするものであります。国宝その他の重要文化財の所在の変更にあたりましては、その移動の際における文化財の毀損防止上必要な指導、移動先の環境に応ずる管理上必要な指示を事前に行うことが、文化財の保存上適当な場合があり、事後の届出のみでは、保護の万全を期し得ないうらみがありますので、原則として文化財の所在の変更につきましては、所在を変更しようとする日の二十日前までに事前の届出を要することといたそうと存ずるのであります。

 改正の第三点は、都道府県の教育委員会に関する規定を整備いたそうとするものであります。すなわち史跡名勝天然記念物の現状変更に関する文化財保護委員会の許可の権限を、都道府県の教育委員会に委任し得る道を開き、また都道府県の教育委員会は、当該都道府県の区域内に存する文化財の保存及び活用に関し、委員会に対し意見具申を行うことができることとし、文化財保護行政に関する都道府県教育委員会の権限と責任を広めることといたしまするとともに、この教育委員会に専門的、技術的補助機関として、文化財専門委員を置くことができる旨の規定を設けることといたした次第であります。

 以上のほか国宝または重要文化財の国に対する優先的売渡し申出に対する国の買取り通知期間を二十日から三十日に延長し、文化財保護委員会附置の「研究所」の名称を「文化財研究所」と改めるとともに、重要文化財の修理等につき、国から補助金、負担金を受けた者またはその相続人等がその重要文化財を有償で譲り渡す場合に、国に返納すべき納付金に関する規定、文化財保護委員会事務局各部の所掌事務に関する規定及び国有財産法との調整規定、その他二、三の点について若干の事務的整備を行うことといたしました。

 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の骨子でございます。何とぞ、十分御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。

第12回国会衆議院文部委員会議録第7号9頁(昭和26年11月21日)〔堀越儀郎議員発言・発言番号35〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101203003)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。